北大路魯山人と瀬戸の魅力/「緑の導火線を通って花を咲かせる力」/ビーフン/インド系のイタリア語小説/TACOとXACO/中国の移民政策の波紋/高市新総裁への期待
Posted at 25/10/14
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10月14日(火)曇り
パッとしない天気の日が続く。でもそれなら草刈りでもやるか、と始めると雲が切れて直射日光が降り注ぎ、そうなると結構暑い。ただ、草を刈っているとわかるが、もう初夏の頃の勢いはない。だいぶ枯れ始めているから、今刈っておけば冬の間は持つかも、という感じがある。天気がなかなか思う感じではないし、他にやることもあるから計画的にとはいかないが、少しずつ進めたいと思う。
昨日は午前中に少し草刈りをした後で入浴し、昼食を摂って「自分を取り戻す」というテーマについて考えていて、「ずっとやりたかったことを、やりなさい。The Artists' Way」のレッスン内容などを検討したりしていたのだが、2時前に出かけた。
まず図書館へ行って牧野伸顕「松濤閑談」を返却し、その後朝新聞で見て知った「北大路魯山人展」を見にガラスの里美術館へ行った。ガラスの里は中央道の諏訪湖SAの真下あたりの諏訪湖畔にあるのだが、最近は営業日数を減らしていて、火曜水曜休みになっているので昨日行かないと木曜になるということで、急いで出かけた。入場券を買おうとするとJAF割引があるということで900円になった。最近使ってないのでどこにあるか財布の中を探したりスマホの会員証アプリも見つからなかったので割引なしでいいですと言ったら「ゆっくり探してください」というのでアプリストアからたどって見つけて提示した。財布の中のカードの会員証も後で見つかった。まあ、車に乗っていると何がいつ起こるか分からないからJAFは頼りにしているので、ないわけはないとは思っていたのだが。
展示場に入ると、魯山人の様々な器が。写真OK、SNS投稿OKとのことだったので何枚か撮影し、一部を投稿してみた。いろいろなものがあったが、私が好きだったのは「絵瀬戸満月四方向 五」というキャプションがつけられた五客の皿。少し大きめの白いスッキリとしたさらに青で大きく丸が描かれている。私は今まで「瀬戸」といわれるものにあまり個性を感じたことがなくて、黄瀬戸に関しては小さめの皿を5客買ったことはあるのだが、それ以外にはあんまり関心を持てないでいた(加藤唐九郎は瀬戸の作家なわけだが他のものの方が印象が強かった)のだが、これはいいなと思った。余計なものがなくてスッキリしている。魯山人の作陶はどうもごちゃごちゃしている印象が強かったのだが、これが本筋だとするなら、と考えてみると他の作品も違う意図があるように見えてくるし、これはいいなと思った。
「淡白ですっきりとした味」について「美味しんぼ」で解説している回があったが、まあそんな感じだと思う。他の作陶もごてごてしているように見えても料理を損なわないようにできてるんだな、という感じがわかってきた。磁器も焼けるカオリンを多く含んだ陶土がその理由なのだろうか。
土産物売り場等を一通り見て、次の目的地に行くためにナビを確かめたら湖の南岸を回るコースが出てきたのでそれで行くことに。西の街を周り、太平洋に注ぐ川の遠い始まりである水門のところの橋を渡って湖畔に近い道を通り、西大路の交差点に出るところで曲がってもう一度右折して隣町の図書館へ。ここでは昨日「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」で出てきたディラン・トマスの詩集を借りた。
帰ってきてから引用されていた「緑の導火線を通って花を咲かせる力」を読んだのだが今ひとつピンと来なかったので原文はないかと思ってネットで探したら下のページが出てきた。
https://nambara14.exblog.jp/25300925/
こちらは原文と対訳になっていてわかりやすい。
The force that through the green fuse drives the flower
Drives my green age; that blasts the roots of trees
Is my destroyer.
