「生理痛疑似体験電気ショック」問題を考える/中国海軍の東京近海進出と国民への警告/日本の「おわび外交」の転換点でもある「反日」江沢民の1998年の訪日:「日中外交秘録」/日本史研究の飛躍的進展

Posted at 25/12/25

12月25日(木)小雨

今日はクリスマスだが、雨の朝。昨日の夜からも降ったり止んだり。予報を見ると、午前中は晴れていて午後は雨、明日は雪が降りそうだということで、母を少し遠い病院に連れていく予定なのでちょっと困ったなと思ったり。ただまあ、今考えても仕方がないのでとにかく安全に行って帰ってこられればいいなと思う。

昨日はブログ/noteを書いた後雨の中車で出かけて銀行に行ってから、渡そうと思っていたお歳暮の品を忘れたことに気づき、家に戻ったがもう12時になるのでお昼ご飯を食べてから出かけることにした。家で少し必要な連絡をしてご飯を食べて一休みしていたら2時前になり、慌てて出かけてお歳暮を届け、書店に行って「ガクサン」13巻を探したがなく、逆に見落としていた「整う音」を見つけてそれだけ買ってから、スーパーに行って牛乳と本だしとバターと和菓子を買って、図書館に行って「たとえば自由はリバティか」を返却した。この本はとてもよかったので結局自分で買ったのだが、図書館で借りてしっかり読めるというのは本当にありがたいなと思う。

せっかく来たので何か平安時代に関するものを借りたいと思って探したがいいのがなく、とりあえず玉井力「平安時代の貴族と天皇」(岩波書店、2000)を借りた。それからツタヤに回って「ガクサン」を探したが無く、結局Amazonでポチることにした。結構時間が忙しくなってしまったが、雨は降り続いていて、強くなったり弱くなったり。暮れに天気が荒れるのは珍しいことではないにしても、クリスマスのあたりは降るなら雪だったのだが、やはりなんだかちょっと地球が変わりつつあるのかもしれないなとも思ったり。

借りてきた本を少し読んだが、わずか25年前の本であるにも関わらず、やはり最新の研究動向と比べると少し前の時代のものだなという印象を免れない。それだけ研究が飛躍的に進展しているのだなと思うのだが、内容ももちろん読むべきところはあると思うが研究史的な読み方もしたほうがいいのだろうなという気はした。

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https://x.com/wildriverpeace/status/1999352583270580534

私は小学6年生の頃、ずっと頭痛に悩まされていて、いろいろ病院も回って脳波の検査をしたりしたが原因がわからず、小さい頃に中耳炎をやっていたと母が言うので耳鼻科に行ってみてもらったら、実は副鼻腔炎(当時は蓄膿と言った)であることがわかり、しばらくその治療をしたのだが、そうやって鼻が通ってみると嘘のように頭痛が消え、「他の人たちはこんなスッキリした頭で生きていたのか」と感動するとともに、羨ましいと言うか妬ましい気持ちも起こったことがあった。

もちろん、自分が苦しいからと言って他の人も苦しければいい、と思うのは間違っているのだけど、人間にはそう言う気持ちもあるだろうなとは思う。友人と話していて、メンタルがあまり調子の良くないことが多い人に、共通の友人が鬱になったらしいと言う話をしたら、「自分だけじゃないと思ってすごく気が楽になった」と言われたことがあった。自分は大変なんだ、と言う気持ちが強いと、どうしてもそう言う気持ちが起こると言う部分もまた、人間にはあるのだろうと思う。

東京都が男性幹部職員に電気ショックを与えて生理痛体験をさせると言う話について考えていて、自分や友人のそう言う経験のことについて思い出していたのだけど、やはりそれは何かおかしい。ネットを読んでいると、男子生徒に生理痛体験をさせると言う試みも広がっているそうで、これはちょっと早めに中止すべきだと思った。基本的に痛みのない人に痛みを与えると言うのは傷害である。それは一時的なものかもしれないが、痛みというのは後遺症的に残ることがあり、実際のところペインクリニックなどでも痛みの原因というのは千差万別だからさまざまな治療を試みていくしかなく、また消えるとは限らない、厄介な症状であるらしい。

というのは、私の母がおそらくは脊柱管狭窄症や変形性膝関節症などが原因で痛みを抱えていて、もう10年以上痛み治療に通っているのだが、緩和はすることはあってもなくなることは無い。整体に通って話を聞いたり読んだりしていても、痛みがなくなるということは必ずしも良いことではなく、生きている以上は痛みは感じると思っていた方がいい、という部分もあるという話も聞いた。痛み治療については母を連れて病院にいくつも通った経験上、いろいろなことを勉強したが、私の副鼻腔炎によるものなど原因がはっきりしていれば治療すれば治るけれども、その原因が除去されてもそれが脳に記憶として残っていて、原因がないのに痛みを感じることも多いのだそうだ。それを考えると、不必要な痛みを与えるということがいかに合理的でないか、非科学的であるかがわかるかと思う。

