北大入試と嵐のライブ:仕事(就学)と趣味をめぐる諸問題/「ブルーピリオド」:「美術は仕事か趣味か」と「アーチストにとっての恋愛」/寒くてじめじめした朝
Posted at 25/11/26
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11月26日(水)薄曇り
昨日は雨だったので一日なんとなく不活性な感じだったのだが、最高気温が6度くらいでやはり晩秋から初冬の気候だったのだなと思う。今朝の最低気温は今の所3.1度だが、最高気温は11度の予想なので少しは秋らしい感じになると良いなと思う。
今朝出かけた時の車のフロントガラスはやはり凍っていて、昨日の雨が凍結したのだろうなと思う。寒い割に少しじめじめした感じで、乾燥に困る冬とはまだ違う感じではある。昨日の雨も時雨という感じだろうか。今日は旧暦では10月7日、二十四節気は小雪、七十二候は虹蔵不見(にじかくれてみえず)である。
今本がないので確認できないが、易では旧暦11月の冬至が陰が極まり陽に転ずる一陽来復の「地雷復」の卦なので、旧暦10月の今は坤為地、全てが陰の季節ということになるが、確かにそんな感じはする。「ナルニア国物語」の「ライオンと魔女」で、「雪に覆われているがいつまでもクリスマスが来ない永遠の冬」という描写が出てくるけれども、今の時期はそんな感じだろうか。雪はまだ来てはいないけれども。
***
ブルーピリオド、18巻まで所収のシリーズは森先輩を巡って「美術は仕事」か「美術は趣味か」というテーマで書かれていたのだけど、3年生になってのイベントで京都に見学旅行に行き、「恋愛」がテーマになっている。主人公の八虎本人はそういう気はないのだけど、2歳上の同級生・三木きねみに親切にしたことで恋心を抱かれたことを「しまった、やりすぎた」と思っていて、周りからもその関係に対して「付き合ってるの?」と思われたりしているのだけど、ここは入学の頃からそういうことは起こるかも、ということは思っていたのでそんなに不思議ではないけれども、きねみの方も恋愛依存的なところがあり、八虎は恋愛に割と冷めているので、ここがどういう展開になるかは割と興味深い。
アーチストにとって恋愛とはどういうものなのか、みたいなことは多分かなり大きなテーマではないかと思うけど、シューマン夫妻のようにラブラブだとどちらかが亡くなるのが悲劇だし、高村光太郎のようにどちらかがおかしくなるケースも多いし、ダリのようになんだか宗教的になってしまう場合もある。作中でも世田介と親しかった岡本が恋愛を初めてすっかり絵を描かなくなったとか、どうなるんだそれみたいなこともある。こういうのはそれぞれ、自分に思い当たるところがあるから八虎がどういう経験をしどういうふうに考えていくのかはまた見たい感じではある。
個人的には森先輩がいいとは思うのだが、彫刻科に行った桑名マキも悪くないし、対等というのでは桑名さんかなとは思うのだが最近出てきていないのでそういう展開があるかどうか。八虎は男性でも女性でも基本的にフラットに見るタイプなので、鮎川龍二のような女装男性や橋田のような変人、ノーマークスのフジキリオのようなカリスマでも適度な距離感で付き合えるタイプではあるが、それゆえに恋愛のように相手にも自分にも踏み込んでいかなければならないことは苦手である気はする。どんな描かれ方をするのか、楽しみである。
2021年の対談では作者さんはまだ八虎の進路について悩んでいたようだけど、今は「作家になる」という目標がはっきりしたからこそ森先輩との間に軋轢?のようなものが起こったわけで、その辺りのところは参考になる。このインタビューは今読んだので連載だとどの段階に当たるかはちゃんと調べないとわからないのだけど、多分真田まち子をめぐるエピソードのあたりなんだろうな、という気はする。あの真田というキャラクターは本当に好きだったな。
https://bijutsutecho.com/magazine/interview/24850
