批評家と学者と宗教家と教育者と政治家と作家の書く文章の違い/日本初の女性総理大臣選出へのカウントダウン
Posted at 25/10/21
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10月21日(火)うす曇り
今朝の最低気温は8.2度。昨日は15度くらいはあった気がするので、日本上空に寒気が入ってきたのだろう。この時期らしい気温になってきた。最低気温が8度になると紅葉が始まるということなので、もうそんな季節ということになるか。今年はずっと秋は名のみの風の暑さよ、だったのだが、ここにきてようやく秋らしく、というか冬が近づいている感じになってきた。少し早い。
今日は臨時国会が招集され、午後1時から首相指名選挙が行われる予定のようだ。NHKの中継は一応録画をかけておいた。多分生で見られると思うが。やはり日本最初の女性総理大臣の誕生は生で見たい感じはする。女性初の衆院議長は土井たか子氏で1993年、参院議長は扇千景氏で2004年。これで高市早苗さんが総理大臣になれば、三権の長のうち残っているのは最高裁長官だけということになる。司法に関してはいろいろ言われていることもあり、特に急ぐ必要もないと思うが、高市さんは左派も含めてこれだけ「ガラスの天井」、反対がある中で実現しようとしているのだから本当にすごいと思う。頑張っていただきたい。
文章について考えていて、自分が書きたい文章というのはどういうものだろうかと改めて考えているのだけど、一つには「評論ではない文章」、つまり何かの作品があってその批評や評論をする文章ではなく、ある種の論説文、エッセイ、あるいは小説などのフィクションのような、「何か前提になるものがあってそれがなければ成立しない」というようなものでない、「自立した文章」みたいなものを書きたいのだな、ということを思った。
ただこれは、批評や評論を書きたくないということではなくて、そうした自立した文章の方が満足度が高い感じがする、ということである。もちろんどんな文章も何かについて書いていることは確かだが、なんというか「作品」とか「人物」とかの「知名度」に頼った文章ではないもの、という感じだろうか。
今のところは、自分のnoteのビュー数の上位10本のうち、8本が漫画のレビューで、あとは自己紹介。七番目にビューが多いのはトランプ政権の関税政策を推進したとされるオレイン・キャス氏のインタビュー内容について書いたもので、これは今年4月、トランプ関税が問題になったときにその背景を探るという需要があってそれにちょうどタイムリーだったということがあったのだと思う。まあそういう意味ではこれも評論とか感想の類でオリジナルという感じではない。
文章について文章を書くのが評論や批評、文章について批評や学問の方法でものを書くのが学者、これは文章でないものについても学問の方法でものを書けば学者だが、対象についていわば「無」から言葉を立ち上げるのが「作家」であり、作家の書く文章は「対象がなくても成立する、そういう意味で自立した文章」だ、というふうに考えた。
そういう意味では、私は「作家として」文章を書きたい、ということなんだろうと思う。ただ、全くの無から何かを創造するということはもちろん人間には不可能で、言語自体が歴史的な生成物である以上、人間というものの物理的・生物的あるいは文化的な成立条件に依拠してのみ、文章は成立することは間違いない。
最も古い文章においてもすでに「生きる」という営為に何かしら反映するものとして文章は書かれている。また神という存在を看取して、それについて書いていたりするのは、通常の人間には看取できない存在を仮定しないと説明がつかないことが多すぎるために元始の人々のある種の合理性によって仮定されたものではないかとも思う。
そういう意味では宗教者の書く文章は何かしら「教え」が含まれているわけで、それが世俗化したのが「教育」なのだろう。そう考えてみると教育というのはもともとかなり不自由なものだという気はするが、まあそれはおいておこう。
また、いわゆる政治性の高い文章もあり、そういうものは「怒り」が表現されていることが多い。「給料日の怒りを国会へ」というのはかつてあったサラリーマン新党のキャッチフレーズだが、今の参政党の「日本人ファースト」などというのもその背景にはある種の怒りがあるだろう。石破茂首相(午後には首相で亡くなると思うが)もある意味で言葉の使い方の上手い人で、昨年高市氏を決選投票で破ったのは、「夏祭りの夜」の郷愁に訴えたことが勝因の一つだと思うのだけど、それもまた「それが失われている悲しみや怒り」が聞いている自民党議員たちの心に訴えたということなのだと思う。
いずれにしても作家の書く文章は自立はしているが、学問のように方法論が重視されたり、宗教のように「教え」が含まれていたりは必ずしもしないが、読むものはその文章の中に「真実」を見出したり、「人生」を見出したり、何かが解き明かされたり、、大事な「価値」を見出したり、「教え」を見出したりすることになる。
またエンタメに寄った作品になると、そこに「喜び」を見出したり「楽しみ」を見出したり、「悲しみ」を見出したりもするが、それはそのように感情を揺さぶられることを求めている人が多い、ということなのだろう。手や足や体は使わないと衰えるが、心もまたそのように時にしっかりと動かないと、衰えていくということはあるのだと思う。そのようにして心がリフレッシュするから人はエンタメに惹かれるのだろう。
学者には「ある種の真実や知見」が、宗教家や教育者には「教え」が、政治家には「怒り」つまり「良くない世の中をよくする」というものが訴えたいものとしてあるわけだが、作家の場合は書こうとしたものがストレートに伝わるとは限らないから、そこに「批評」や「感想」といった手助けが必要になることが多いのだろう。「これ描いて死ね」のバハムート昇が「ここからは君の物語だ」というのは、作家は結局は書きたいものを描くのだけど、それを読んで感銘を受け、それを人生その他に役に立てていくのは、読者の仕事だということなわけである。
ということを考えた。今日はこれから松本に出かけるのでこの辺りで。
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