村上春樹『東京奇譚集』とか

Posted at 10/08/05

何かすっかりブログを書くのが億劫になってきていて困ったなと思っているんだけど、どうもそれは体調の問題もあるんじゃないかという気がする。

昨日は午前中松本に行って操法を受けたのだけど、そのときに「頭が動きっぱなしになっている」と言われた。苦笑いしていたのだけど、言われてみたらその通りだと思う。何だろう、ブログを書くときだってどんなふうにでも書けるのに、ついこういうふうに書こうとかこういうことを書こうとか書くことを限りすぎるからだと思うな。ブログは自分の感性を発散させるというか、書くことによって自分の中身を確かめて、まあそれにご意見とかをもらって自分の感性の涵養に資するようにするのが第一の目的で、基本的には何かを広めるための広報機関として使っているわけではない。だから内容もその時々でけっこう違うことを書いているし、場合によっては矛盾したことも書いている。まああんまりこれはまずいなと思うことは書いてからアップするのをやめたりすることもあるけれども、基本的に生の部分を大事にしたいというのがこのブログの趣旨として重要なところだ。

と、ときどきこんなふうに書くことのハードルを下げるようなことを書いておかないと、書きたいことが書ける場に書きたいことが書けなくなって窒息してしまう。書きたいことを書くというのは自分にとっては呼吸と同じように大事なことだ。ときどき息を殺すことはできてもいつまでも息を止めっぱなしでいることはできないのだ。

今週のモーニング。「蒼天航路」の王欣太の新連載「ReMember」。「バカボンド」は休載。「宇宙兄弟」おもしろい。シャロンさん。「ジャイキリ」面白い。雨の日の荒れたゲームの戦い方。「神の雫」遠峰の本当の父は。やはり。「誰寝」ようやく自宅へ。「ピアノの森」。雨宮の落選にショックを受けるカイ。次週はワジェンキ公園で再び会うのか。ということはレフも現れるのか。「へうげもの」面白い。山里丸の趣向。

東京奇譚集 (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社

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村上春樹『東京奇譚集』読了。5本の短編が並んでいるが、一番現実に近い話から一番幻想的な話まで、順番に並べているところがたぶんミソなんだろう。最後の「品川猿」はなんだか考えさせられたなあ。村上はやはり長編がいいと思い、短編はどうもわかりにくいと思うことが多かったのだけど、最近のものは短編でも読みでがあると思うようになってきた。完璧に完結した話から、だんだん虚に向かって開かれて行く展開というか、その並べ方もとてもいいなあと思う。すごく自由に文章を操れるようになってきたんだなと思う。私も精進しなければ。

悪党芭蕉 (新潮文庫)
嵐山 光三郎
新潮社

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嵐山光三郎「悪党芭蕉」これもだいぶ面白くなってきた。芭蕉と衆道の話、ありそうで今まであまり読んだことがなかった。芭蕉にこぶつきの妾がいたというのも初めて知った。
印象に残ったのが次の連句。

後家を相手に恋衣うつ  似春
さる男かねにほれたる秋更けて  桃青
鶉の床にしめころし鳴く  春澄

もちろん桃青が芭蕉だが、「かねにほれたる」というのはかね=お歯黒をつけた人妻に岡惚れした男、ということだろう。その前後も「後家を相手に」だの「床にしめころし」だの、相当妖しい。現在64/350ページ。

三四郎 (新潮文庫)
夏目 漱石
新潮社

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夏目漱石『三四郎』232/284ページ。原口のモデルになっている美禰子に金を返しに行く三四郎。こんなふうに書いただけで「矢保の天神」という感じだ。

***

大したこと書いてないのにひねり出すのは難儀だ。ひねり出したら少しはすっきりするのだけど。

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