整体法とテンセグリティ

Posted at 13/07/21

【整体法とテンセグリティ】

整体入門 (ちくま文庫)
野口晴哉
筑摩書房

私がずっと関心を持って取り組んでいることの一つに整体法がある。いわゆる「野口整体」なのだが、自分の身体観、健康管理の基軸にこの野口整体の考え方を取り入れている。ただ、実際には私は月に一度、道場に操法を受けに行き、参加できるときには一般会員向けの活元の会、愉気の会に参加しているだけで、あとは自分で活元運動をし、自分の調子が悪い時は自分で出来る範囲の整体法による対応をして、また父が生きているときには毎晩父に愉気し、今は体調が今一つな母に愉気しているだけで、あとは創始者・野口晴哉先生の著書を読んでこういうことかと実践し、会報である「月刊全生」を読み、また書物やネット上に散見される様々な野口整体の技法(その中には様々な系統で現在まで受け継がれているものがある)を参考に、自分の不調を乗り切るようにしている。

ただ最近、いろいろな体の部位の不調が起こることが多く、ついこの時にはこのやり方、のような考えに走りがちなのだが、現在の整体協会の考え方は基本的に活元運動を主に、つまりは先ずはからだ自身で体の調整ができるようにするという考え方で、それができなければさまざまな方法で調整するという方向なのだが、私などはつい活元運動をおろそかにし対症療法みたいなことに走ってしまう。それはなかなかゆっくり落ち着いて活元運動をしながら自分の体とじっくり向き合うという時間が取れない、あるいは精神的にそういう余裕が持てないということで、先ずはそういうことにちゃんと余裕を持って向かい合える、精神の落ち着きのようなものを持たなければと思う。

野口整体は、私にはとてもあっていると思う。私はどうも身体に負担をかけがちな精神構造をしているらしく、精神的な不調がすぐに身体に反映され、あちこちがすぐ不調になる。以前はそれをやり過ごしつつなんとか物事をこなしていたのだが、世紀が変わる前後からそれでは乗り切れないようになり、かなりひどい変調をきたしていたのだが、2001年から道場に通うようになって、身体的な不調は相当改善されてきた。まだあちこち、というか新たにまたいくつか出てきた、ある意味年齢相応の不調も含め、基本的には野口整体の方法で、部分的には他の方法の手技なども交えて、何とか乗り切っている。

武術と医術 人を活かすメソッド (集英社新書)
甲野善紀・小池弘人
集英社

最近、この野口整体の方法の理解を深めるのに役に立ちそうな概念を甲野善紀・小池弘人『武術と医術 人を生かすメソッド』を読んでいて知った。これは甲野氏が以前からたびたび取り上げられていたのだけれど、あまり関心を持っていなかった概念で、テンセグリティという。テンセグリティというのはテンション(張力)とインテグリティ(統合)を組み合わせたバックインスター・フラーという希代の発明家・デザイナーの概念なのだそうだ。簡単に言えば互いに接続されていない圧縮材が張力材とのバランスによって成立している構造のことで、最近、身体をこのテンセグリティ構造と見る見方が出てきたと小池が述べている。

確かにこの概念を使うと、ある場所にできた張力材の動きの不全箇所の存在、つまり体で言えば「凝り」が、他の場所の不調として出てくるという整体の考え方をうまく説明しうる。また武術上でも、手指をかぎ型に曲げて対処すると下半身の力が強まるとか、実際にそういうことが起こるのだそうで、そうしたことからも興味深い考え方だと思う。身体が骨という圧縮材と筋肉や腱などの張力材のバランスで成り立つ構造と考えると、なるほどと納得できる感じがするし、そういうものとして身体をイメージすると身体が非常に自由な感じがする。

私は専門ではないのでこれ以上のことは言えないが、でも身体というのはイメージしにくいモノなので、そのイメージを持って付き合っていくということは自由に生きる上で大事なことではないかと思った。

いろいろな角度から、身体に関する理解を深めていきたいと思う。

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