サンフランシスコ平和条約にいちゃもんをつけカイロ宣言を持ち出す中国の意図/帰京と元職場の飲み会/朝の木星

Posted at 25/12/01

12月1日(月)晴れ

2025年もあと1か月になった。いろいろあった年だったなあと思う。あと一か月、良い月日になるとよいのだが。

昨日は朝のうちにブログ/noteを書いた後、7時ごろに出発して帰京。普段は3回ほど途中休憩するが、昨日は2回だけだった。境川で20分ほど休憩し、藤野でトイレに行って、自宅に着いたのは10時過ぎ。少し郵便物など見て10時半には出発し、11時半に下北沢。30年ほど前の同じ職場の人たちと昼食会。集まったのは7人ほどで、だいぶみなさんお年を召して出かけるのが大変になってきた感じはあった。お昼をゆっくり食べて飲んで、二次会に参加したのは5人。居酒屋でいろいろ食べたがこちらも美味しかった。下北を出たのはまだ明るかったが、地元の駅に着いたときには暗くなっていて、だいぶ飲んだなという感じ。地元の西友で夕食と朝食の買い物をし、これだけ食べたから夕飯はいらないかなあと思ったが全部食べた。この食欲はどこから。

夜は早めに休み、起きたら4時前。とはいえ、飲み終えてからもう11時間ほどは経っていたわけだから酒は抜けている。5時頃まだ暗かったが出かけて少し散歩をした。東京とは言えさすがに12月、ダウンを着て出て正解だった。電飾の首輪をした犬を散歩させている人がいたが、流行っているのだろうか。空を見上げると明るい星があり、木星かなと思ったら木星だった。木星には何か守られている感じがするのだが、獅子座の守護惑星は太陽だとのこと。まあ、とにかく空を見上げると木星が出ていることが多い。明るい星である。帰りにローソンによってジャンプとヤンマガとスピリッツを買ったが、レジの前にエビアンのリットルサイズのボトルが置いてあり、値段を聞いたら手ごろだと思ったのでそれも買った。

***

最近知って、というか知ってはいたけどそんなに大きい問題ではないと思っていた日中間の問題が、今回クローズアップされてきたので割とへえっと思っているのだけど、それは中国が「サンフランシスコ平和条約」を認めていないということ。これはもちろん、日本が第二次大戦後主権を回復する際の条約で、戦後の日本を取り巻く国際体制を規定した重要な条約であるわけだが、講和会議には中華民国・中華人民共和国・大韓民国・北朝鮮・インド・ビルマが参加せず、インドネシアは署名したが批准せず、ソビエト社会主義共和国連邦は署名しなかった。その後日本は中華民国・インド・インドネシア・ビルマと個別に講和条約を結び、旧植民地の大韓民国と日韓基本条約を結んだが、これらはサンフランシスコ講和条約と同じ体系上にあると言ってよいのだろうと思う。

中国に関しては1972年に日中共同宣言が出されて国交が出来るとともに台湾を承認しないということになり、1978年に日中平和友好条約が締結された。

もともと中華人民共和国は交戦国ではないのだが、戦後の国共内戦によって大陸側を支配した共産党政権との国交樹立が、キッシンジャー外交によって日本でも問題になったため1970年代に交渉が進められたわけである。

今回の日中対立の根幹は、台湾の地位にあるということなのだろう。

ただ、考えてみればサンフランシスコ平和条約というのは変な条約である。日本は日清戦争後の下関条約によって台湾を清国から割譲され、日露戦争後のポーツマス条約によって樺太南部を割譲された。これらははっきりと二国間で領土が移動したわけだけど、サンフランシスコ平和条約では以下のように領土を「放棄」している。

1.台湾(フォルモサ)・澎湖諸島(ペスカドレス)の権利、権限及び請求権の放棄(第2条(b))

2.朝鮮の独立を承認。済洲島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮に対する全ての権利、権原及び請求権の放棄(第2条(a))

3.千島列島・南樺太(南サハリン)の権利、権限及び請求権の放棄(第2条(c))

4・国際連盟からの委任統治領であった南洋諸島の権利、権限及び請求権の放棄。同諸島を国際連合の信託統治領とする1947年4月2日の国際連合安全保障理事会決議を承認(第2条(d))

5・南極(大和雪原など)の権利、権限及び請求権の放棄(第2条(e))

6・新南群島(スプラトリー諸島)・西沙群島(パラセル諸島)の権利、権原及び請求権の放棄(第2条(f))

7・南西諸島(北緯29度以南。琉球諸島・大東諸島など)・南方諸島(孀婦岩より南。小笠原諸島(ボニン諸島)・西之島(ロサリオ島)・火山列島)・沖ノ鳥島・南鳥島(マーカス島)をアメリカ合衆国の信託統治領とする同国の提案があればこれに同意(第3条)

となっている。このうち7番目に関してはアメリカとの交渉により現在は日本に復帰している。6番目はいま中国の進出が問題になっている南シナ海の初頭の問題だし、5番目の南極に関しては南極条約によって各国の領有権の主張は凍結されていることになっている。
4番目の南洋諸島についてはアメリカの信託統治領になった後、アメリカの準州になっているところと独立を果たしたところがある。

2番の朝鮮半島に関しては独立を認め領土を放棄しているがどの国家を承認するかは明言していないし竹島に関してはかかれていないため紛争になっているわけである。3番目の千島樺太に関しては「千島がどこまでか」という問題が解決していないので北方領土問題になっている。

