「鎌倉殿の13人」:今回は佐藤浩市(上総広常)回だったが、丹後局・千葉常胤・阿野全成・亀の前・藤原秀衡・源義経と初登場が盛り沢山だった。

Posted at 22/02/21

2月21日(月)晴れ

朝5時ごろ起きたのだけど、その時はあまり寒く感じず、入浴したお湯がぬるいなとは思ったのだが、洗濯機をかけたが水道は出たし、車のフロントが曇っていてワイパーを動かしても取れないのでおかしいなと思ったら、内側が凍っていて、これは思ったより寒いのかと気温を確かめたらマイナス7.9度で思ったよりずっと寒かったことがわかった。

コンビニにジャンプを買いに行ったら抗原検査キット3300円を売ってて驚いたのだが、長野県でこれということは都会ではもっと早くからこういう状態だったのだろうか。東の空に明るい星があって、金星かと思ったが金星は出ていないので、あれは火星だったかなと思う。近くに水星も出ているはずだったが、それはよくわからなかった。

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「鎌倉殿の13人」第7回「敵か味方か」を見た。新しい登場人物が多く、またそれぞれ情報量が多いのでブログを書く前にググって色々調べていたりしたらかなり膨大になったし時間もかかった。それにしてもこれだけの情報量を一回に詰め込んで、それでいて駆け足という印象を与えないのは脚本の巧みさというしかないなと思う。

アヴァンで西田敏行の後白河法皇と松平健の平清盛、それに鈴木京香の丹後局が出てきたが、丹後局の艶かしさが「何者?」感があった。あまりこの女性は知らなかったが、後白河院政下でかなりの影響力を行使していたということを調べて知って、なるほどと思った。

和田義盛(文学座の横田英司)と北条義時(小栗旬)が上総広常(佐藤浩市)を説得に行く場面は実利で説いても坂東武者の世を作るという義で説いてもすでに充足している大豪族の上総介を動かすことができず、義時が頼朝が天に守られているとか言った次には「頼朝を押し立てて平家を倒す、ワクワクすると思いませんか」と言った時にグラっときた感じがよかった。

これはあまり歴史学的には説かれないことだと思うが、「打倒平家!」というワクワク感みたいなものは当事者たちには絶対あったと思う。もちろん裏では色々な計算や打算、義理人情みたいなものはあっても「男の子」的なこのワクワク感が挙兵の真実だったんじゃないかという感じがよく描かれていたと思う。

千葉常胤(岡本直人)が「そろそろ寿命かと思っていたら戦いの場が与えられた」みたいなことを言うのにも広常が影響された感はあるし、ただなかなかはっきり腹を決められなかったのが頼朝に参陣して遅参を叱責され、それで腹を決めると言う展開がやはり佐藤浩市の芝居として流れ的に納得のいく感じがあった。

今回はそう言うことで基本的には佐藤浩市回なのだが、冒頭の丹後局や途中に出てきた梶原景時(中村獅童)、阿野全成(新納慎也)と亀の前(江口のりこ)、藤原秀衡(田中泯)と源義経()もなかなか味わい深かった。

梶原景時が上総広常の屋敷を訪問するのはフィクションだが、そこで義時に頼朝に参陣しないかと勧誘されると言うのは面白い設定かもと思った。そこで景時が「良い刀をいかに使うかも使うもの次第」みたいな謎めいたことをいうけれども、これは「自分を使いこなせる人物に仕えたい」という意思表示の謎かけと考えるべきだろう。体育会系の和田義盛がこの知性派の景時にかぶれて眉を剃ると言い出すのも可笑しかった。

全成が伊豆山権現の北条家の女性たちの前に現れ、仁田忠常(高岸宏行)らとともに脱出を図るわけだが、彼はどこかで見たなと思ったら豊臣秀次(真田丸)や杉田玄白(風雲児たち)をやった人だったと調べて合点が行った。彼は今後実衣(宮沢エマ)の夫になるわけだけど、あのインチキ九字切りをどう評価してるのかは後で知りたいと思った。彼は終わりは全うできないが彼の娘の子孫が公家としての阿野氏を伝え、後醍醐天皇の寵妃である阿野廉子に連なるというのも面白いと思った。阿野氏は維新まで生き残り伯爵に列せられている。

亀の前の下りを長狭常伴(黒澤光司)の襲撃と絡め、また彼女を寝所に呼ぶ前に政子の父の北条時政を甲斐の武田に交渉に行かせるという手回しぶりも下世話ながら可笑しいと思ったが、これがのちに政子による後妻(うわなり)打ちに繋がり大いに揉める伏線を敷いていたのも巧みだし、亀の夫の権三が怒って寝所に押しかけるのから逃げたらたまたま長狭の襲撃を避けることができ、結果的に義時が広常に「頼朝は天に守られている」と言ったことを証明できた、という物語を作ってしまったのは三谷さんもちょっと出来過ぎだという感じはした。

田中泯の藤原秀衡と菅田将暉の源義経の場面もいきなり名画になったような展開感があった。特に昨日たまたま「鬼平犯科帳FINAL」で田中泯演ずる堀本伯道を見たばかりだったので、なんだかすごいなこの人はと改めて思った。

ただ全体として上総介の佐藤浩市さんの芝居が今回のドラマの一番のベースにあった感があり、抑えた芝居だったなと思うしやはり三國連太郎が彷彿とされた。三谷作品はどうしても喜劇性が強くなるが、大河ドラマならではの大御所の贅沢な使い方によってドラマの結構の大きさも見せて行ってもらいたいと思った。

それにしても、北条義時というのは昔から悪役で源氏将軍を滅ぼした黒幕という見方がもっぱらだったのを、大河ドラマの主人公にするというのはかなり冒険なのではないかと思っていたけど、これまで見てきた感じでは「源平盛衰記」や「平家物語」のような定番でなくむしろ地味な存在である「吾妻鏡」の記述を使っているのは「なるほど!」と思わされた。「吾妻鏡」は鎌倉幕府の公式の歴史書であり、当然ながら北条氏の政権を正当化している。だから義時を描くのに「吾妻鏡」というもってこいのベースがあるということに気づいた人は慧眼だと思った。

良い役者が少なくなったなあと思わざるを得ない現代ではあるが、「鎌倉殿の13人」を見ているとまだまだ捨てたものではないなあと思わせてくれたのだった。

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by Luke Peterson

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