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北海道大学の後期入試と元ジャニーズの嵐の札幌ドームでの公演が日程的にバッティングしてネット上でいろいろ喧しい議論が行われているのだが、これはつまり「就学から仕事」というライフイベントにおける重要な出来事と、アイドルの最終公演の観賞という「趣味の上での大事なイベント」、という二つの大規模イベントが日程的にバッティングし、波紋を呼んでいるということだろう。旧帝大では後期入試を実施しているところ自体が多くはなく、また前期入試で東大や京大に挑む人たちの再チャレンジ先としても重要になっている。また北大の入試は前期は東大のように学部進学先を決めない入試が大きい部分を占めているが、後期は最初から学部が決まっている入試になるので前期も後期も重要である。
「ジャニタレの追っかけ」というのはあまり詳しくはないが、教員をやっていたときに光Genjiの追っかけグループのリーダーという子がいたので彼女の話からいろいろ想像はしていたけれども、今の嵐の追っかけというのは社会人が多いようだから、金に糸目をつけず推しに注ぎ込むタイプの人たちが多いのかなという気はする。人数から言えばおそらく後者の方がかなり多いだろうから、北大受験を考えている人たちは早めに手を打っておく必要がありそうだが、共通テストの結果を受けてギリギリで決める人が多いのが国立の後期入試であるので、大学側にとっても受験生側から選択肢として消されてしまうリスクというのも大きいだろうなとは思う。
私のタイムラインではどうしても北大受験生に対して同情的な声が多くはなるのだが、趣味の次元である追っかけに命をかける人たちも少なくはないから感情的な議論になりそうではあるなとは思う。アイドルオタクというものは嵐のイベントなどがあると同じ都市で計画されていた全国的な学会を違う都市に変更するなどかなり影響があるものではある。
もともと趣味というもの、特にオタク的な趣味というものは周りに迷惑をかけることは少なくはないわけで、それに対して理解がある人ばかりではないし、特に利害が対立すると好き嫌いが絡むことだけに感情的なものになりがちで、時に悲劇的なことが起こる場合もある。
女性オタクがかける迷惑というのは集団でホテルを占拠するみたいな形になるが男性オタクだと例えば部屋がガンプラや趣味の本で埋め尽くされる、みたいな形になることが多い。そこで奥さんがいきなり全部捨てたりして、男性が落胆のあまり口も聞かず外にも出ず仕事にも行かなくなって生ける屍になってしまう、みたいな話も時々聞く。趣味もまた生きる喜びであることは確かだから、それを失うことを「大したことじゃない」というのもあまりに理解がなさすぎるという面はなくはない。
迷惑をかけるオタクと言えば常にあげられるのは「撮り鉄(鉄道写真を撮影する趣味の人)」なわけだが、彼らももう社会性もへったくれもない形で撮影に命懸けなわけで、これは犯罪被害者に取材が集中するメディアスクラムのカメラマンやパパラッチとも共通するが、写真というのは社会的に問題になりがちなものだなと思うけれども、それは逆に言えば写真というメディアの影響力の強さということでもあるなと思う。
女性のオタクは男性の好むエロは認めないが女性の好むエロは高尚である、みたいなジェンダー云々のよくわからない理屈を振り回して自分の趣味は肯定するが他人の趣味は否定する、というタイプの人が多いのが特に男性側の反感を買うわけだが、どんなものだろうと趣味は趣味、という視点がないと、表現の自由をめぐっても男性向けエロを否定する過激表現BL作家みたいな矛盾した存在(自分は矛盾していると思わないところが救い難い)が出てきて、男性側から「BLを規制すべき」「ゾーニングすべき」という声が上がってきたりするわけである。自分に有利に線引きをすることばかりを考えていては趣味に対して否定的な声が上がる危険があることは考えられなければならないだろう。
まあ趣味と就学の対立というのは基本的には不毛なものだし社会の分断を深める可能性はあるので、お互いに常識的なやりとりを心がけることが望ましいように思われる。
私などは言下に「入試の方が大事に決まってるだろ」と思う方だし、それがもちろん伝統的な考え方ではあるのだが、趣味の側も軽んぜられるから余計反発するという側面もある。嵐を否定されて激昂する女性の顔とガンプラを捨てられて精神的に死んだ男性の顔の両方を思い出しながら議論した方がいいんだろうと思っている。
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