「福音派」はレーガンの「保守革命=古き良きアメリカを取り戻す」とともに生まれた/やまびこ道路など/文化のエンタメ化と富裕層向けアレンジ/高市総理の15年前の服
Posted at 25/11/15
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11月15日(土)晴れ
今朝は比較的晴れている割には気温が高く、今の所の最低気温が3.6度。朝ガソリンを入れたり仏花を買いに行ったりするために車で出かけた時もフロントガラスは凍結していなかった。そのせいか、職場に出て少し用事をして西友まで走って仏花を買い、天気が良ければ富士山が見える道を走ったのだが山と山の間に雲が屯っていて富士山は見えなかった。ふだんは隣町まで走るのだが今朝は時間がないなと思い、またパンもまだあったから国道に出て左折して右折、近めのガソリンスタンドで安くできそうなところに行ったのだが、割引チケットを使ったらリットル162円で入れられたので、高市効果は出てきたのだろう。この値段はかなり久しぶりである。
別ルートを通って実家に戻ったが、まあふだん通らない時間に通らない道を通ると気分転換にはなるなと思った。
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昨日は午前中母を南松本の病院に連れて行く。洋服の具合が良くなくて尻が痛いというので途中何度か直したりしたので余裕を持って出かけたつもりがギリギリになってしまった。診察中も結構ばたばたして施設に電話して薬の残量を確認したり、いろいろ。モールの中の病院なので屋内駐車場からエレベーターに乗ってすぐ医院に行けるのは便利なのだが、そこからトイレまでが遠いので車椅子を押して何度かダッシュした。また車椅子用トイレを健常者が使っていることで塞がってしまうことが時々あり、その辺はちょっとモラルの問題かなという気はする。お昼ご飯を買ったり母が食べたいというおにぎりやアンパンを買ったり、施設に頼まれていたトイレットペーパーやシャンプーの詰め替えなどを買ったり。あまりよく行くモールでないので商品の場所がわからず、結構右往左往して、11時半から診察だったのだがモールを出たのは1時を過ぎていた。
先日通った踏切が閉鎖されていて、ネットを見ると迂回路が大混雑とあるので少し覚悟して出たのだが、南松本の駅前を通ってやまびこ道路に出るところが割合スムースで、やまびこ道路もそんなに運んでなかったので並柳の交差点を直進していつもの道に出て、そのあとは割とすんなりとかえれたのだが、下道だからそんなにスピードは出せないので施設に到着したときには2時を過ぎていて、母の昼ごはんに間に合わなかった。結局買ってきたものを食べてもらうことになった。
ちなみに、やまびこ道路とは1978年の長野国体、通称「やまびこ国体」の時に作られた道路で、他の県で「国体道路」と呼ばれるものに相当する。当時私はまだ三重県にいたが、卒業校の同級生のボート部員が諏訪湖での大会に動員されたということを言っていた。
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https://digital.asahi.com/articles/ASTCG22N8TCGUTFK00LM.html
閣僚給与削減問題だが、私は基本的に反対なのだけど、高市首相が「日本の最高級の服を着て外交の舞台に立ってほしい」と言われて「15年前のものを引っ張り出してきているから大丈夫だ」と答えていてすごいと思った。私は腹が入らない。質問した委員も「総理は良いかもしれませんが太ってはいらなくなる人もいるんです!」とたたみかけてもらいたかった。脱線である。
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東京国立博物館の件では、野口さんのこのツイートが問題の本質を突いているような気がする。
https://x.com/NoguchiMin10356/status/1988817301022601398
従来の「文化を愛し継承する」という考え方から「文化を消費する」という考え方が強まった結果、「エンタメ化」が進んでいることは事実で、そのことによってその分野にお金が入るようになったのは事実だろう。特に刀剣関係や歴史関係にはそうした実入りは増えるようになったと思う。もう一つは富裕層、特に海外の富裕層向けの配慮、お金を落とさせるための工夫みたいなものが進んできて、「誰でも気楽に入れる博物館・美術館」というものからは遠ざかっている感じはする。もちろん文化というものはある程度敷居の高いものではあるが、それは「金がないと入れない」というものでは少なくとも戦後はなかった。
「日本の文化的な強さは裾野の広さにある」というのは小野田大臣の言葉だが、全くその通りであり、誰でも気軽に入れるニュートラルなミュージアムがあるという真の贅沢さは維持してもらえるとありがたいなとは思う。
***
「福音派」。1980年8月21日にテキサスで開かれた福音派による「宗教円卓会議」に共和党の大統領候補だったレーガンが登壇し、
「この会合は無党派の会合であるのはよくわかっています。ですからみなさんが私を候補者として公に支持できないのもわかります。ですが、私がみなさんの活動を公に支持しているということは知っておいてください」
と演説し、宗教者たちも観衆もレーガンに対する熱狂に包まれたのだという。
「退廃するアメリカに必要なのは世俗主義ではなく、古き良き宗教であり、古き良き憲法であると語り、17世紀のピューリタン指導者ジョン・ウィンスロップと聖書の言葉を引き、アメリカは「丘の上の街」であり世界に光を照らさなければならないという。そして、聖書にこそ現代社会が抱えるあらゆる問題の答えがあると結ぶ。会場は総立ちとなり、惜しみない拍手がわきおこった。」
「丘の上の街」とはウィンスロップの言葉で「神の祝福に満たされた世界の模範となる町=アメリカ」である、という背景があるのだが、さらに遡るとマタイによる福音書第5章第14節にある「あなたがたは、世の光である。山の上にある町は隠れることができない。」からきているわけだが、つまりはアメリカは世界の模範=世の光となる国家であり、「丘の上の街」のように誰からも仰ぎ見られる存在である、という意味に繋がるのだと思う。
これはつまり、「キリスト教徒としての使命(感)と誇り」を「私(レーガン)は理解している」と聴衆の前で宣言したということであって、彼に熱狂的な支持が集まったのも当然だろうと思うし、彼を支持するという形で「南部の原理主義者、北部の福音派、南部バプテスト連盟、ペンテコステ派など」多種多様な保守的キリスト教団体を生み出した一つの契機となり、また彼らと共和党の蜜月を象徴的に表現したイベントになった、ということのようだ。
「宗教円卓会議」でググってみると最初に宗教右派として政治化した団体としてクリスチャン・ボイスが出てくるのだが、その後に出てきた団体としてモラル・マジョリティ、宗教円卓会議、全米キリスト教連合が出てくる。クリスチャン・ボイスはヘリテージ財団と関係が深いようだが、今では勢力は失われているようで、この本で取り上げられているモラル・マジョリティがやはり重要なのかなとは思う。
昨日も書いたが福音派・宗教右派という政治勢力は「声なき声」として広く存在したのが、それを政治的存在にしたのが1960−70年代に進んだ進歩主義的な世俗主義に対して自分たちの文化を守ろうとして結集して行ったいくつかの団体だった、ということで、その結集にはいくつかの契機があったわけだけど、この「宗教円卓会議」は確かに一つのメルクマールになるイベントだったのだなと思った。
そして政治の世界にとっても宗教右派の支持を得た共和党およびレーガンは地滑り的な勝利を収め、彼の掲げる「古き良きアメリカ」のビジョンは人々を魅了し、その中で「福音派」もまた誕生したのだ、という説明は腹に落ちるものがあった。88/291ページ。
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