「ひとは他人の痛みを感じることはできない」とよくいうが、これは精神的なことだけでなく、生理的・物理的にフィジカルな面でもそうである。痛みを科学的に客観的に測定することはできない。ただその人の訴えを聞いて対処するだけである。痛みにしても、他のことに集中しているときは感じなくなったりすることもよくあることである。痛みで動けないと言っていたおばあさんが地震が来たら真っ先に走って逃げ出した、などという話もあるが、それだけ痛みは個人的なもので、他人にはわからない領域なのである。

だから、人工的に痛みを与えて「同じ痛みを経験させる」などということは、全く非科学的なことであるわけである。「同じ痛み」など無いからだ。これは単なる加害行為に過ぎず、人権上の問題は多すぎる。それが体罰や暴力が強く禁止されている学校現場で行われるというのは全く見当違いも甚だしい。

こうした発想が起こってくるのは、おそらくは障害者の不便を知るために車椅子での生活を体験してみる、というようなことからの類推だろう。もちろん、車椅子の体験をしてどこや何が不便であるとかを把握し、それをバリアフリー化に活かすということはあってもいいだろう。特にその事業の担当者が実際にやってみるということに意味はあるだろうと思う。

しかし、車椅子で生活をすることで障害者の生活に理解が深めるということをしても、何か傷として残るということはまず無いだろう。外傷も痛みも与えられるわけではない。女性の苦しみを感じさせるために人工的に擬似的な生理痛を体験させる、というのとは根本的に違う。人権上も刑法上も科学的にも医学的にも第一に倫理的にも問題がありすぎる。

生理痛は生理がある時期の女性しか経験しないことだが、それなら男性が圧倒的に多い工事現場での事故などを女性に擬似体験させるべきかと言ったら、そんなことを肯定する人はいないだろう。運転免許更新の教習で交通事故の恐ろしさをこれでもかと映像を見せるのがあるが、まあ逆に言えばあれで耐えられないようなメンタルの人は免許を持つべきではないという割り切り方もできる。

この辺りのところは、実際には家庭教育や学校教育でも互いに対する思いやりという範疇の話として行われるべきことであり、それが人間としての最低限の倫理だろうと思う。こうしたことは間違っている、という認識が広く広がり、こうした試みがなるべく早く中止されるようにしてもらいたいと思う。

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権利の平等という点で今現在最も問題があるのは女子枠問題だが、苦痛と不利益の平等、ないし分担という点で将来問題になり得るのは兵役つまり徴兵制の問題だろう。イスラエルのように男女とも兵役が課されている国ならその点で問題はないが、韓国は日本以上にフェミニズムが猖獗を極めている(日本フェミニズムも韓国の影響下にある部分もあるようである)のだが、韓国では男子のみに兵役が課されているわけで、男女間の対立は日本よりはるかに強くなっていて、その結果かどうかは一概には言えないが少子化は日本以上に進んでいる。というか東アジアでは日本が最も少子化の進行の抑制に成功している国だという話もある。

それはともかく、兵役が問題になるのは、現在のところ中国の脅威の問題が一番大きい。垂秀夫「日中外交秘録」を読んでいても習近平政権になってからの中国の社会的な締め付けや経済的帝国主義的傾向、軍事的拡張政策の進展はかなり深刻なレベルになってきているようだ。

https://x.com/Cait_Sith_co/status/2003648786376327517

今年の6月7日に空母遼寧と新型空母が南鳥島付近で発着訓練を行ったというのだが、これはもちろん日本の経済水域の中で、しかも東京から1900キロしか離れていない。東京に空襲にやってきた米軍の飛行機はサイパン島からきたわけだが、2400キロである。B29の航続距離を考えてサイパンを奪取し空襲が行われるようになったわけだが、現在の兵器の性能から言って1900キロというのは目と鼻の先だろう。

アメリカは在韓米軍の烏山基地を自由に使えるように韓国側と交渉していてそれは北京から940キロという距離になるので中国は猛反発しているわけである。南鳥島は日本の最東端であるから中国のいう第二列島線よりもさらに東になるが、この海域で中国はレアアースの採掘を狙っているとのことで、この中国の動きは首都防衛の観点からも資源確保の意味からも非常に敵対的な行動であることは確かである。

