羽生善治『直感力』を読んでいる/「キンドル・ペーパーホワイト3G」を予約した

Posted at 12/10/24

【羽生善治『直感力』を読んでいる】

直感力 (PHP新書)
羽生善治
PHP研究所

羽生善治『直感力』を読んでいる。現在78/210ページなのだが、かなり奥に入って熟読しているため、表面的にちょっと感想を言う、とかいうことはかなり難しい。がしかし、傍線を引いたところなどを中心に少し感想を書いてみたい。

まずまえがきで大変重要だと思ったのが「何を選択し、行動するかには外的要因とは関係のないプリンシプル(原理・原則)があるのではないか。それを見つけ出さなければならない。」という言葉。状況判断をし、何をどのようにするか決断する時に、「自分自身の中に必要なものがある」と言うこと。そしてこういう状況下では「勝ち負けとはまた違う基準」を作ることが重要なのではないか、という言葉も重要だと思った。

成功失敗、勝ち負けといった結果に囚われていてはいつまでもそれに囚われたままだが、そこで何を学べたとか、進歩するためには何をするべきかとか、そのことに取り組むこと自体の楽しさといった「目の前の結果を超えた価値」を大事にすることによって余裕やゆとりが生まれると言うことだ。

それが身について来ると、「勝ち続ける虚しさ」とか「負け続けるいじけ」のような悩んでも仕方のない辛さに関わらないで済むだろうし、羽生という人がなぜあれだけ勝ち続けられるかということの秘密の一端を明らかにしているとも言えるだろう。

直感というとおのずと答えが浮かび上がってくる、というような状況を思い浮かべがちだが、そうではなくて最終的に決断を迫られた時にどちらかに決める、見切る場面とも通じるものがある、というのは唸らされた。「自分の選択、決断を信じてその他を見ないことに出来る、惑わされないという意志。それはまさしく直感の一つの形だろう。」

その場面で思い浮かべる内容が「分からないけれども、まあ今日はこれで行ってみよう」とか「今回はこっちを選ぼう」と言った言葉で表わされているのがずいぶん楽しくて、羽生さんなんかでも「まあ」とか「今回は」という限定のつけ方でその状況を表現してそれで決断したりするんだ、と心強く思ったりしたのだった。

しかしもちろん大事なのは惑わされないという意志の方で、見切りがつけられない自分、迷っている自分も自覚しながらそれでも考え続ける、やり続ける集中力を養うことにもつながると言うのはその通りだと思った。

私も最近ずっと考え続けていることがあって、なかなかばん、という結論は出ないのだけど、それでも考え続け、行動し続けることによって「ひたすら気持ちを切らさずに、細い細い隙間を辿って行」こうと思う。「するといつの間にか光が射し、ひらけた道に出る」ことを信じて。

棋士は対局に直感と読みと大局観を使いこなして臨んでいる、というのが冒頭の言葉だが、読み、すなわち思考は若いころに徹底的に鍛え上げるけれども、ある程度の年齢になると直感と大局観の比重が高くなると言う。つまり直感というのは積み上げて行くことによって鍛えられ、蓄積によって導き出されて行くものだと言うことだ。

私などの経験から言っても、若いころにやったいろいろな失敗やトラウマにさえなっている残念なことであっても、かなり後になって、今になって生きて来ることがたくさんあるなというのが実感だし、これからも過去の失敗から発送できることはたくさんあるだろうとわくわくする気持ちさえある。そういう意味で、人生に無駄なことは一つもないのだし、ようやくそういうことを収穫できる時期に来たのではないかという楽しみもある。

羽生さんは私より8歳下ではあるが、こういうことを言語にする能力に置いても大変優れた人だといつも思っている。この本もずいぶんためになりそうで、読んでいて楽しい。


【「キンドル・ペーパーホワイト3G」を予約した】

Kindle Paperwhite 3G
Amazon Digital Services, Inc - JP

ツイッターを見ていたらタイムラインがキンドルという言葉であふれていて、ついにキンドルが日本でも発売される予定が決まったということを知った。11月19日、今からほぼ一カ月ごということで、少し考えたがタイムライン上に「予約しました!」という言葉が並んだからだろうか、私もポチっとしてしまったのだった。今まで電子ブックリーダーというのは使ったことがないので、おそらくは世界標準だと思われるキンドルがどんなものなのか、一度使ってみることはよいことだと思い、まあ失敗したと思ってもネタにはなると言う「ネタでもともと」の精神で予約することにしたのだった。これが直感力に基づく見切りというものだろうか。(?)

電子書籍は自分でも作っているしiPhoneとPC画面では読んでいたが、本格的な電子ブックリーダーを試して見るのは初めてで、どんな感じになるのか少しわくわくしている。自分の感じとしては、絶版になって紙の本では手に入りにくいものを中心に読んでみたいと言う希望と、自分の電子書籍を作ると気の一つの標準としていろいろ試すために使ってみたいと言うことの二つの目的がある。やはりamazonというのは書籍の世界ではガリバー企業だし、チャレンジするには相手にとって不足はない、という感じがする。日本企業にも頑張ってほしいとは思うのだが、やはり中途半端なものを買う気はしないので、センスの良いものの登場を期待したいと思う。

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