御嶽海優勝:227年ぶりの大関昇進/「鎌倉殿の13人」:見事に計算された挙兵

Posted at 22/01/24

1月24日(月)雪のち曇り

昨夜少し雪が降って、朝起きたら2センチほど積もっていた。今年の冬はどか雪がないのはありがたいけど、ちょっとした雪が何度も降っている。こういう年も割と珍しい。いつもはほとんど降らないが一度にどっと降るかという感じなのだが、少しだけ雪が降る、というのが回数あるとスタッドレスタイヤにしていてちょうどいい、という感じでタイヤ的にはいいかもしれない。

関脇御嶽海が本割りで横綱照ノ富士を破って3度めの優勝、大関昇進とのこと。長野県出身者で大関になったのは雷電爲右エ門以来。雷電の昇進は1795年、フランス革命の最中だが、つまりは227年ぶりということになる。名門と言われた出羽海部屋では三重ノ海以来、東洋大学出身としては初めてだそうだ。

それにしても千秋楽結びの一番、大関正代がいるのに関脇御嶽海が取ることになり、今場所は横綱大関線がないという変則的な事態。正代が負け越しているということと、前頭6枚めの阿炎が優勝の可能性があったので14日めに照ノ富士と割りが組まれて大関戦がなくなったというちょっと珍しいことになった。最初は割りの組み方の失敗かと思ったが状況を考えてみるとまあこれが結果的にベストだったかなとも思う。以前は地位を優先して割りを組んだが、最近は勝ち星がかなり大きな割合を占めるようになってきてるし、優勝争いという点ではその方が面白いだろうなとは思う。相撲も興業だしね、本来。

「鎌倉殿の13人」、第3回。以仁王の令旨、源三位頼政の挙兵とその失敗、伊豆国守目代山木氏の横暴、北条義時の実務能力の高さからの挙兵しての勝算割り出し、源頼朝の夢枕に立った西田敏行、もとい後白河法皇(これは三谷氏監督の映画のセルフパロディとのこと)、後白河法皇の密書と頼朝の挙兵決意、となかなか盛り沢山の内容だった。

山木兼隆のところに政子が嫁入りの話があったというのは曽我物語にあるのだそうだが、そのネタもちょっとカするくらいは取り上げられていた。そのほかにも頼朝の叔父にあたる以仁王の令旨を持ってきた十郎行家や義朝の偽しゃれこうべを持ち込んだ文覚などトリックスター的な存在が出てきて面白かった。

気になったのは後白河法皇の密勅が本当にあったのかというのがネットではわからなかったことなのだけど、夢枕とセットになっているので挙兵のきっかけとしては説得力があった。吾妻鏡などを読んでみないとちょっとわからないなと思った。

全然挙兵に興味がない、政治にも軍事にも興味がないと公言している義時に対し、頼朝が「自分の頭の中を整理するため」と言って本音を打ち明ける、という展開も現代的で面白かったし、それを義時が嫌がってるのも割と面白い。しかし飢饉を避けるために荘園の貸し米の管理に勤しむ義時が山木に対して遺恨を持ったことをきっかけに山木の屋敷で貸し米の木簡を読み込んで挙兵に必要な北條方の人数が確保できると割り出すところは斬新な設定で面白かった。

ただ義時がそういう官僚方の実務家に過ぎないかというと第1回では頼朝を馬の後ろに乗せて逃げたりしていて武士としての武芸にも優れているし、飄々としているのに大雑把な周囲が几帳面な義時にどんどん仕事を丸投げしてくる感じからある意味での人望も感じられ、時代劇の人物造形としてはかなり斬新であるように思った。

近年は「武士の家計簿」的な武士の実務性への関心が持たれるようになっている傾向はあるけれども、平安時代末期の地方武士にまでそれを試みたのは面白いと思う。

「負ける挙兵はしたくない!」と断言する頼朝像は面白いしそれにハッパをかける政子もいいコンビになっているが、ちゃんと計算づくでそれを実現できることを証明する義時像というのが面白かった。

また前後するが、源三位頼政の挙兵に乗り遅れたと焦ったり、挙兵失敗に内心ほくそ笑んだりするのもおかしいし、「三位」という高位にある頼政(少し調べたところそれまでの清和源氏で最高位ではないかと思う)の挙兵に参加したら自分は下風に立たされるという計算から乗らなかった頼朝の判断とかも細かいけど面白いと思った。右兵衛権佐であった頼朝は従五位下だったのではないかと思うが、父の義朝も最高位は従四位下であり、頼政に比べれば低い。また頼朝の先祖は多田満仲の子・頼信であり、頼政の先祖はその兄の頼光であるので、嫡流はどちらかというのも微妙ではある。

ただ今までは源頼政は以仁王に殉じた老骨の武将という感じで割とよく描かれてきたと思うのだが、今回は北条時政が悪い印象を頼朝に語っていて、そのあたりはちょっと意外だった。

昨日の放送は間断とするところなく最初から最後まで面白くみられたので(八重はかわいそうだったけど)今後も期待できるなと思った。というか八重は今後どういう存在になってくるのだろうか。

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