夏の後始末/高市早苗さんと「ガラスの天井」/ネパールの混乱と南アジアの不安定化/「アメリカの同盟国」カタールにミサイルを撃ち込むイスラエル/「考えの進め方」について考える本を書く

Posted at 25/09/10

9月10日(水)晴れ

当地は朝夕が涼しいせいか、なんというか「夏の疲れ」みたいなものがかなりどっと出てきている感じがする。今やらなければならないことは「夏の後始末」ということか。ただ、今日も1日晴れの予想で最高気温は31度の予想、外作業にもできることに限りがあるし、部屋の中も冷房の効いている部屋でもなければなかなか動けない感じはある。ただ、夏の後始末というのは一番感じるのは身体的なことで、そろそろ秋の体にならなければいけないのにいつまでも暑いのでそれがうまく転換できないという感じだろうか。そしてある時一気に秋が来るわけで、そして短い秋が過ぎたらもう冬だ。

自民党総裁選については、今回の焦点は「高市早苗さんかそうでないか」ではないかという気がする。去年の総裁選でも最後まで石破さんとトップを争ったものの、党員票では勝っていたのに議員による決選投票で逆転された。できれば最初から過半数を取れればいいと思うが、どうなるか。対抗馬で強いと思われるのは小泉進次郎さんだが、今回は農林水産大臣として備蓄米の放出ほか、農民を敵に回す政策の推進者となったことは大きいだろう。また都市部でも環境大臣時代のレジ袋有料化やメガソーラー推進のイメージもあり、「理屈の合わない環境派」という印象もある。夫婦別姓推進のイメージもあり、党内左派リベラルの印象が強くつけられているので、自民党が今回取り込まなければ存亡の危機に関わると思われる保守票にはつながらないだろう。

高市早苗さんが総理大臣になったら日本では女性初ということになるが、女権派もその件に関しては沈黙を守っているようだ。もちろん政策的にも左派の彼ら彼女らにとっては合わないということはあるだろうけど、彼ら彼女らがいう「ガラスの天井」を女性が突き破るのにはまたとない機会であるのに、それに期待する機運が出てこないのはやはり何かおかしい感じがする。

運動家というものは強硬に何かの実現を主張する割には実現しても喜ばないというか、120点でないことに怒り心頭、みたいな人が多くて、なんとなく言ってることはわかると思っても支持したり応援したりしてもうまく行ってもあまり喜ばないので、応援するだけ損、という感じになることが多い。また、様々な運動に同じような人が顔を出していることも多い。

本来、何らかの運動というのは目標が達成されたら解散するのが当たり前だと思うが、達成後は新たなテーマを見つけてまたそれに取り組む、という人が多いようだ。つまり運動をすることが自己目的かしてしまって、様々なテーマを見つけてはそれに絡んでいく、という感じになっているのではないかという気がする。

だから「ガラスの天井」が破られることは女権拡張を主張する根拠、つまり「女性であるから差別されてトップの地位につけない」という主張が無効になるということで、高市さんの首相就任に反対するという心理もあるのではないかと思った。もちろん、これは流石に自家撞着なのであまり表立っていう人は多くはないとは思うが。ただ、ガラスの天井というのはそういうふうに女権主義者たちが足を引っ張るという側面もあるのではないかとは思ったのだった。

私自身はまあ政策というよりは保守の立場に立つ政治姿勢というところで高市さんに期待したいと思っているけれども、彼女に対する批判も様々にあり、その辺りももう少し見ていきたいとは思う。ただ他の人になったらもっとうまくいくという期待があまり持てないということもあり、まあ期待もあるが祈るような気持ちのところもなくはないのも事実ではある。

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https://digital.asahi.com/articles/AST9942GGT99UHBI01QM.html?pn=5&unlock=1#continuehere

ネパールの国会が反政府派によって炎上し、財務大臣や元首相が襲撃され、首相は辞任を表明する、という事態になっているようだ。割合最近、バングラデシュで起こったこととも近いようなことが起こっているようだが、バングラデシュの場合は権力を握ってきた人たちがはっきりしていたが、ネパールの場合は2008年に長く続いた王政と毛沢東主義者のゲリラとの内戦が終了したものの、その後も不安定な情勢が続いているとのことで、対立構造・権力構造はどうなっているのだろうか。

