「不滅のあなたへ」最終回:この明るさは何だろう/長嶋茂雄さん死去/「近代イタリアの歴史」どこまでイタリアか/「ジークアクス」9話:翻弄されるマチュ/韓国新大統領選出
Posted at 25/06/04
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6月4日(水)晴れ
家の中から外を見るとあまり明るくないのだが、車で出かけて少し離れたセブンでマガジンとサンデーを買ってきたのだが、特に帰りの道で右側から朝日が直で当たってきて、見にくいということはないけどちょっと邪魔だなという感じ。明日が芒種、あと半月で夏至だからだいぶ朝日が北から出るようになっていて、普段とちょっと感じが違う。というより、昨日はよく寝られたので起きたのが5時になっていて少し寝坊した感がある。
マガジンの表紙に「不滅のあなたへ 堂々完結」の文字。この作品は8年前に始まった第1回からずっと読んでいるし印象に残った場面も多かったから、またゆっくり感想を書きたいと思う。作者の大今良時さんの作品は「聲の形」から読んでいるのでこういう作品を描かれるというのは意外ではあったのだが、手塚治虫「火の鳥」を思わせる原始から現代を超えて未来までのストーリー、その中で人間とは何かという問いを問い続ける作品というのは面白い。主人公のフシはふつうの人間ではない、ある意味外部から人間を見つめてだんだんその内部に入ってくるという感じで、人間の業を描き続けた「火の鳥」とはまた違う。また、人間の歴史が終わりを告げたはるか未来の長大な物語である「宝石の国」もまたそうした外部から人間を問う話であったが、滅び=涅槃という仏教的なテーマを抱え続けていた。
「不滅のあなたへ」の最終回ラスト、フシの敵が去り、仲間たちも去ってしまった後、また一人で一から生きる、というある意味最初に戻る話であったのだけど、この明るさはなんだろう。ラストに新しい扉を開けるという展開は「聲の形」の時もそうだったけど、読む人に力を与えてくれる。まだ考えないと本当には何も言えない感じではあるが、最終的に「希望」というものを描きたいのかな、と思った。パンドラの匣の最後に残ったもの、何もない場所からの再スタート。それでもそれは過去があればこそのこと、だと。
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https://www.yomiuri.co.jp/national/20250603-OYT1T50046/
長嶋茂雄さんが亡くなった。89歳。6月3日、背番号の日でもある。昨日の夜のニュース番組、というか報道ステーションではかなり長く取り上げていたが、それは私と同世代のキャスター、元東大野球部の大越健介さんがやっている番組だから、ということもあったのだろう。長嶋さんのことはもちろんたくさんの記憶があるのだが、こんなことがあった、あんなことがあったということもまたそのうち書ければいいかと思う。ただミスターの面白エピソードというのは長嶋という選手がいかに偉大だったか、ということを知っている人にとってのギャップ萌えとしての小噺だったのが、それを知らない世代にとっては「ただのバカ」みたいになってしまっているのは畏れを知らないというか「神なき時代」の象徴みたいなものなんだよな、とは思う。
まあ語る人はいくらでもいそうなのでなんとなく自分は遠慮して、という気持ちもあるというか、自分だけのエピソードみたいなものもあまりないけれども、自分が書くとしたらマンガに関連してのことかなとは思う。今と違って私の子供の頃は平気で実名で選手たちがマンガに登場していた。水島新司の「野球狂の詩」で、長嶋の引退後に長嶋のファンが一念発起して選手になり、1年間で一本だけホームランを打って「天覧ホームラン」と叫んだり、ラストにはあの引退の場面を再現して彼の無謀な試みをバカにしていた観衆(少しだけど)を泣かせる、という話があった。長嶋という選手あるいは監督は、そうやって多くの人々を惹きつけ、人生を変えたり豊かにしたりする力を持った人だったなと思う。
ただ落合選手などは王長嶋がなかなか一億円を超えなかったので野球選手の年俸が低く抑えられてきたという不満を持っていたという話もあり、選手として初めて一億円を超えるなどある意味での批判の対象でももちろんあった。しかしすでに野球選手の契約は場合によっては数十億単位になるまでになり、全然違う時代に突入はしているのだが、しかし日本において野球というものが最もポピュラーな競技になったことには、長嶋さんの貢献は計り知れないだろうと思う。21世紀の4分の1まで長嶋さんが生きてくれたこともまた、野球界や日本文化にとっては大きなことだったのだろうなと思う。ご冥福をお祈りしたい。
