「ふつうの軽音部」:鷹見兄の脆さと鳩野の強さ/「放課後さいこー!ポップアップ」へ行った/維新後の日本と現代のウクライナ:小国が大国中心の世界観を見返す

Posted at 25/06/03

6月3日(火)雨

昨日の朝は東京の自宅。早めにブログ/noteが書けたので少し片付けなどしてから9時半過ぎに出かける。地下鉄で大手町に行って丸の内の丸善で買おうと思っていた前田勉「近世日本の支配思想 兵学と朱子学・蘭学・国学」(平凡社ライブラリー、2025)を買う。それから歩いて半蔵門線に乗り、渋谷へ。

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渋谷はもう知っている大規模書店がなくなってしまったので渋谷で本を探すことを断念しているのだが、ツタヤが大きそうなので時間があるときに行ってみようとは思っている。外に出るとセンター街入り口のところ。ここは学生の頃しょっちゅう来ていたところだが、今になると大きく変わった渋谷の中で記憶だけで歩ける貴重な場所だなと思い、センター街を交番の方へ歩いて井の頭通りの交差点を曲がってパルコに出た。

パルコの入口は外国人でごった返していて、開店の11時まで待機。同じ目当ての客の会話が聞こえて、すぐに入れると良いなあと思っていたのだが、開店とともにエスカレーターを降りてギャラリーXを探すが、最初は少し迷った。しかし場所がわかったので行ってみると口開けの客になっていた。「ふつうの軽音部 放課後さいこー!ポップアップ」。コンセプトは谷九高校軽音部の体験入部ということだそうだ。

https://art.parco.jp/galleryx/detail/?id=1709

ギャラリーの中は最初は狭いと思ったが、20人入っても混雑しているという感じでもなかったので意外と広いのだろうなと思う。作中に出てくるいろいろなアイテムがネタに飾られていたのとポスターパネル、はーとぶれいくとプロトコルの等身大?のイラストなどあっていろいろと良かった。詳細は案内を見ていただけるとわかるし行ったときの楽しみということもあるのであまり詳しくは書かないけど、ハロウィンライブの時間表が書かれてるホワイトボードにクワハリさんと出内さんの手書きのイラストが描かれているのが見られて良かった。

入場料は500円で入場特典があり、購入したのはクリアファイルセットと「青春診断」のガチャだけだったのだけど、後で見たら缶バッジが結構人気らしく厘と彩目のものが売り切れたようだ。缶バッジというのは進撃の巨人が流行っていた頃になんでもグッズを買っていた中にあったのだが、いまいちどう楽しむものかよく分かってなくて最近は買ってない。青春診断はおみくじとお守りが入ったガチャが出るのだが、お守りはもちろんはとっちの絵柄、おみくじは厘が出て「機熟」と言っていたので予想通りすぎて可笑しかった。他のガチャにはどんなのが入っているのだろうか。

後面白かったのはロッカーの中を覗くという背徳感のある企画で、鳩野のひどい点数の答案とかが入っていた。持って帰らないんだな。(笑)それぞれ今まで作品中に出てきたアイテムやこの子はこれをロッカーに入れてそうだという感じのものが入っていた。教員時代にロッカーの中を検査したり卒業したのに起きっぱなしにしている子の中身を取りに来させたり、みたいなことを思い出したりしていたが、高校ってこういうもんだよな、みたいな感じがあって良かった。大体いたのは20分くらいだったけどなかなか楽しかった。

どこかでお昼を食べるか考えたが、その後の日程もあり結局すぐ半蔵門線に乗って大手町まで行き、半蔵門線と丸の内線の改札口から東西線の間にある成城石井でお弁当を買って帰った。帰宅したのは12時半くらいだったか。お昼を食べて少し休憩。

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今「ふつうの軽音部」4巻あたりを読み直していたのだが、鷹見兄と鳩野は共通点も多いけれども大きく違うのは鷹見兄が基本的に楽観主義なのだけど根にトラウマやコンプレックスを抱えているから脆いのに対して鳩野は根がネガティブなので高望みをしないから結果的に地に足がついた思考になる、というところが大きく違う。鳩野のトラウマやコンプレックスは新しいところに踏み出すときにそれにブレーキをかける形で働くわけだが、「軽音部に入るためにテレキャスターを買う」という1話の一大決心のあとは新しい局面に踏み込むのは鳩野ちひろの崇拝者である幸山厘に振り回される形でどんどん話が進む、という展開になっていて、この狂言回しとしての幸山厘の存在が面白くてしかもキャラクターに新しさを感じるところがこの作品の大きな魅力になっているのだなと思う。

