「冬至の高速道路」と「荷物を取りに行く」など/古代の出自のわからない「王」たち/
Posted at 25/12/23
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12月23日(火)晴れ
今日は上皇陛下の誕生日。平成の天皇誕生日である。92歳。譲位されてもう6年半。お元気、とは言えないまでも日常生活を送られ、軽井沢に静養に行かれたり御所で賓客にお会いになったりはしているようで、お年よりはお元気でお過ごしのように見受けられる。天皇陛下も来年2月には66歳になられるし、譲位されたのは賢明なご選択であったなと思う。穏やかに日々を過ごしていただければと思う。
昨日は冬至。2時半に家を出て車で帰郷したのだが、5時過ぎにはもう真っ暗になっていて、流石に冬至だなと思った。中央道の途中で西日が真正面からさし、左手でしばらく遮ったりしていた。日の沈む方角は季節によって変わるから、最も南寄りに出る冬至の日にあのあたりが見にくくなるのだなと確認。一年でこの時期にしか使えない知識だが。
昨日は午前中、9時過ぎにバスで郵便局に出かけ、不在票の入っていた荷物を受け取る。1枚は更新されたETCカードで、もう1枚はドコモの携帯の手続き関係の書類だった。もう機種変更は済んでいるのだが部署間の連絡がうまくいっていないということか。大企業というのはそういうことがよくある。仕事による割り振りではなく顧客ごとに担当がつけばいいと思うのだが、もうそういう余裕もないということだろうか。まあ大企業だからそれでもやっていけるということでもあるようには思うけれども。
大きい荷物だと思って用心して出かけたのだが思いのほか小さかったので帰りは歩いて帰った。途中でモールの横を通ったので除いていこうかと思ったら入り口に人がたむろしている。時計を見ると9時55分で、開店待ちだということがわかった。他のスーパーは8時か9時には開店しているから、ある意味殿様商売だなと思ったのだが、専門店の開店に合わせているということなのだろうなと思ったり。
家に帰ってから一休みして、また歩いて図書館に行く。郵便局まではバス停にして5個分、図書館まではバス停2個分。普段歩く駅はバス停3個だからまだ近いとは言えるが、東京だとやはり結構歩くなと思う。車で出てもいいのだが東京の駐車場は時間貸しに止めているので出入りしたら最大料金が2度発生するのであまり使えない。シューベルトのCDを返却して帰りに和菓子屋さんで塩サバ弁当を買って帰宅。昨日は出歩いたのは地元だけで、「謎の平安前期」と「日中外交秘録」を読んでいた。
ゴミをまとめて出したり洗濯したりして2時半過ぎに家を出、駐車場から車を出したのは2時台だったのだが、昨日はずいぶん道が混んでいて、近くのローソン併設のスタンドへ行って給油して出るときに時計を見たら3時15分だった。ローソンでコーヒーを買ったり、出ようと思っていた時に電話がかかってきて対応したりしたということもあるのだが。ガソリンはリットル148円で、ついに140円台で給油でき、郷里から自宅への片道で13.5リットルで2000円を切った。こういうことがあると少し嬉しい。
ローソンを出てから高速に乗るまでの下道も結構混んでいてインターに乗る交差点で2度信号待ち。首都高はメチャ込みというほどでもないが渋滞はしていて、竹橋ジャンクションで今までにないくらい時間がかかった気がする。それでも高井戸を過ぎたあたりで流れは良くなった。都心環状線を走っている時に日本橋道路元標という表示があり、ああいま日本橋の上を通過したのか、と思った。石川PAについたのが4時半近くになっていたので、やはり混んでいたなと思う。
そのあとは境川PAでトイレに行き、地元のインターで降りて書店で少し本を見てスーパーに行って夕食を買い、荷物を取りにヤマトの営業所に行って帰着したら7時前だったのだが不在票が入っていて、いろいろあったが結局8時半ごろ届けてもらった。年末は何かと忙しい。
今回は読む時間があったら読もうと思って岩波文庫の「原文対照 古典のことばー岩波文庫からー」(1995)という本を持っていった。史記列伝の引用として「非知之難也、処知則難矣」という言葉があり、いいなと思って調べたらこれは「韓非子」からの引用だった。岩波文庫では1994年に「韓非子」が出ているのでこれから引用すればいいのにと思ったが、編集段階で混乱があったのかもしれない。パラパラと見た感じ。