***
昨日は午前中になんとかブログを書いた後、セブンでお金をおろして銀行で預け入れたり、郵便局に行ったりクリーニングを出しに行ったり。それから図書館に回ってイタリアの労働運動や社会主義についての本を何か借りようと思ったのだが、これはドイツのナチズムの起源はなんとなくわかってる気がするけどイタリアのファシズムの起源の理解がなんとなくしっくりこないのでその辺を勉強し直してみたいなと思ったからなのだけど、ジャストというものは見つからなかったが北村暁夫・伊藤武編著「近代イタリアの歴史 16世紀から現代まで」(ミネルヴァ書房、2012)が一番求めるものに近そうだったので借りてみた。
まだはしがきと第1章の16−17世紀のあたりのところを読んでいる。Wikipediaなども読みながらだが、近代イタリアはやはり南北問題がかなり重要な要素になってくるなと思った。南北格差の問題もあるが、統一の中心になったカブール自身が南イタリア、つまりナポリ王国・シチリア王国を統一する気はなかったのがガリバルディが征服してしまったので予定が狂ったとか、ガリバルディ自身は自分の故郷のニッツァ(ニース)がフランスに割譲されて怒ったとか、統一後もローマ教会と断絶状態だったり「未回収のイタリア」としてフィウメが残ったりと、「どこからどこまでがイタリアか」という問題がかなり尾を引いたのだなということもある。
これは日本のように割合境界が明確である国では(それでも琉球の帰属とか千島樺太の問題などはあるが)あまり想像がつかないが、考えてみればドイツの統一の時もオーストリアが加わるか否かという大きな分かれ目があったわけだから、場合によっては北イタリアだけがイタリアになっていた可能性もなくはないのだなと考えてみれば思う。そして近代イタリアはそのために南北問題が生まれ、国家の進路にも大きく関わることになったということなのだろう。ドイツもまたバイエルンなどカトリック圏をその範囲に組み込んだために文化闘争という形で宗教問題が起こったわけだが、イタリアの問題はそれよりかなり大きかっただろうと思う。現代でも北部同盟のような形で南部を分離せよという主張が出てくるわけではあるし。
このことと社会主義運動や労働運動の絡みについてなども考えたいと思う。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250604/k10014824921000.html
韓国では新大統領に革新系の李在明氏が当選。かねてから反日姿勢の強い人だったので、今後の展開は注意していかなければいけないとは思うが、この人がトランプ政権との関係をどう保っていくかはよくわからないところがあり、反日とともに「アメリカと中国の間で韓国がどういうポジションを取るのか」ということも大きな問題としてある気はする。罷免された尹大統領はそのあたりが現実的な姿勢だったから安定感があったのだが、議会に足場を持てずに戒厳令という無茶をしてしまって失脚に至った。大統領が現実路線を取って議会を説得するのか、ドメスティックな議会の意見に振り回されることになるのか、なるべく安定した政権運営を期待するしかないというところか。石破政権も変な影響を受けなければいいがと思うのだが。
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「ジークアクス」第9話「シャロンの薔薇」をみた。前話で大気圏に突入していたマチュだが、今話は囚われた時のシャリア・ブル(緑のおじさん)との会話と現在が交互に出てくる展開。地球についてからは目まぐるしい展開だが、最終的には「シャロンの薔薇」が緑のおじさんたちキシリア派ジオンに回収される、ということになっていた。私は見ているのは途中からだしガンダム世界そのものを知らないのでこの辺りの過去の話や並行世界の話になってくるとふうんという感じになってしまうが、ガンダムというものも自分の意思で動いたり自分以外の意思で動いたりいろいろしていて「こういうもの」というのがなかなか掴めないが、幾つもの世界を何度もやり直しているという感じのララアのセリフはやはり「魔法少女まどか☆マギカ」のほむらを思い出すものがあった。
今回はマチュが勝手に動くというよりは緑のおじさんやララア、あるいはジークアクスの意思によって動かされているという感じでまだマチュの性格があまり掴めていない私としては翻弄の意味があまり取れないでいるのだけど、他のガンダム作品はよくわからないけどジークアクスは改めて最初から見てみる意味はあるなあという感触は強くなってきた。そういう時間がないのが残念ではあるが・・・
***
今日は6月4日、天安門事件からもう36年か。あの当時に見えていた世界と今の世界は大きく違うとは思うが、少しでも良い世界になるように近づいていけると良いなと思う。
私は一通り文章を書いてからタイトルを考えるのだけど、今日のタイトルに挙げたことはみんな大きなニュースで、このほかにもウクライナの新規軸のドローン攻撃など話題にしたいことはあり、なんだかいろいろなことが起こる時には一度に起こるんだなと改めて思った。
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