そして1番が今回の日中対立の原因の一つになりつつあるわけだが、これは他の項目もそうなのだけど、日本は特定の国に対して領土を譲渡するとはどこも認めていないわけで、ただ「放棄する」となっているわけである。

だから高市総理は台湾に関し、「サンフランシスコ平和条約で台湾の領有権は放棄したため日本が領有権について何か言うことはない」としたわけだけど、中国側はそこに噛みついたわけである。

日中間における台湾の地位については1972年の日中共同声明が基本になるわけだが、ここでは

1、日本国政府は、中華人民共和国政府(共産党政権)が中国の唯一の合法政府であることを承認する。

2.中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

ということになる。ここでも重要なのは「中国」という枠組みの中で唯一の合法政権は中共政権であると認めることが一つ、したがって国民党の「中華民国政府」は承認しないということである。

ポツダム宣言第8項の立場というのは

八 「カイロ」宣言ノ條項ハ履行セラルベク又日本國ノ主權ハ本州、北海道、九州及四國竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ

ということなのだが、要はサンフランシスコ平和条約による領土の放棄と同じ内容を指すと考えるのが普通だろう。

カイロ宣言は以下の通り。(三大同盟国とはアメリカ、イギリス、中華民国をさす)

「各軍事使節日本國ニ對スル將来ノ軍事行動ヲ協定セリ

三大同盟國ハ海路、陸路オヨビ空路ニヨリソノ野蠻ナル敵國ニ假借ナキ彈壓ヲ加フルノ決意ヲ表明セリ右彈壓ハ旣ニ增大シツツアリ

三大同盟國ハ日本國ノ侵略ヲ制止シ且コレヲ罰スル爲今次ノ戰爭ヲ爲シツツアルモノナリ
右同盟國ハ自國ノタメニ何等ノ利得ヲモ欲求スルモノニ非ズ又領土擴張ノ何等ノ念ヲモ有スルモノニ非ズ

右同盟國ノ目的ハ日本國ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戰爭ノ開始以後ニ於テ日本國ガ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト竝ニ滿洲、臺灣及澎湖島ノ如キ日本國ガ清國人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民國ニ返還スルコトニ在リ

日本國ハ又暴力及貪慾ニ依リ日本國ガ略取シタル他ノ一切ノ地域ヨリ驅逐セラルベシ

前記三大國ハ朝鮮ノ人民ノ奴隷状態ニ留意シ軈テ朝鮮ヲ自由且獨立ノモノタラシムルノ決意ヲ有ス

右ノ目的ヲ以テ右三同盟國ハ同盟諸國中日本國ト交戰中ナル諸國ト協調シ日本國ノ無條件降伏ヲ齎スニ必要ナル重大且長期ノ行動ヲ續行スベシ」

この中で中国と関係あることは「滿洲、臺灣及澎湖島ノ如キ日本國ガ清國人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民國ニ返還スルコト」ということだが、つまりは日本は台湾を「放棄」するのは認められず、中華民国に「返還」せよということになるわけだが、日本側の立場としては台湾放棄ののち1952年の日華平和条約で「中華民国」に事実上返還しているわけで、そこから先は日本は関知しない、というのは当然のことになるだろう。

だから日本としては現状の対応において全く問題はないのだけど、上に述べたようにサンフランシスコ平和条約は「領土を返還・割譲する」という文言は一切なく、日本は放棄するだけになっているところが不思議な条約であるということなわけである。それは実際のところ、1951年の時点においてどの国家・政権が当該の地域の恒久的な支配者になるのかが不明の状態だったからで、戦争前の国に返還するというにはそれぞれの地域での支配政権が変化しすぎているということもあるけれども、実際のところは放棄後の領土の返還に関してはアメリカとアメリカの影響力が強い国連に任せるというような意図が条約締結の場ではあったのだろうとは思う。その結果が現在にも継続して問題になっている中韓露との領土問題になっているわけだが。

だから中国としてはサンフランシスコ平和条約を認めず、ポツダム宣言とカイロ宣言を蒸し返して「台湾は中国=自分たち共産党政権」に「返還した」と「言え」、と強要しているのが今の状態ということになるだろう。

そこにはほかの意図も感じるのは、ポツダム宣言はより現実的な路線になっているけれども、カイロ宣言は徹底的な反日家のF・D・ルーズベルト(彼は事実上の多選禁止を無視して大統領として4選し結果的に終身大統領になったという意味でも習近平並にヤバいと思う)の意図が反映しているということであり、「日本国の無条件降伏」が盛り込まれていることにあるだろう。ポツダム宣言は「日本国軍隊の無条件降伏」となっているわけで、ここにはかなりの譲歩がある。つまり、ドイツのようには日本国政府は解体させられずまた天皇制(皇室制度)も存続できたのはこの違いがあったからなわけだ。日中共同声明にないカイロ宣言をわざわざ持ち出すのはより「日本は中国に屈服したのだからこちらの要求に従え」ということを強調する意図があると考えるのが妥当だろう。


まあ長くなったが、要はいろいろ中国が屁理屈をつけているのは日本に対する陽動であり、動揺した野党政治家や良心的な市民たち、つまりマスコミや学者たちが中国に有利な言説を述べて日本の世論が分断されることを狙っていることは明らかだろう。

日本は動揺せず高市首相の所信を今後も繰り返していけばよいだけなのだが、せっかく彼らが手の内を晒してくれているので、それらも研究して行けばよいのだと思う。

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