アニメ【推しの子】のOP・YOASOBIの「アイドル」のいろいろな動画を視聴して情報を整理した結果、「みんな違ってみんないい」と思ったことなど

Posted at 23/06/14

6月14日(水)曇り時々雨の梅雨空

昨日は夜はかなり疲れてしまって夕食後に寝落ちし、頑張って起きてベッドまでいって寝る、という感じになった。朝は割と早く目が覚めてしまったが、寝床の中で気持ちを落ち着けたりしてうとうとして、起きて時計を見ると5時前だった。それなりには眠れたかなとは思う。

なんとなくそのまましっかり起きる気がしなかったので眼鏡をかけずにできることをしていて、少し散歩に出たりしたがマスクを忘れたことに気づき、コンビニに入れないなと思って家に引き返した。少し片付けなどして車で家を出る。観光道路から国道を走って東京の方へ行き、インターに曲がる角を曲がってその先のファミマに入った。いつもマンガを買いにいく店ではないので雑誌がなくてあれっと思ったが、その日出るマンガはレジのところに積んであるスタイルだと気づき、ボスのカフェオレとマガジンを買った。

最近胃の調子がいまいちなので以前よく飲んでいたボスのカフェオレを最近買ってなかったのだが、ちょっと胃の調子を試してみるような気持ちで買った見たのだけど、とりあえず今のところ大丈夫なので、多少は戻ってきたのかもしれない。ただ腹の方はもう一つなので体内浄化的な感じになっているのかもしれない。

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アニメ「推しの子」のオープニングの、YOASOBIの「アイドル」がとてもヒットしているらしく、また英語版も出ていてこれはビルボードのアメリカ以外のチャートで1位、世界全体のチャートでも9位に入っているということをどこかで読んだが、彼らは最初から世界を狙ってこの曲をリリースした、みたいな話も面白く読んでいた。


上のリンクはOPのノンクレジット動画だが、これはアニメのOPなので全曲は入っていない。全曲が入っているYOASOBIの動画は下のリンクになる。


こういう音楽についてはそんなに詳しくはないのでよくはわからないのだが、やはり型破りというか破天荒な作りである部分はあるのだろう。初めて聞いたときはよくわからない、というか軽い拒否反応さえあったけれども、聴き慣れてくるうちにだんだんよくなってくる、というか歌詞もメロディも覚えやすい(いわゆるヨナ抜き的な、そういう意味で日本的なメロディの部分が多いということもある)し、展開の仕方もだんだんわかってくる。

歌詞自体はもちろんマンガ【推しの子】の内容に取材した部分も多いが、基本的には原作の赤坂アカ氏に「小説」を書いてもらってそれをもとに歌詞を作る、というやり方なのだという。


これは曲の後半のラップ部分に特に強く表れていて、この部分はOPには採用されていないが、この曲の中の「同じアイドルグループのメンバーのトップアイドルに対するアンヴィヴァレントな嫉妬と羨望と憧憬」が表現されていて、刺さるところがある。

書いているうちにこの曲は本当に情報量が多いなと思い始めたが、まあこのエントリも自分が知っている情報を整理するというような意味があるなと思った。

曲のbpmは166で、最近よくある曲と同じようにかなりテンポは早い。これも慣れてきたら聞く分にはこんなものかと思うが、歌うのは慣れてないと大変だろうなと思う。朗々と歌い上げるタイプの曲とはまた違ったテクニックが必要だということなのだろう。ピアノで言えばベートーベンのソナタの演奏とショパンのワルツの演奏では全く違うテクニックが必要だ、というようなことなのだと思う。

これが英語版になるとさらに語数が増え、テクニック的にもかなり難しくなるが、「歌ってみた」動画などを見るとこちらに挑戦している人も多く、日本語版が定着してきた頃を見計らって英語版を出すことによってそのチャレンジ心を刺激する、というのは面白いと思った。


この曲の面白いところは、「ところどころ日本語に聴こえる」ということで、聞いていてあれっと思う。だからそれを確かめるためにまた日本語のバージョンを聞き、また英語のバージョンも聞く、などの形でつい何度も再生してしまう、ということはあるのではないかと思った。それだけ聞き応えもあるし、映像も見応えがあるということもあるのだけれども、映像もほとんど日本語版と同じだが、英語版の方が原作を知らない人にもよりわかりやすくしている面はあるように思った。アニメやマンガの方にも客を呼び込もうという趣旨もあるのだろう。

