「ジークアクス」を9話まで見た:「描こうとしていることのその先にあるもの」と「進撃の巨人」/「人喰いマンションと大家のメゾン」がさらに面白くなってきた/郵便の未来

Posted at 25/06/06

6月6日(金)晴れ

昨日は午前中会計の仕事をやってもらい、その後銀行を二軒回って、スーパーで少しだけ買い物したり。時間がある時に「ジークアクス」の見ていなかったところをアベマで少しずつ見ていって、夜5話まで見終わったのだが、私は6話から見ているのだけど繋がりがわからなかったから録画で6話と7話を見て、物語が急展開するところだったからここから見たらわからなくて当然だなと思った。しかしこれで一通りこの作品のストーリーは理解したという感じ。8話の前半が過去、後半がキシリア様とニャアンとか、9話がマチュの地球行きだから細かいところは押さえきれてないところはあるかもしれないが大体はわかったかなと思う。

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こうしてみるとこの作品はすごく面白い。私は元々ガンダムは見ないできたのでファーストガンダムのストーリー自体がよくわかっていないのだが、気になったところをちょっとネットで調べるくらいの理解だけど「ジークアクス」の作品世界自体は腑に落ちてきている。もう少し背景を理解したくなったらファーストガンダムも見るかもしれないが、まだそこまでは行ってない感じである。

ネットを見ているとマチュに感情移入できないという意見が結構あるのだが、私はそうでもない。というか主人公というものはいつでもこのくらい勝手なものだろうと思うし、周りを振り回しているように見えてもまだ今のところマチュはより状況に振り回されている部分が大きく、シャリア・ブルの掌で踊らされている感が強い。ニャアンもまた今のところキシリアの手に落ちている感じで、次回がどう展開するのかが楽しみだ。

赤いガンダムとシュウジも最初に見た時はなんだかよくわからなかったが、どうも別の世界=なんらかの並行世界に行ってしまったという理解がいい気がするし、マチュやシュウジに執着していたニャアンが「親しいものがいたら連れていってもいい」と言われて「いません」というのもそれが理解できたからなんだろうなと思ったり。一方でマチュはまだそれがわかっていなくて、地球に行けば会えるかもと思って無理やり大気圏に突入したもののシャロンの薔薇にたどり着いたのはいいもののそれをシャリア・ブルたちに横取りされる感じになっている。ただこれも「不安定だ」と言われているのは並行世界からきたものなのかなという感じで、赤いガンダムとの関わりがまた気になるところだなと。

この作品がガンダムをずっと見ている人たち以外にも評判が広がった一つの原因がシイコ・スガイの存在だったと思うのだが、4話のシイコの存在感は確かに大きかったのだけど全体の流れの中で見ると一つのエピソードという感じで、戦争というものの副作用というか、ギャンブル中毒のような戦闘中毒みたいな感じがあって、それが「家族を持つ」という安堵感や安定感があっても越えられないものだ、みたいなところが結構エグいなとは思った。そしてマチュもまたシイコを倒したシュウジに距離を感じてしまい、そこに追いつくことに必死になる、という感じになっていて、アンキーに「男狂い」みたいに言われていたけどなんだかそれだけでない何かがある、自分の知らないものを知っているシュウジに食らいついていきたい思いの強さみたいなものが主人公的というか、まあ私などが共感するところだなという気がした。

この作品もそうなのだが、いわゆる名作というものは今描こうとしている、描かれようとしている世界の向こうに何かある、その先に何かあると感じさせるものがあると思うのだけど、このアニメはアニメとして久しぶりにそういうものを感じさせてくれたという感じがする。

昔は文学にしてもマンガやアニメにしてもそういうものの「その先」に触れたくてそういうものを見ていた、読んでいた感じが強かった。

ただ、良い作品というのはそういう作品ばかりではなくて、「今描かれていること」「今描こうとされていること」「今表現されていること」自体がやりたいことで、私の感覚では「その先にあること」までもがその中で描かれている、というものもある。

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自分の感覚では、そういう作品として最初に出会った、最初に意識したのは「進撃の巨人」だった。「進撃の巨人」はものすごく壮大な作品だというのが読んでいてわかった、私がこの作品を知ったのは「このマンガがすごい!2011」だったので、2011年の年頭から単行本を読み始めて3巻まで出ていたのを読み、そのあとは別冊マガジンも買い始めて、最初に読んだのは調査兵団の壁外調査で「女型の巨人」の戦いの後、アニが憲兵団の一室で目覚める場面からだった。