鷹見兄のコンプレックスやトラウマが「自分の夢について来ないから」とか「自分のわがままに付き合わせたくないから」という方向に働いて人間関係を切る方向に働いているのが今の展開の苦しさなわけだけど、鳩野は基本的にネガティブだからこそなのか、うまく行っていると自分の努力よりも周りの助けや支えがあったからこそこうなってるんだ、と文化祭ライブの前に回想していて、こういう人は強いよな、と思った。

もちろんそれが必ずしもいい方向に働くわけではなくて、最初のバンド「ラチッタデッラ」ではヨンスたちのいい加減ぶりや演奏のレベルの低さに頭にきていたのに、「はーとぶれいく」最初の合わせの演奏では「すっごいいい感じじゃない?」と言って彩目に「いやどこがやねん!鳩野お前ギターひどいな!」と指摘されていて、つまり自分が満足するレベルも低い、ということが起こっているわけである。しかしこれも、彩目という「音楽レベルの高い・要求水準が高い」演奏者が加わったことでバンド全体のレベルが向上し、また鳩野もレベルの差を痛感することでより練習に打ち込む、という好循環が生まれたわけである。

鳩野はそういう指摘に対しては素直だし真摯なので言われた通りに頑張るわけだけど、そういうことができるのも一つの才能であって、だから彩目もそれを信頼し、「あんまり要領いい方じゃないしできるようになったと思ってたことも気づいたらまたできなくなってる」と分析しながら、「練習せえ。いつかはうまくなるから」と言えるわけである。

夢の持ち方もまた、文化祭の1日目に倒れたあと2日目に起きた後見ているテレビで武道館でライブという夢を叶えたバンドが出てきているのを見ていても何も反応せず、その日の後夜祭ライブで見たたまき先輩のトリの演奏に憧れて、「この舞台に立ちたい」という目標を持つわけである。ネガティブな人の思考というのがそのように働くものなのかどうか、よくわからない、というか自分はむしろ鷹見兄の方に近い感じになりがちなのだけど、原作者のクワハリさんが「鳩野は自分に似ている」と言っていることから、そういう作者さんの中の自己同一性によってこのキャラクターの存在の説得力が生まれている、という部分があるのだろうなとも思った。

ということをこのところ考えていたので少し書いてみた。

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2時半ごろ家を出て、近くのローソンに併設のスタンドで給油。単価が169円なのでだいぶ下がってきたなという印象。水とカフェラテを買って出発。9号深川線から向島線、都心環状線、4号新宿線と割と順調。新宿あたりから幡ヶ谷の合流で少し混雑したが、あとは比較的順調に行き、石川PAと境川PAでトイレ休憩(ファミマでソイジョイは買った)だけして実家の地元まで走り、まだ明るいうちに着くことが出来た。書店で少し本を見て、スーパーで夕食の買い物。家に着いたのは6時半くらいか。夕食を食べて録画機からBDに「ユーベルブラット」をダビングしたりしていたら寝落ちしそうになったので早めに就寝。今朝は4時過ぎに起きたがよく寝た感じだった。

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ウクライナの情報機関が仕掛けたロシア空軍基地へのドローン攻撃、これは世界をアッと言わせたわけだが、「独立さえ怪しい小国」が踏ん張ってロシアを相手に堂々と戦っているということがプーチンやトランプに見られる大国中心の世界観に認識を改めさせつつあるという指摘があり、なるほどそれはその通りだと思いつつ、でも要するにそれは明治維新以来日本がやってきたことだよな、と思った。

中国に勝ちロシアに勝ち、アメリカには敗れたけれども経済的にアメリカを圧倒し、バブル後の金融配線で低迷時期には入っているが、ウクライナの健闘は響いている日本人もいるのではないかと思う。まあ私もそうなわけだけど。

ウクライナもいろいろと問題がある国家であるのは確かだが、とりあえずはロシアを打ち破ってそれからまた問題を解決していってもらえるといいかなとは思った。

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いろいろと今後の方針を考えていたのだが、その辺はまた書く時が来たら書こうと思う。結局のところ、「マンガの可能性」を信じているところと、歴史を学んだ立場を足掛かりにして文化論文明論を深めて何か世界の役に立ちたい、というようなところは結局は変わらないのだなと思う。ナイジェリアのこと、アフリカのことに注目する機会もあり、この辺りについてもいろいろ学んで書いて行けたらいいな、とも思っている。


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