空母遼寧の艦載機が自衛隊のスクランブル機にレーダー照射したというのもこういう状況の延長線上で把握すれば彼らがいかに侵略的であり威嚇に出ているかも理解できる。

https://x.com/Cait_Sith_co/status/2003775074554576898

その後米海軍の空母ジョージワシントンがオーストラリアから北上し、遼寧も新型空母も海域から撤退したが、こうした軍事情勢の緊迫はもっと報道されるべきだと思うし、防衛省自衛隊側ももっと広報しても良いことだろうと思う。小泉進次郎氏が防衛相がになって明らかに政治家として覚醒し、頼もしい感じになっているのも、こうした危機の状況が役職に対するブリーフィングによってより明確に認識したということが大きいのだろうと思う。

東シナ海の油田開発で日中中間線より日本寄りのところを掠めていくくらいならまだ小狡いで済む(済まない)が、明らかに日本のみの経済水域にある資源を狙ってくるというのは侵略的と言っても過言ではないだろう。

問題はこうした行為が石破政権下では全く問題視されなかったということにあるわけで、この辺りは石破政権への流れを作った岸田氏も後悔したのではないかと思われる。今回の高市氏の選出に反対はしたが選出後は牽制するような発言にとどまっているのも、石破政権のやらかしに対する見方も含まれているのではないかと思う。

結局のところ、高市氏の台湾有事への言及に関しても、こうした中国の台湾だけでなく東アジア全体、特に日本の領域に関する進出(侵略)を図っているという前提があってのことであり、そうしたことはもっと起きらかにしてもらえると良いなと思った。

https://x.com/JAMSTEC_PR/status/2003616616765079919

https://x.com/Cait_Sith_co/status/2003781956228763840

高市首相は代表質問に答える形で南鳥島近海のレアアースの開発をアメリカと協力して進めることを表明したが、これはトランプと利益を共有するということであるだけでなく、歴史的文脈もあることを踏まえておけば良いと思うのだが、日本が日露戦争に勝利して南満洲鉄道を手に入れたとき、アメリカの鉄道王ハリマンが共同経営を持ちかけてきたことがあった。元老には同意する動きもあったが、元老たちのような帝国主義国の怖さを身に染みて知っている世代ではない、新世代の小村寿太郎が断固拒否して流れたという経緯があった。彼らの外交観は日本を世界の大国の一員とすることを目指すということで、それ自体は悪くはないが、大国と利益をシェアすることで利益だけでなく防衛や責任もシェアできるということを軽視してしまったということだと思う。

もし南満洲鉄道がアメリカ側との共同経営になっていたら、満洲事変は起こらなかっただろうし、また満洲の経営についても実際の歴史とは全く違ったものになっていただろう。日本が血を流して勝利したのだから利益を独占するべきだという形の国粋主義が必ずしも良い結果をもたらさない。日露戦争の「勝利」もセオドア・ルーズベルトの調停あってこそというのは小村も理解していたはずなのだが、その辺りは後知恵なのでなんとも言い難い。

https://diamond.jp/articles/-/376014?page=4

同じようなことは戦後もあり、GHQに接収された富士製鐵の広畑製鉄所をめぐり、イギリスのジャーディン・マセソンとの合弁を主張した白洲次郎と富士製鐵の永野重雄が対立し、殴り合いになるという事件があった。これは経済的ナショナリズムの立場の永野と利益共有によるイギリスの後ろ盾を得ることを構想した白洲との対立で結局は永野の側が勝ったのだが、同じようなことだと言えるだろう。

もちろん、ハリマンやジャーディン・マセソンと共同経営をした方が本当に成功したかということについてはわからない。アメリカにしろイギリスにしろ、今のトランプ外交を見ていればわかるように日本と中国とは常に天秤にかけているし、またアメリカ人には伝統的になぜか「中国の巨大市場」という幻想があって(これも何か古典的な書物に書いてあるのではないかという気がする)、日本の頭越しに直接交渉して日本が蚊帳の外に置かれ、後で対応に苦慮することがあるからである。典型的なのはキッシンジャー外交で、日本の頭越しに、特に佐藤栄作内閣の時に福田赳夫外務大臣が入院中に米中会談が行われて国交回復に向かい、日本が対応に苦慮したということがあった。その後創価学会の池田大作氏やいわゆる右翼の大物の笹川良一氏らの中国への働きかけもあり(「日中外交秘録」で読んだ)田中内閣で日中共同声明を出して国交は回復することになるが、日本が後手に回ったことは否めない。

だから南鳥島沖のレアアースの日米共同開発もどうなるかはわからないが、ここにアメリカを一枚噛ませることで中国の進出を抑止できることは確かであり、そうした状況全体の中におけるピースとしての高市首相の台湾有事発言であり、尾上定正総理大臣補佐官の核所有発言であったことは押さえておく必要はあるだろう。

