公明党の連立離脱:公明党・創価学会の権力構造と公明党が浸透した国土交通行政・福祉・教育イデオロギーの今後/石破首相戦後80年所感:政治の実感が感じられない書生論

Posted at 25/10/11

10月11日(土)雨

今日は起きたら6時で少し寝坊した。6時半ごろ車で出かけて職場で少し用事をし、隣町までは知ってガソリンを入れる。アプリでの値引きが廃止になる、と張り紙があって意味がよくわからなかったが、その後併設のセブンで買い物したら「アプリ廃止になるので」と7円引きのチケットをくれたのでなるほどと。まあ11月まではこのチケットで割引が使えるようだけど、その後はどうなるのだろう。

丘の上まで車で走ってデイリーで塩パンを買い、まっすぐ帰る。帰着したら7時20分過ぎ、まあ時間も遅かったしこんなものかと思ったり。

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昨日の大きなニュースはまあ二つと言っていいか。一つは公明党の連立離脱の発表。もう一つは石破首相の戦後80年談話、これは書簡という形らしい。それぞれについて少し書いてみたい。

公明党の離脱については、昨日からいろいろ考えているのだけど、やはり双方にとってある程度の既定路線であったのではないかという気がする。自民党側としては公明票が選挙で入らなくなるのは痛い、という声はそれなりに聞こえてくるが、まあそんなものに頼って下駄を履かせてもらっているからしっかりした地盤を築けないんだよ、ということもあるから、これは新人議員をはじめ自民党の各候補者たちに頑張ってもらうのが筋だと思う。逆に公明党とは路線が異なるしっかりした識見を持った候補者たちが公明党に配慮して言いたいことも言えない、という状況は無くなるわけで、参政党に脅かされずに自分たちの主張を主張できるのは良いことだと思う。

公明党側から見ると、この動画が面白かった。

https://x.com/tweet_tokyo_web/status/1976635804006187478

創価学会・公明党内部の権力構造はなかなか表に出てこないわけだが、トップの方には創価大閥と東大・早大閥があるのだという。自公連立は東大閥が主導してきたが、今回は創価大閥の巻き返しだとのことらしい。こちらは一般の会員や婦人部の意見を背景にしているということなので、想像すると安全保障についてはお花畑的な空想平和主義、年齢階層としては高齢のご婦人たちということなのだろう。公明党の先祖返り現象とでも言えばいいのだろうか。

これらの分裂が起こったのは2015年の安保法制の時だということで、現実問題として平和を守るために安保法制が必要だという意見に同調した東大閥に対し、一般の会員たちの間からは反対運動が起こって、かなり揉めたのだという。まあ素朴で情念的な平和主義は左翼だけでなく創価学会の会員たちの間にも広くあるとは思っていたが、今回はその反発が抑えきれなくなったということかなと思う。

斉藤代表は東工大卒なのでどちらの閥かは難しいということなのだろうが、今の国交大臣の中野洋昌氏は2001年東大教養学部卒の国交官僚。ただ関西創価小中高を出ている。公明党が国交大臣を取るのは2004年の小泉改造内閣の北側氏以降なので国交大臣の椅子を目指しての入省ということはないだろうけど、将来への布石ではあったのかもしれない。法学部卒でなく教養学部卒ということで、国際関係論系なのか社会学系なのかがわからないのだけど、ちょっといろいろ考えてしまうところはある。

公明党が国交大臣ポストにあったのは2004年(小泉改造内閣)から2008年(福田康夫内閣)までと2012年の第二次安倍内閣以降。その後ほぼ13年間国交相公明党独占状態が続いたわけで、今回それが解消されたのは国交省全体にとってもある意味「正常化」ではあるようには思う。

公明党関係では国交省以外にも福祉関係への食い込みもあるわけだが、厚生労働副大臣は森内閣以降ほぼ2人の副大臣のうち1人は公明党議員がなっている。現在の鰐淵洋子氏は創価女子短大卒。

また、鰐淵氏は菅内閣・岸田内閣で文部大臣政務官も務めていて、文部省系にも公明党は進出している。国交利権と福祉利権、それに文部省という「国民的イデオロギーの製造装置」でもある学校教育系への進出が公明党の戦略だったということなのだろう。ジェンダー教育などが行われるようになったのも、公明党の進出と無縁ではないように思う。