先日の習近平主催の天安門の軍事パレードに今回辞任した首相は参加したとのことだから、中国の謀略ということは考えにくいが、どこでどう何がつながっているのはよくわからない。スリランカの経済危機も含め、南アジアの情勢がかなり不安定化しているらしいということだけは伝わってくるのだが。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5c2f6c32e5e8530a7d696b5e233d6eca7c6f9729

一方でイスラエルはカタールの首都ドーハにいるハマスの幹部を狙って空対地ミサイル(つまり爆撃機から投下)で攻撃したという驚きのニュースが伝わってきた。これにはカタールをはじめ各国は猛反発しているが、カタールに基地を置いている、つまり同盟国であるアメリカは反応に苦慮しているようである。

イスラエル、というかネタニヤフ政権は完全に手段を選ばなくなっているが、これは何をやってもアメリカは自分たちを潰せないという驕りのようなものがあるということではあるだろう。

彼らがやっていることは北朝鮮に似ていて、核開発も進め、ミサイルもどんどん日本海に打ち込んでいるが、流石に外国を直接攻撃するようなことはしていない。もちろん日本人をはじめ多くの人間を拉致するという言語道断のことをしてはいるが、それは極秘にであってイスラエルのように堂々とではない。ただ、同盟国であるアメリカがどこまで許容するかを見ながら行動をとっていることは確かであり、その辺りは苦虫を噛み潰しながら北朝鮮の行動を容認している中国に似ている感じはするわけである。

アメリカとしても同盟国であるカタールを反米サイドに追いやることは得策ではないと思うが、トランプがどう振る舞うかによっていろいろ変化することはあるだろう。韓国企業の現代がアメリカで建設中の工場で働いていた韓国人や日本人を不法就労で拘束したりしたのも同じだが、アメリカのやっていることも結構雑なので要は国内の支持者の方しか見ていないという面は強いだろうなと思う。

逆に、石破首相は辞任の際に事前にアメリカには全く連絡しなかったようだが、ネタニヤフも少なくともアメリカが「知らなかった」と言えるようなタイミングでしか伝えていないようなので、トランプに対する各国の扱い方も割と雑になってきている感じはある。それをトランプがどう受け取るかはわからないが。

こうしてみると、安倍さんがトランプを抑えていた時代は本当に平和だったなと思うのだが、ポスト安倍時代の困難さが改めて浮き彫りになっているのが現状なのだなと思わされる出来事だったなと思う。

***

西部邁「知性の構造」、大室幹雄「月瀬幻影」、読もうと思っているのだがなかなかそういう段にならない。

先日書いた「思想と音楽は守り」という話の続きで何を自分の「攻め」にするかという話で、自分の考えの進め方、反省の仕方とか、理論的な枠組みの作り方とか、自己批判の仕方、つまりは自分の思想の形成の仕方とか、妥当な思想や現実の把握の仕方とか、そういうことをまとめて説くような本、思考の教科書といえば定番的な言い方にすぎるが、少なくともその参考になるようなことを「攻め」にしていくのが良いのではないか、ということを思った。

読むこと、考えること、教えること、考えてみたら自分の人生のかなり大きな部分はそういうことで占められてきたわけで、そういうことをまとめるということは、自分の生きてきたことそのものをまとめるという意味合いもあるようには思う。歴史的な方法をずっと自分としてはとってきたけれども、西部さんの本を読んでそれ以外の方向性もできるかも、というのもあるので、歴史的な考え方みたいなのも相対化しながら思考というもの全体を描き出すようなことができれば良いと思う。

まだそんなにはっきりと全体像が見えているわけではないが、こうして書いておくことで自分を駆り立てることが必要なようにも思うので、とりあえずそういうことで書いておきたいと思う。

ものを書く時間と体力が絶対的に不足しているので、こちらのブログにも影響してくると思うが、なるべく頑張って書いていきたいと思う。

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