「進撃の巨人」はとにかくすごい。とにかく迫力がある。しかしこの迫力と切迫感、追い縋るような恐怖の向こうに何があるのか、全然わからない。人間の無力性と大自然の破壊力みたいなものなのかなと思ったのは、ちょうど読んでいる時期に東日本大震災が起こったことに関係しているのだろうとは思うが、それを読み取ることは勝手ではあっても描こうとしているものに内在しているものはそれではないように見えた。

「その先」というのは伏線に隠された真実、というような意味ではなくて、そういう意味では進撃の巨人にしてもたくさんあるわけだけど、それがわかって「そうだったのか!」とは思うが、そこで何かの人間性の真実がわかるわけでもない。そしてそうでないところが「進撃の巨人」の良さであって、「実はライナーとアニとベルトルトは違う世界から来た壁内破壊者だった」みたいな衝撃はめちゃくちゃ驚かされたがある種のミスリードからの種明かしであって、「誰が信用できて誰が信用できないかわからない」という世界観を強化する方向にしかいかなかったけれども、まあそれがエンターテイメントというものなのだろうと思う。

もちろん、「ジークアクス」もかなりのエンターテイメントだしガンプラやフィギュアは売られているしそういうものが好きな、つまりキャラクターを消費するという意味でのエンタメ性はとても強い一方で、キャラクターの人間造形自体の深さというかそういう古典的な文学性みたいなものもかなりある。「進撃の巨人」ではちょっとそういうところはある意味「面白がりすぎている」ところがあった気がする。そういう一種の照れ隠しがあの作品の味わいでもあった、という部分もあるけれども。

今朝は少し早めに目が覚めて、二度寝してみたらもう5時半になっていたので起き出してゴミを出したり職場に用事を済ませにいったりセブンで「週刊漫画Times」を買ったりして帰ってきて、週漫を読んだりジャンププラスの金曜更新を読んだりしていたのだけど、私が一番面白いと思ったのは田中空原作・あきま作画「人喰いマンションと大家のメゾン」で、作画もストーリーもすごく好きな作品である。

あきまさんの作画は最初は「約束のネバーランド」の作画の出水ぽすかさんみたいな感じなのかなと思っていたのだが出水さんよりももっとマンガみが強い作画で、こちらの方が私の趣味にはよりぴったり合うなと思った。原作と作画が別の作品のうち、原作の人も描けるけれどもあえて別の人が作画をするという作品が最近増えてるが、この作品も「タテの国」や「ドラゴンの子」など味わいのある絵と本格的なSFの書ける田中さんがあえて作画を人に任せているというのは相当なことがあるのだろうと思っていたのだけど、まさにそういう作品で、本当にこの絵が物語とキャラクターにマッチし、大当たりだったなと思う。

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今日更新の第9話は「小数点フロア」の話が終わって新展開の1話目だったわけだが、謎の映画を見にいってその監督に会いに行くと、というなんだかロードムービー性を感じさせる展開で、面白かった。花壇の絵の場面でいきなりカラーページになったのが、「パリ・テキサス」でナスターシャ・キンスキーが出てきた時に急に画面が色付きになったような(実際にはなってない、私の主観的な印象です)感じを思い出して、世界の深さのようなものが見えた感じがした。というか、この作品は先に「ジークアクス」について言ったような「表現されているものの、その先」を感じさせる作品で、そういう意味でジャンププラスを読んでいてもある種の別格さを感じさせる、つまりエンタメを越えた作品性を感じさせる作品だなと思っていて、逆に言えばこの作品についてそんなことを考えていたら「ジークアクスもそうだよな」と思った、ということなのだった。

***

日本郵政が乗務の点呼問題で郵便車を使えなくなるとかいうとんでもない話が入ってきたが、どうなるのだろうか。日本郵政しか郵便事業はできないはずだから、郵便というものの流通、ひいては日本の物流に大きな影響を与えることになると思うけれども、何か善後策は取れないのだろうか。ルール違反を取り締まることは重要だが産業に悪影響を与えるのは本末転倒だろう、というのはジェネリック薬品の時も感じたが、なるべく支障が出ないような対処をしてもらえないだろうかとは思っている。

まあ私の年齢的なものもあるのだろうけれども郵便というものには懐かしさというか郷愁みたいなものを感じる世代であるということもあるのだろうなと思うが、ちょっと心配な感じもしている。

郵便というもの自体が扱い量が減り、先が見えにくい状況ではあるけれども、「信書の重要性」というものが消えることはないように思う。なんとか立て直してもらいたいものである。


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