緑のヒューズを通って花を咲かせるフォースが私のグリーンな年代を花開かせる。その木の根を枯らすフォースは私を破壊するものだ。
みたいな感じだろうか。forceを「力」と訳してしまうとフォースとパワーが区別できないし、その「花を開かせる力」そのものが「私を破壊する力」でもある、ということかなと思うのだが、フォースが物理的な力でパワーが潜在的な力、つまり能力みたいなものだというのは混同していたなと思った。
だからこのforce=力というのは結構直接的なものだということなんだろう。青春の闇雲な力が自分を成長もさせるが破壊もする、という感じだろうか。
だからこのforceをいかに生かしていくかが創造のためには重要だ、という話にArtisis' Wayではなっていくわけだけど、まあこれは感じはわかるなと思った。
隣町の図書館ではもう一冊、ジュンパ・ラヒリ「わたしのいるところ」を借りた。最近なんとなくフランス文学とかよりイタリア文学の方が自分が好きなんじゃないかという気がしてきていて、イタリア文学の棚からなんとなく好きな感じのものを取り出して借りたのだが、後書きを読むと作者はロンドン生まれのインド系でアメリカ在住、ローマに住んでいた時のことを懐かしんでイタリア語で書いた「小説」だとのことでへえっと思った。2018年の作品で1967年生まれだから51歳の時の作品ということになり、主人公が40代半ばの女性という設定なのもなるほどと思う。単純なイタリア小説ではないけど、主人公はローマだと思われる「生まれた街」に住んでいるので、イタリア人という設定なのだろう。色々面白いなと思う。
その後西の街に戻ってモールへ行き、夕食の買い物など。最近なぜかビーフンを食べたいという欲望が募ってきていて、ケンミンの焼きビーフンを探したのだが見つからず、店員さんに3人くらいリレーで聞いてもらってようやく中華食材のコーナーにあることがわかった。そこも見たはずなのだが見つからなかったので、まあ聞いたのは正解だっただろう。まあ夕食は別に買ったので今日のお昼にでも作ってみようと思う。
書店を回って少し本を見たが買うものもなかったし今やってることを進めようと思って早めに帰った。
***
アメリカと中国の間の関税をめぐる対立が激化したり落ち着いたり、トランプの朝令暮改で市場が振り回されている感じなのだが、このことに関してTACOという言葉が最近よく見るようになったが、どういう意味なのかと思って調べてみると「Trump Always Chickens Out(トランプ米大統領はいつもビビッて退く)」という意味だということがわかった。
https://www.nikkei.com/prime/minutes/article/DGXZQOCD118490R10C25A6000000#
つまり「100%の関税だ!」と大騒ぎして、市場は「すわ、貿易戦争か!」となるが、すぐに軟化して税率を下げたり交渉期限を伸ばしたりすることを市場関係者が揶揄して言っているのがTACO(タコ)だということがわかった。
しかし、この辺りを考えると中国側の習近平政権も似たようなものだから、それは「Xi Jinping Always Chickens Out」つまりXACO(ザコ)とも言えるわけである。日本語にしてみてもおっさんとメスガキの罵り合い(「このタコ!」「ざあこ」)みたいになるのが可笑しいなと思った。まあそのレベルで世界が引っ張り回されてるのはちょっとアレではあるのだが。
***
中国関連ではもう一つ。中国ウォッチャーの福島香織さんの記事。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/91117
中国がSTEM人材を狙ったKビザという新しいビザを出すことに対して、国内国外とも物議を醸しているとのこと。これはトランプ政権下における国外脱出するSTEM人材が目当てだと目されているようだが、実際に入ってくるのはアメリカやカナダに移民しにくくなったインド人や、中国の進出の結果中国語が堪能になったアフリカ人ばかりではないかという指摘があるようだ。中国はインドとの関係は良くないし、アフリカ人に対しては蔑視があるそうで、そういう意味でも騒ぎになっているということらしいが、中国人自体が就職難である現況において、そのライバルとなる人材を呼び集めようとしていること自体に中国の若者たちが憤慨しているということらしい。
確かにこの政策はいろいろと問題が多いと思うが、まずはデフレスパイラルに陥りつつある中国においてなかなか経済政策がうまくいっていないということが大きいのだろう。中国からは日本への移民も相当増えているし、このことが今後どう影響してくるのかは分からないが、「日本は中国の支配下に入ればいい」というような中国人が日本のテレビに出ているような現状で、中国移民に対する目はますます厳しくなるだろうから、さまざまな影響は日本でも出てくるだろうなとは思う。
(動画のリンクを貼ろうと思ったがあまりにも気分が悪いのでやめた。この動画に関して公明党の斉藤代表の見解を誰か尋ねてもらえないだろうかと思ったりした。)
***
https://x.com/takaichi_sanae/status/1977578080773505414
一方、自民党の高市総裁は台湾に対して感謝のメッセージ。今日は両院議員総会で公明党の連立離脱についての経緯を説明するとのことだが、今後の連立工作についてもさまざまな意見が出るだろうと思うし、すでにきな臭い反応をしている議員もベテラン若手を問わずいるから、その辺をピシッとしてしっかり対処してもらいたいと思う。高市新総裁の当選(10月4日)後すでに10日経ったことになり、その間に公明党離脱という激震はあったがそれも含めて「女性」というだけでなく「保守」という立場に対してもどんなに「ガラスの天井」が厚いかということも改めてわかったので、ここは心してその破壊に専念してもらいたいと思っている。
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