「地元ワールド」と座布団とちゃぶ台の生活/「ふつうの軽音部」についてちょっと熱く語ってみる

Posted at 24/04/01

4月1日(月)晴れ

今日から4月、今日から新年度の月曜日。昨日は地域の祭礼をやって、その後散髪をしに行ったのだが、祭礼の時に聞いた話も床屋で若主人と客との聞こえてきた会話も地元の人たちの会話という感じで、普段あまりそういうのは耳にていないので、地元ワールドという感じを数時間洗礼を受けていた感じ。

車の販売修理をしている人の話を聞いていたら、3月が忙しいということで、なぜかというと高校を出るときに初めて車を買う人が多いから、それが何度車検を繰り返しても3月になるから、という理由でなるほどへえっと思った。大卒の人はバラバラなんですけどあまり地元に帰ってきませんからね、という話でまあそうだよなあと思う。私の同級生で地元にいる人は親の事業を継いだ人がほとんどで、地元に帰ってきて新しく仕事を始めた人はあまりいない。上場企業の本社はないことはないのだけど、それだけにそこの会社の存在感がちょっと大きかったのだが、本社はともかく工場は移転しているので影響力も減ってきている。

大卒で地元で仕事があるとなると一番有力なのは市役所とか教員、それに弁護士や医者などということになり、「地元で経済を回している」人たちというのは少なくとも我々の世代では高卒が多いという感じなので、やはり地元ワールドは高卒ワールドでもあるよなと思ったのだった。それが何世代か繰り返されるとどうしても大卒の密度は減ってくるわけで、地元に大卒を採るような複数の有力企業があるということは大事だよなと改めて思う。

まあ逆に言えばそれで地元の政治や経済はそれなりに回っていると言えば言えるのだけど、やはりそういう意味での多様性がないと知識集約産業が稼ぎ頭になっている新しい時代に適応していくことは難しくなってくるのではないかとは思う。東京はもちろん松本などに比べてもこちらの進学熱はやはりあまり高くないので、旧制中学卒が地元のエリートだった昭和末期までの時代とは社会構造自体が変わってきているということなのだろうと思う。

散髪の後は一休みしてから岡谷に出かけて書店で本を少し物色した後、スーパーで夕食の買い物等。祭礼の準備で家の中をちょっと引っ掻き回したので気がついたことがいくつかあり、衣類籠を二つホムセンで買って帰った。

普段は椅子とテーブルで生活しているのだが、ちゃぶ台に座布団という配置を一度やってみると、本来この絵はこういう生活を前提として建てられているのだよなと思う。座布団に座ってみると天井は十分高いし、違棚や床の間みたいなものの高さも畳の上に座った生活を前提としているのだなと改めて思う。子供の頃はずっとそうだったし、東京に出てからもしばらくそういう生活をしていたけれども、一度椅子とテーブルの生活の楽さを感じると戻すのは難しい。

なんというか、思いがけないことでいろいろなことを発見することはあるんだなという感じのことを、昨日は思ったなと思ったのだった。

お稲荷さんの祭礼だから鰯を焼いたり油揚げを焼いたりしてみたのだが、案外うまく焼けてそれも美味しかった。今日のお昼はその残りを食べようと思う。

***

https://shonenjumpplus.com/episode/9324146138974020689

昨日は「ふつうの軽音部」を何度も読み返していて、それに出てくるナンバーガールの「透明少女」などを聞いたりしていた。そのライブの動画などをみていて、ギターボーカルの向井秀徳さんのなんというか自分の常識ではバンドのボーカルっぽくないある種の異形っぽいボーカルもすごいなとは思ったのだけど、淡々とクールにギターを弾きまくる田淵ひさ子さんがかなりかっこいいと思った。

https://www.youtube.com/watch?v=lJ7eP7ix9-g

「ふつうの軽音部」は90年代から最近までの日本ロックを演奏する高校軽音部のマンガだから、ジャンププラスのコメント欄でもそういう関係のコメントが多く、田淵さんに憧れてギターを始めたという女子のコメントなども結構あって、やはりかっこいいよなと思ったのだった。

少し前の作品だと「リンダリンダ」とか「Train Train」などがバンドマンガでは出てくることが多かったけど、この作品ではすでに自分が知ってる時代のロック音楽は全く出てこないのが残念と言えば残念だけど、昨日も書いたけど90年代や0年代にこんなロック音楽があったのかと目を開かされるような感じになることが多い。

ナンバーガールも同時代に聴いていたらどう思ったか、とは思うけど、田淵さんはボーカルもやってはいるようだけどやはりギターがかっこいいなと思ったのはどういうことかというと、音楽産業では女性をボーカルに立ててバックを男性が固める、みたいなのが多くて、まあある意味「私たちはボーカルをやらされた」みたいな感じがあり、これはカレン・カーペンターが本当はドラマーで、でも絵になりにくいからドラムをあまりさせてもらえなかった、みたいな話はあるなとは思う。