この曲は最初から世界を狙って作られた、ということは先に書いたが、逆に言えば「ロジカルに世界を狙える」時代になったというのはすごいことだなと思う。もちろんYOASOBIのアーチストの才能があってのことではあるけれども、満を持しての世界進出という感じがあり、原作やアニメの面白さも手伝って流行を作り出すことに成功しているのだなと思う。

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しかしこの曲に関しては、特に英語版に関して異論が出されていて、それもまたなるほどと思うところがあった。この文章は批評を目的にするものというよりは、こういうこともあったな、こういうこともあるよねという自分の中の整理及びこういうこともあるんだってよ、みたいな紹介がメインで、まあ私としてはこれもありあれもあり、「みんな違ってみんないい」みたいなスタンスなのでどの意見もとりあえずはなるほどと思って聞いておく、みたいな感じである。

曲自体については「ごちゃごちゃした複雑な作りすぎる」という批判と「途中ですぐ曲調が変わるので乗りにくい、踊りにくい」という批判がある。クラブミュージックとしては使いにくい、ということのようだが、もともと「みんなでノル」クラブミュージックではなく「アイドル」がテーマなのだからこの辺は少し指摘を外しているように思う。ごちゃごちゃした複雑な作りなのは、「アイ」という主人公とこの原作の複雑な内面・多層的な物語構造、ついては「芸能界の魑魅魍魎性」みたいなものをそういう形で表現しているのではないかと思われ、多くの人に受け入れられているのもこの複雑さに必然性が感じられるからだと思う。

英語版についてのクレームというのは、まず英語の詩では必須の韻を踏んでいない、特にラップでは「ライム=押韻」が重要なのにそれが不十分だ、という指摘がよく見られるように思う。これは私も最初に聞いた時には思ったが、まあつまりはそういう趣旨の曲ではない、ということなんだろうと思う。

日本の詩歌では中国やヨーロッパに比べて「韻を踏む」ということがそれほど重視されていないと思う。それは孤立語的な性格が強まった英語や元々孤立語の中国語と違って日本語は膠着語なので逆にいうと「〜です」「〜です」の繰り返しになりがちで、いかに語尾を変えるかみたいなところの方が重視されてきたということはあるのではないかと思う。

だから詩においても歌においても日本語では韻を踏むというのはさまざまな作詩技法の一つに過ぎず、英中両語のような必須の条件にはなっていない。

だから逆に日本人が英語や中国語で、特に漢詩を作るとちゃんと韻を踏んでない詩ができてしまうわけで、日中共同声明の際、田中角栄首相が周恩来首相に自作の漢詩を贈ったという話があって、その辺に詳しい人に「倭臭のする(日本くさいという意味)漢詩」みたいな扱いを受けていた記憶があるが、これは現代の「出羽守」と同じで「本場」の本格以外は認めない、みたいなある種の植民地知識人みたいなものを感じるのだけど、まあ政治と違って音楽や文学ならそういう趣味嗜好も別にいいかなとは思うので「はいはいあの子は特別です」と思っておけばいいかなとは思う。

話を戻すと、歌ってみた動画で歌詞まで変えて英語圏の人が作った動画もアップされていて、これはこれで面白いと思ったのがこちら。


これはかなり歌詞で韻を踏んでいるし、英語圏の人がアレンジするとこういう感じになるのだなと思ったけれども、動画を見ていても思ったのは、「ステージ上のアイドルの輝きとその背後の孤独」という一つのテーマが強調されているということだった。歌詞の方はそんなにちゃんと聞き取れていないのでその趣旨はちゃんとはわからないのだけど、そういう意味でハリウッド版のゴジラというか、各国版の「アイドル」なんだろうなとは思う。ただ英語圏の音楽伝統にハマっている人にとってはこちらの方が聞きやすい、ということはあるのかもしれないなとは思った。

ただ公式の英語版についているコメントなどを読んでも、「日本語に聞こえてびっくりした」というような感想が多くて、つまりそういうところが元々狙いなのであり、「掘った芋いじるな」というと「What time is it now?」に聴こえるという空耳的な面白さ、なんというかその「虚ろさ」みたいなものも多重的な意味が加えられているのではないかという気はした。

そういうわけでこういうネタの話は文化論的な側面にまで突っ込んでいけるわけだけど、ここでのスタンスとしては先に述べたように「みんな違ってみんないい(金子みすず)」ということで締めたいと思う。

それにしても原作もアニメも今後が楽しみだし、またアニメ2期があるなら今度はどんなOPが作られるのかも、楽しみにしたいと思う。

【推しの子】1 [Blu-ray]
KADOKAWA アニメーション
2023-06-28



蛇足だけれども、こういう記事を書いていると何度も目にするから思うのだけど、【推しの子】はロゴもいいよね、と思ったのでした。
















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