こうした発言は中国の虚偽の「日本の軍国主義の復活」というナラティブに有利に働くことは事実なのだが、国民に中国の危険性への警鐘を鳴らすという意味では大きな意味はあるだろう。オフレコ問題も実際にはちゃんと明確なルールを設けるべきだとは思うが、日本の左翼リベラルや報道機関が中国のナラティブに易々と乗せられている現状は変えていかなければならないだろうと思う。

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垂秀夫「日中外交秘録」、今156/538ページ。第三章「情報と人脈」の第四節、「前例にとらわれない知恵と戦略」の民主党政権時の尖閣沖漁船衝突事件のあたりのところを読んでいるが、印象に残ったところを少し書いておきたい。

それは第三節の「中国共産党の大物たち」に出てくる曾慶紅と野中広務の関係を説明する中でのことで、1998年の江沢民来日の際に小渕首相との間で「日中共同宣言」を出すことを中国側が求め、それを1972年の「日中共同声明」と1978年の「日中平和友好条約」に続く「第3の政治文書」にしようという意図があったのだという。

この直前に結ばれた金大中韓国大統領との間での日韓共同宣言では歴史問題として「心からのおわび」の文言があったのだという。これは、今考えると「なんだそれは」と思うが、1993年の宮澤内閣河野官房長官による河野談話や細川首相の「侵略戦争」発言、1995年の村山談話という流れを思い出すと、日本との因縁も深い金大中との間に「金大中拉致事件」をめぐる日本側への感謝表明と引き換えにそうした文言を入れた、ということはまあ当時は許容範囲だったのだろうなと思う。調べてみるとまだ当選2回の新人議員だった安倍晋三元首相が強く反対していたのだが、そんな力は持ち得なかったのだろうなと思う。

で、結局中国側は結ばれるべき新たな「日中共同宣言」に「心からのおわび」の文言を入れるように強く求めてきたが、政府内では日中間の歴史問題は決着済みという立場であり、最後までこの文言を入れることを拒否したため、江沢民は国賓として招かれながら日本で歴史問題を強調してばかりいて、天皇陛下の御前の宮中晩餐会ですら「日本軍国主義は大概侵略拡張の誤った道を歩み中国人民とアジアの他の国々の人民に大きな災難をもたらし、日本人民も深くその害を受けました」とスピーチしたため、日本国内で一気に反中感情が高まり、江沢民は反日であると強く印象づけることになったわけである。日中共同宣言は形の上では出されたが両首脳の署名もない失敗した文書になったわけである。

これは逆に言えば日本が、というか小渕首相がよく踏みとどまった、ということになるが、韓国との関係もその後日韓W杯で嫌韓感情が高まったり、本質的な対立はやはり「植民地支配」のナラティブが無くならない限り解消し得ないものだなと思うし、中国も共産党の正当性を騙る「対日戦争の勝利」という蒋介石の業績の簒奪によるナラティブ(というか日本は実際にはアメリカに負けたのであって中国に負けたわけではない)をやめない限り、本質的にフラットな関係に立つことは難しいだろうと思う。

しかし江沢民時代というのは日中対立が激しくなった印象があるが、今の習近平時代に比べればまだ遥かに牧歌的で、それは中国がまだ経済建設の最中だったからということはあるだろう。2000年ごろに中国のロボット技術について「先行者」が話題になったことがあるが、当時は日本はすでに「アイボ」が販売されていて、技術の差は明らかだったのである。

「日中外交秘録」はとても面白いしスリリングな記述が多いのだが、90年台の江沢民時代の次が2009年以降の民主党政権の話に富んでいる印象があり、小泉政権や安倍・福田・麻生政権の時代が今のところパスされている印象がある。垂さんもWikipediaを読むと2003年から2011年の間は本省勤務のようなので中国との直接的な交渉については書きにくかったり機密に触れることが多いのかもしれないとは思うが、まだ先を読んだら出てくるのかもしれない。

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歴史というものは本を読まないとわからないわけだが、自分が生きている現代のことについても、報道などを見ているだけでは全然わからないことが本当に多いのだなとこういう本を読んでいると改めて思う。報道というのは客観的にやるべきものだし、また政治的に色がついていないことが重要なわけだが、ある意味皆外野な訳で、当事者の話というのは全然迫力が違うわけである。当然ながら当事者には立場があるからそこを客観的に見ていかなければならないが、読者の側にも立場はあるわけで、日本国を愛するという立場が共通しているということもあって垂さんの本は読んでいて血湧き肉躍る的な部分があるのだろうと思う。生きた現代史を理解し、この先のことを考えていくためにも、もっと本を読んでいかなければならないなと改めて思っている。

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