ただ、今のフェミニストとかTwitterの女性の声みたいなのを見ているとむしろ「自分がボーカル!楽器とかダルい!」みたいな人が多くて、なんかダサいなと思った。まあボーカルが主役という考え自体が古いと言えば古い感じはするが、やはり人間の「声という楽器」は無限のニュアンスを「言語という武器」も使って表現できるからある意味特別なのは仕方ないかなと思う。そこを削ってボカロに歌わせるという選択さえ今日ではできるというのがまあ我々が音楽を聴いていた時代と全然変わった点ではあるなと思うのだけど、どうもそういう人たちはそういう時代にあっても「女性にボーカルをさせないのは差別!」みたいなアナクロな感じがあり、そういう中で淡々とギターを弾く田淵さんはなんだかすごいカッコいいなと思った、というわけである。

https://rookie.shonenjump.com/series/pGBIkZlifOI

「ふつうの軽音部」はもともとジャンプルーキーという登竜門のサイトに連載されていた作品がジャンプ+でメジャーデビューしたという経緯があるわけで、ジャンププラスではルーキーでの連載をほぼ踏襲して作画が別の人が担当という形で連載されているのだけど、ルーキーでの連載についても根強いファンがいて、蛭子能収さんを思わせる中毒性の高いクワハリさんの作画の人気も高い。この作品には厘ちゃんという主人公のはとっちを崇拝する「パリピ孔明」みたいな軍師というか「ナニワ金融道」的な策士というかのベース担当高身長女子が出てくるのだが、そういうこともあるのかこのルーキーのバージョンを「原典」とか「旧約聖書」と呼ぶ界隈がある、というのを聴いてかなりウケた。まあ実際、「原典」にはマジ旧約聖書みたいな禍々しさがあるというか、オーラがあるので、このバージョンでも完結まで書いてもらえるといいのになとは思う。今のネームにもそういう味があるなら、ネームも読みたいと思ったり。

今回(第16話「ボーカルになる」)の展開は初ライブで大失敗したはとっちがさまざまなトラウマになった記憶に苦しむところから始まるのだけど、その中で「自分が本当は向井秀徳に憧れてギターボーカルになりたかった」ことを思い出し、声をキモいと言われたトラウマで自分の心に蓋をしていた、ということに気づいて、だから厘ちゃんに「はとちゃんがボーカルのバンドを作ろう!」と言われた時に死ぬほど嬉しかったのに、「期待を裏切ってしまった」、「だから」

「この夏休みで自分はボーカルなんだと胸を張って言えるだけの自信をつけたい」から「長居公園で毎日弾き語り修行をする」、と決意する展開だったわけだ。ここにすごい数の共感と称賛が集まって、ランキングは3位なのだけどコメント数はダントツの一位ということになっていたわけである。

「まさに主人公!」というコメントがかなりあったのだけど、確かにはとっちは「主人公力が高い」と思うのだけど、それはどういうものなんだろうといろいろ考えたのだが、どんな主人公にも共通していることというのは、ある意味での「精神力の強さ」なんだということに思い当たった。もちろん「ワンピース」や「鬼滅の刃」などのジャンプマンガにおける主人公はそのまんまの「精神力の強さ」を持っているわけだけど、「いい加減であることについての一貫性」を持っていたり、「依頼は必ず実行し、正体を暴こうとするものは必ず抹殺する」ゴルゴ13みたいな一貫性を持っているキャラクターもある。その精神性の弱さでどんどん状況が破綻していくというタイプの小説もあるが、ある意味弱さにおいて一貫する強さを持っている、みたいな感じとも言える。

幼年マンガや少年マンガでは主人公がその精神性の強さを獲得していくことがテーマになっている、つまりある意味でのビルドゥングスロマンになっていることもあるが、「ふつうの軽音部」のはとっちは、まず「修業する」と誰から言われたことでもなく自分で決意するところで「元々の強さ」を持っているわけで、そこは「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」と義勇に一喝される「鬼滅の刃」の炭治郎とは違うわけである。そこに明瞭な主人公力が現れているわけで、まあそうなると「ふつう」ってなんだ、ということにもなるわけだけど、逆に言えば誰も知らないような「ふつうの人」でも誰にも気付かれないけれども「主人公力」を持って決断している人たちはいくらでもいる、ということでもあるかもしれないなとも思うし、ますますいろいろな意味でこの作品が気になってくるのだよなと思うのだった。

というわけで「ふつうの軽音部」についてちょっと熱く語ってみたりしました。

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by Luke Peterson

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