「BL規制論の急激な高まり」と「BL無罪論と表現の自由派」
Posted at 25/08/01
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8月1日(金)晴れ
今の気温は19.3度。放射冷却したのか久しぶりに20度を切った。昨日は夜は疲れてしまって夕食後にうたた寝したら1時半ごろまで寝てしまい、ちゃんと布団を敷いて寝たのだが眠りは深かったのか浅かったのか微妙。朝が涼しいのはいいのだが、着るものの調整など考えるとなかなかややこしい。
朝のうちしかちゃんと仕事ができる気温でないので昨日などはいきなり母の病院という大物が入ってきたので時間と体力配分が結構おかしくなってしまったので、今日はなるべくゆっくり調整しようと思う。とはいえ朝のうちにしたいことはしておきたいわけだが。
朝、家と職場のゴミを処理するついでに職場の周辺の草を少し刈って、それから車を走らせて岡谷に行く。途中のセブンで「週刊漫画Times」とコーヒーを買った。コーヒーを買うことが多いということもあり、値上げされたということもあるのでセブンイレブンアプリを入れて10杯飲んだら1杯無料的なスタンプを貯めている。下諏訪の街中で前にバスがいて道が詰まっていたので違う道に入り、駅近くの通りに出るガード舌をくぐって駅前からの道と国道の交差点に出たらちょうど青で、バスは抜けたようだった。佐久の方に抜ける道の交差点を曲がって長野道の方に曲がり、岡谷インターで高速に乗った。普段ここで南行きの方には入らないので新鮮な感じがしたが、ジャンクションまでは思ったよりも長く、早めに左車線で東京行きの方に曲がるのに備えてしまったので前の車が遅くてこりゃ失敗したなと思った。それから諏訪湖サービスエリアに入ったのだがもう7時を過ぎていたのでスタバなどが開いていて、結構行列になったりしていた。駐車場も結構埋まっていて、車のナンバーを見ると西日本の車が多くて、観光シーズンだなと思う。
パンを買おうと思っていたのでSAの神戸屋に行ったのだが思ったものはなかったが枝豆とチーズのパンを買って朝食にすることにした。スマートICから降りて、旧道の交差点を右に曲がり、湖畔の道に出ずに諏訪辰野線の交差点で左折して自宅に帰った。
***
「表現の自由」問題が再燃していて、元々はsteamという配信されているアダルトゲーム「いちばん美味しいゴミだけ食べさせて」に対してフェミニストが噛み付いたというのが発端だったようだが、そのフェミニスト自身が過激なBLの作者だということが判明して、炎上が飛び火したという感じになっているようだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f2c94bca837768ba87122ffb0dd6b99729c686f
https://anond.hatelabo.jp/20250729013213
この匿名ダイアリーに問題点は基本的に大体まとめられていると思うのだが、いちばん重要なことが触れられていないといううらみがある。それがいわゆる「BL無罪論」である。
https://note.com/hitoshinka/n/n27e52490d2ed
その辺りはこのnoteで大体書かれているが、つまりBL愛好者のフェミニストは「性的に過激な描写のあるBLであっても問題もないし倫理的に正しい」、という立場を取り、その上で「男性向けポルノ作品は倫理的に断罪されるべきである」と規制を主張する、という立場をとっているわけである。
BLというのは紀元前からあったのではないかと思われる男性向けポルノに比べれば歴史は浅いし、おそらくは日本で圧倒的に盛んなジャンルだろうと思う。いわゆるゲイビデオのような男性同性愛者向けの作品ではなく、女性が男性の同性愛関係を妄想して楽しむという作品群だから、ある意味性についての認識が特殊な環境でないと起こらない作品群であるようには思う。
しかしいわゆる同人というジャンルの中では発祥は古く、1970年代の同人誌即売会の元祖であるコミックマーケットの始まった時には、こうした女性向けのジャンルが中心勢力であったようだ。当時はこのジャンルは「やおい」と言われたが、「山なし、オチなし、意味なし」の頭文字を取ったものであり、要は男性同性愛者同士の関係性に女性が欲情するという当事者性が皆無の特殊なジャンルであることは間違いない。
だから当事者性を叫ぶフェミニズムにとってはBLを擁護するためには特殊な論理を立てる必要があり、それが発展していわゆるBL無罪論が出てきて、表現の自由の大義のもとにそれがジャンルとして守られてきて、今では大学教授が堂々と論文や著作として発表するまでになってきている。
しかし多くの男性にとって、それは同性愛者の当事者を含めて、気持ちの悪いジャンルであることに違いはない。
もちろん性的コンテンツというものは人類史において文化的に禁忌の対象になるのが一般であり、それは「食・賭け事・金儲け」などと並んで人前で口に出すべきでないものという文化が多かった。それはつまり人間の欲望に関することであり、全ての人間の個人の欲望が全開にされることが許されていたら社会秩序が成り立たないからである。だから法律や道徳や倫理によってそうした個人的な欲望には制限がかけられるのが普通であって、権力もまた社会秩序の維持のためにそうした取り締まりは行ってきたわけである。
そういうコンテンツが社会的に存在を許されてきたのは、理性のタガのない子供には有害であっても、大人であれば「やましさの伴う性的コンテンツの享受」をしても良い、というコンセンサスができたからで、つまりは性的コンテンツというものは「疾しいものを嗜む大人の愉しみ」であって、その享受も管理も大人としての責任が伴うものである、というのが大前提だということは押さえておきたい。
