アールヌーヴォー・アールデコと60年代イギリス

Posted at 08/11/18

昨日。午後遅くなって銀座に行こうかなと思って出かける。特に目当てがあったわけではなく。銀座線に乗り換えるときに、やっぱり日本橋にも出てみようかなと思って地上に出る。丸善に行って、ファッションの歴史関係の本を物色する。1960年代のスウィンギン・ロンドンの時代のものが何冊かあったので、何冊もためつすがめつした結果、長澤均『BIBAスウィンギン・ロンドン1965-1974』(ブルースインターアクションズ、2006)を買った。そのほかにも何冊かあって、どれもそれなりに面白そうだったのだけど、財布との相談でこれ一冊にする。オバマの著作も原書を買おうかなと思ったのだけど、和訳本も出ていて和訳本の方が安いのでなんとなく買う気が失せた。洋書、ペーパーバックなのに高すぎないか。結局amazonで買うことになりそうな気がする。私としては書店で買いたいのだけど。

BIBAスウィンギン・ロンドン1965-1974
長澤 均
ブルースインターアクションズ

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ファッションに関しては本当に付け焼刃的な知識しかないので何を読んでもへえそうですか、になってしまうのだけど、BIBAというショップの「伝説」ぶりは面白いなと思った。この時期はまだ、商売度外視で自分の作りたい世界を作るのに熱中する、なんてことがあったんだなと思う。逆にいえば60年代、70年代というのはそういう時代なんだな。その中で商業化に成功した人たちが生き残っているということでもあるのだが。

50年代後半のモダニズムの時代に時代の寵児のように活躍したのがマリー・クワントで、彼女がミニスカートを発明したということになっているのだという。しかしドーリー・バードと呼ばれる流行に敏感な少女たちのあいだでは既に既製服のスカートを短くしてはくことが流行っていて、それを商品化したのが彼女だということも書かれていた。教員時代、制服のスカートを短くしてはいている女子がたくさんいたが、ある意味で似たようなことを昔からしているんだなと思った。時代を作るパワーという点での差はどうなのかという気もするが、今では東京のガールズコレクションもパワーがあるし、そういう一人一人の工夫や小さな努力みたいなものが時代を作っていくという面は確かにあるのだろう。

BIBAを作ったバーバラ・フラニッキは最初はモッズのテイストだったのがアールヌーヴォーやアールデコの様式を導入して反モダニズム的な路線を敷いたのだという。アールヌーヴォーやアールデコの様式は私も好きだけれども、現代への影響という点を考えると実は60年代のこうしたリバイバルもまた重要なのではないかと思った。BIBAのロゴが実はアールヌーヴォーの影響だというのはいわれるまで気がつかなかったけれども、ああいうロゴはビートルズなども使っているし、アールヌーヴォーの影響だといわれればへええ、という感じだ。60年代のああいうテイストとアールヌーヴォーやアールデコというものはまったく別に考えていたので、時代を超えた出会いが思いもかけないものを生み出すということなんだなあと思った。

そのほか興味深いエピソードが満載。

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by Luke Peterson

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