そういう意味で、こういうものが一掃されるというのは意味のないことではないと思う。

学校現場においても、共産党系だけでなく公明党系の政治家が学校現場に介入して来ることはままあったらしく、「問題教師」にしても「彼女がクビにならないのは公明党がバックにいるかららしい」みたいな話がまことしやかに流れたりしていた。こういうのは現場から出て来ることは以前はほとんどなかったが、SNS時代になるとそれなりに出て来るようにはなるだろう。まあほとんどは真偽不明ではあるのだが。

実際問題として次の政権がどういう連立で誰が総理大臣になるのかやや混沌とはしてきているが、立憲を中心とした野合で首班指名を取れたところで、まともな政府が成立するはずがなく、公明党も野党党首の名前を書くことはないと明言しているので最終的には高市さんでまとまるだろうとは思う。国会では滑り出しでガソリン税率などの問題はスムーズに進むだろうからその後の補正予算審議などが問題になるだろうとは思うけれども、年末までには総選挙もあるかもしれない。まだ高市支持は高いと思うので勢いのあるうちに、ということはあるだろうけど、政界あるあるの魑魅魍魎が跋扈しはじめたので何がどう転ぶかはまだよくわからない。ただ、国民世論は案外単純なのではないかという気もしている。

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石破首相の戦後80年所感。

https://www.sankei.com/article/20251010-HKZGEDPN2JLYFPKT6ZQSVR4OJM/

内容はざっとしか読んでいないのだけど、いくつか思ったことを。

まず、基本的にこれは読書人の文体であって政治家の文体ではない。いろいろ本を読んで自分の考えをまとめたという感じで、政治の現場にいた人の息遣いが感じられるようなものではなく、これを政治家・日本の首相という立場の人が出すのがどういう意味があるのか全く不明だと思った。

もう一つは、国内のことについてのみ検討しているということ。戦争というのは相手のあることであり、相手とのケミストリーが合わなかった、というようなことで協調が対立に変わるのは今回の公明党離脱を見ていてもよくわかることだろう。日本側の内部のもんだについてばかり強調していて、中国の分裂した情勢や蒋介石政権や共産党の動きなどにも触れてないし、またアメリカの排日移民法やルーズベルトの反日思想などにも触れていない。かなり古いレベルの教養に基づいたものであるように思う。

もちろん、相手国の内政の歴史について総理大臣が触れることは失礼なことだし、称賛でなく批判するとしたら喧嘩を売っていることになるから、そんなものには触れないのが政治家の発言というものだが、中国やアメリカは戦争の勝者であるという立場から日本を批判して来るわけで、そういうものをかわして未来思考の関係を主張するのが我が国の政治家としての矜持だと思う。安倍談話はその点よくできていた。

また内容にしても専門用語が多用され、石破氏本人のインテリジェンスは十分ひけらかされているとは思うが、そのインテリジェンスをなぜ首脳同士の交流の時などに生かさなかったのだろうか。トランプに対しては無理かもしれないがヨーロッパ諸国の首脳との交流ならそれなりに評価された可能性もなくはないだろうとは思う。

ただ、要は書生の議論という感を免れない。左派の人々はよくわからない感激を見せているが、内容的にもありきたりのものだしそんなに深いもののようには思えない。公明党連立離脱という激震の中でこれを現職の総理大臣が発表する意味がどれくらいあったのだろうか。

https://www.sankei.com/article/20251011-Y6DSBVFHEVLOTBMJ57AE64WVDY/

今産経新聞の社説を読んだがほぼ同じ感想なのでちょっと笑ってしまった。とにかく、石破首相の文章には政治は生き物だという政治家の実感がまるで表現されていない。公明党の連立離脱劇などという生々しい政治が展開しているその夜だから、そういう感がますますする。逆に言えばその生々しさに耐えられない人たちにとっては一服の清涼剤として過大評価される可能性もあるとは思うのだが。

より客観的な評価がもう少し出て来たらまた検討しても良いかもしれないとは思っている。

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今日はずっと雨っぽい。草刈りなどしようという気持ちもあったが、また今度かな。


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