リベラリズムが進んでくるとそうした欲望の解放が正しいこととされてはきたが、これは数千年の人類の文明史の中でもより自由な時代もあればより規制の厳しい時代もあり、性的なものが解放されていても違う規制が厳しかったり、時代時代によってさまざまな状況があった。
現代はリベラリズムが力を得ているので特に1968年革命以降「性の解放」のような形で規制の緩和が進んできた。特に女性の性の解放において功績があったのがフェミニズムであるのは間違いなく、第二期フェミニズムまでは解放方向での役割を果たしてきたと言えるだろう。
しかしターンは変わり、21世紀に入った頃からフェミニズムは解放の思想からより宗教的な保守派と妥協した「子供を守れ」的な方向に転換しつつあり、特に日本においては「女性の自立」を主張するはずの思想であったフェミニズムが「女性を保護せよ」という方向に転換しつつあって、男性向けの性的コンテンツの規制を強く求める傾向が強くなってきたわけである。
21世紀に入ってからも部分的な性的描写の解放は進んだ面もあるし、それは描写する側の技術が研ぎすまされたという面もあるから関係者の努力による面もあるわけだが、性的コンテンツというものは上に述べたように基本的に「享受するのは疾しい」ものであるから、逆に「どこまでやましさを刺激できるか」みたいに特化していく方向も当然あったわけである。
ただ男性向けの性的コンテンツと違い、女性向けのBLの方にはフェミニズムという支持勢力・擁護勢力があったということが違うわけで、フェミニストであるから女性の性的解放を求め性的コンテンツ(BL)の享受を求める一方で女性保護(自立ではなく)の立場から男性向け性的コンテンツの規制を求めるという古典的な表現の自由問題から見ると極めて矛盾した動きをする勢力が出てきたわけである。今回の問題はゲームの問題で火がついて、その「表現の自由の観点から見たら矛盾する主張を自分に都合よく使い分けているフェミニストBL享受者たち」に対する一斉攻撃が始まり、その攻撃の手の中で「BLは規制すべき」という意見が出てきて、これは従来の主張の中ではひときわ強い主張になったわけである。
今までの「表現の自由」派の主張の中では、当然ながら男性向けコンテンツも女性向けBLコンテンツも共に守るべきであるという主張が行われてきたわけだが、現実的には上に述べたような事情でBLは守られ、男性的コンテンツは次々に規制されてきた、と感じている人は多い。なので「表現の自由」派を今までリードしてきた人たちは今までと同様にBLも守ろうとしているようだが、彼らは規制派の中にいる「BL擁護で男性向けコンテンツ規制論のフェミニスト」について批判している人がほとんどいないように思われる。そうなると男性向けコンテンツの規制反対を叫ぶ人たちが「BLを燃やすことで男性向けコンテンツ規制論のフェミニストにいっぱい食わせる」ことを止められる存在がない、というのが現在の状況だろう。
実際のところ、かなり過激なBLが一般書籍の棚に置いてあり、それが未成年でも自由に手に取れる状況にある、というのは男性向けコンテンツに比べると「野放し」であるのは間違い無いだろう。またそれでもそれをレジに持っていくには抵抗があるから(それはそれで感覚はまともだが)万引きしてしまう(これは犯罪である)ことも多いらしく、書店でもレジから見えやすい位置にBLコーナーはあるらしく、より「BLだけが優遇されている感」を強くしていることもあるのだろうと思う。
「BLを守ろうとする表現の自由派」はBLが規制されたら男性向けコンテンツも規制されると主張するが、「自分の好きなコンテンツは既に規制されている」とほぼ「無敵の人」状態になっている人も多いわけで、その論理でこの流れを止めることは不可能だろう。「表現の自由派」が敢然とそうしたフェミニストを非難すれば少しは状況は変わるだろうが、BL擁護派も多いと思われる表現の自由派は自分たちが矢面に立つことを恐れているように思われる。
まあ基本的に私自身の感覚では現在のBLの野放し状態はあまりよく無いと思われるので、少なくとも過激な性的描写のある作品に関しては成人指定をして男性向けのハードポルノコンテンツと同じ扱いにする、というのが常識的で真っ当な線だとは思う。それはつまり「規制ラインを男性向けに揃える」ということで、それ自体は平等的な観点からも当然だろうと思う。
ただ、「何に欲情するか」という点において、個人差はもちろん性差も当然あるわけだから、「男性向け女性向けそれぞれについてどこまでの規制が平等か」ということは紛糾することは間違い無いだろう。しかしそれは少なくとも建設的な議論であるわけだし、その線が一度できれば「男性向けコンテンツを批判しようとしたら女性向けコンテンツにも返ってくる」という状況が作れるわけだから、安易な批判はできなくなる、というところで妥当なのでは無いかと思う。
まあそうは言っても感情的な部分が絡む問題なのでどうなるかはわからないが、理性で解決するならこの辺りが一番ありうる線では無いだろうか。
***
そのほか日本人の京都離れの問題(銀座離れも同断だろう)とか、
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6547288
「石破やめるなコールと中国」の問題
https://www.moeasia.net/archives/49785876.html
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/89653
の問題についても書くつもりだったのだが時間がなくなってきたので、今日はここまでで。
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