逆に自宅から実家の方へ3冊ほど持ってきた。遠藤慶太「六国史」(中公新書)、中村修也「平安京の暮らしと行政」(山川出版社日本史リブレット)、モーリス・デュヴェルジェ「フランス憲法史」(みすず書房)。2冊は平安前期関係、1冊は「たとえば自由はリバティか」の関連で少し考えてみたいと思ったので。読む時間がどれだけあるかはわからないが、今読んでいるのを読み終わったら読もうと思う。
***
榎村寛之「謎の平安前期」第五章139ページあたりまで。面白いと思ったことは、現在は氏姓がないのは皇室=天皇家だけになっているが、大伴氏や物部氏などの氏名(うじな)を豪族集団が持つようになったのは6世紀らしいとのこと。その例証として稲荷山古墳出土の鉄剣の銘文が挙げられているのだが、そうなると雄略天皇の時代には氏名がなかったことになり、日本書紀の葛城襲津彦などの氏はどういうことになるのかなどと思ったのだが、この辺はもう少し調べてみないとわからないかなと思った。
また天皇の子孫の「王」というのも上古は明確な決まりはなかったようだが、数代を経て賜姓され貴族になるというのが多治比真人の例などを挙げられていて、8世紀には橘宿禰→橘朝臣の例、9世紀になると天皇の子女が朝臣の賜姓をされるケースが出てくる。これはもともと天皇の与党としての貴族を太政官に増やすという意図があったと分析されていたが、醍醐源氏の源高明のあたりから、摂関家の一員としての要素が強まる、と分析されている。9世紀の後半には太政官から藤原氏と源氏以外の貴族がほとんど姿を消し、「古代貴族の終焉」と言われるようになる、という経緯を辿るのだと。
平将門の乱を読んでいても「興世王」という人物が出てくるが、この人の出自は不明で、仮にも「王」を名乗る人の出自がわからないというのはちょっと驚くのだが、天智天皇や天武天皇の恋人だったとされる額田王もやはり系図がわからない人で、案外そういう「王」は多かったのかなという気もする。ただ、飛鳥時代にはともかく平安時代になってもそういう人がいたというのはちょっと驚くのだが、興世王自身が「謎の10世紀」の人なので、記録の散逸ということなのかなとは思う。歴史というのはちょっと掘り下げるとえっと思うことが多い、というかこちらの常識とか類推とかでは捉えきれないことはやはり多いなと思う。
***
「日中外交秘録」は138ページ。第三章「情報と人脈ー裏チャンネルに真髄がある」の第三節「中国共産党の大物たち」のところ。表題の通り、中国政府の「裏チャンネル」を張り巡らし、正式ルートを飛び越えて李鵬首相と佐藤大使の面会を実現した話などは面白いなと思った。もちろん外交官だから「書けない話」は山のようにあるだろうけど、書ける話だけでもかなりたくさんあるというのはやはり活躍されていたのだなと思う。
その他なるほどと思ったのは、現在の習近平体制の状況は毛沢東時代の末期に似ているということ。つまり後継者がいない、という状態だということだ。毛沢東の後は華国鋒が継承したが、毛沢東が主要な人材をほとんど粛清していたのでかなり小粒な人しかおらず中国の不安定化が懸念されたが、失脚していた鄧小平が復活し、主導権を握ったことで安定した、というわけである。鄧小平は「凡人でも安定した政権を維持できる」集団指導体制を作り、胡耀邦の死で混乱した天安門事件の後に江沢民、その後に胡錦濤という「普通の指導者」が後を継いだわけだが、習近平は集団指導体制を廃して独裁を強めていて、そのために後継になり得る人がいなくなってしまったというわけである。
毛沢東の死後はたまたま鄧小平が野に降る形で残っていたからまだなんとかなったが、今回はそういう存在もいないということで、習近平没後の中国の混乱に備えなければならないという提言はなるほどと思った。
***
読み返してみるとなんだか文章がごちゃごちゃしているのだが、頭の中もちょっとごちゃごちゃしているのだけど、今日は母を病院に連れていったり他にもやることがあるのでこの辺りで。
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