「このマンガがすごい!2023」と「あかね噺」/「天幕のジャードゥーガル」:13世紀のイスラム世界とモンゴルに生きた「魔女」の物語/いろいろ

Posted at 22/12/13

12月13日(火)雨/雪/曇り

朝外に出たら、車のフロントガラスに雪が積もっていた。地面には積もっていないので大した雪ではない、というか気温が3度ほどあるのでほとんど積もらないとは思うのだが、まだタイヤを冬用に換えてない車もあるので、雪が止んだら換えに行こうと思う。

昨日は東京で朝起きて暗いうちにジャンプとヤンマガとスピリッツと朝のサンドイッチを買いに行ってから「鎌倉殿の13人」の感想ブログを書き、9時ごろ書けたからホッとしてご飯を食べようと思ったら近くの部屋で工事が始まって、大音量でご飯が喉に通らなくなり、気が付いたら反対側の部屋からも工事の音が聞こえてきてもう居られない感じになった。とりあえずクラシックのレコードを大きめの音でかけて気を紛らわし、なんとか朝ごはんを食べて苦情を言いに行ったりしていた。そこに母から電話がかかってきて大きな病院から電話があったけどよく聞こえないからかけてくれというのでかけて見たら電話が混み合っていてなかなか繋がらず、なんだか何か悪いことでもしたのかなという感じになってしまったが、10時ごろにようやく電話がつながったのでとりあえず出かけることにして、日本橋に行った。

先に銀座に行こうと思っていたのだが、トイレに行きたくなって日本橋で降りて丸善まで行ってトイレを借り、先に本を見ていた。アンティーク本の店でいろいろ見ていてほしいものは結構あったが手が出ないなあと思っていたのだが、蔵書票のコーナーで手が出る範囲のものがあったので一枚買った。今手元にないのでお見せできないが、ドイツの医者と思われる人の蔵書票で、似顔絵入りだった。

それから東京の家のカレンダーがまだ買ってなかった、というか2021年と22年はあまり東京にいなかったこともあり、カレンダー自身を買ってなかったのだけど、来年は買っておこうと思って物色したのだけどあまりほしいのがなく、たまにはいいかと思って伊藤若冲のカレンダーを買った。本を何冊か見たけど荷物になるなと思って買わず、銀座まで歩こうと思って外に出てからやはり先にご飯を食べることにし、丸善に戻ってビーフカレーを食べてから銀座に歩いた。

東京での滞在時間は短いしあまりいろいろいけなくて欲求不満はあるのだが、今回は日曜の午後に神保町、月曜のお昼に日本橋と銀座というパターンで出かけた。実家に戻る特急の時間があるのでそんなにゆっくりはしていられないのだが、教文館で本を見て、山野楽器でリストのCDを買い、木村屋で小倉のあんぱんを買った。好きな散歩コースではあるのだが、全体にちょっと世知辛くなってきた感じがした。山野楽器のCD・DVDのスペースが縮小したのが残念。シャネルの入り口でずいぶん長い行列ができていたが、中は空いていたので入場制限をしていたのだろうか。中国人観光客が戻ってきたのかな、と思った。

家に帰ると相変わらず工事の音がうるさく、ゆっくりとマンガや本を読める感じでもなかったので早めに出かける準備をして2時過ぎに出た。うちは新築の時に入ったからもう40年近くになるので、ある程度色々な部屋に工事が入るのは仕方ないのだけど、業者によっては信じられないほどうるさいことがある。

というようなことを書いていたら母から電話が来てお風呂に入れてもらえないなどと言っているので確認の電話をしたら予定は入っているということだったのでとりあえず伝えてもらうことにした。腹を立てるとしばらく戻って来られないのでなるべく腹を立てないようにしているのだけど、その我慢の限界に挑戦してくるようなことが立て続けに起こるとどうもなかなか大変だ。

まあ私もそうだが人間も建物も古くなるといろいろトラブルが起こるということだなとは思うが、まあ壊れないようになんとか制御していきたいと思う。

だいぶ早い時間に大手町に着いたのだがとりあえず切符を取りに行き、丸善まで戻ってきて本を物色した。「東大独学」という本を日本橋で見て少し気になっていたので買うことにし、また「性別モナリザの君へ」のエクストラ、9巻10巻が出ていたのでそれを買おうと探していたら「このマンガがすごい!2023」が出ていたのでそれも買って、ゆっくり読もうと4階の電車の見えるカフェに行った。

ショコラとコーヒーのセットで「このマンガがすごい!2023」を読んでいたのだが、オトコ編の1位はよく知らない作品で、2位と3位がジャンプラ、上位3作はいずれもウェブマンガで、4位がジャンプ連載の「あかね噺」。1位はよく知らないが2位の「さよなら絵梨」と3位の「タコピーの原罪」はあまり好きでなく、でも話題性はあったから仕方ないかなと思ったが、自分的には雑誌連載ではやはり1位は「あかね噺」かなと思う。

女子高生が落語家を目指す話がジャンプに連載されるのだからそれだけでもすごいと思うのだけど、読めば読むほど落語の世界が伝わってきて面白い。前も書いたが「昭和元禄落語心中」では女性の落語家は認められないみたいな雰囲気だったのにしばらくしない間にずいぶん雰囲気が変わったんだなあと思う。最近の話ではその辺りのところも取り上げられているので、そこも面白い。「女性だから」という枠を打ち破って大看板にまで出世する、というのはある意味ジャンプマンガの精神なわけで、そのあたりでジャンプの読者に共感させるというのはすごいなと思う。

そのほか「ワンピース」が8位に入っていたのはすごいが、この超大巨篇がついに大団円が近づきつつあること、夏の映画「RED」の話題性などもあるのだろうなと思う。そのほか6位の「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」9位の「正反対の君と僕」が好きで単行本を買ってる作品だが、スペリオールで時々読んでいる特撮愛を描いた「劇光仮面」が5位に入っていた。

オンナ編で読んでる(た)のは6位の「海が走るエンドロール」だがこれはずっと面白く読んでいる。7位の「ブスなんて言わないで」は1巻だけ読んだ。

1位に輝いたモンゴル帝国の女性たちを描いた「天幕のジャードゥーガル」が気になったので店を出るときに2階のマンガコーナーにもう一度寄って買ってから駅に行き、夕食の弁当を買って特急に乗った。

特急の中でこの作品を読んでいたのだが、最初はゆっくりしたペースだなと思いながら読んでいたのがどんどん面白くなってきて、これは今年読んだ中でもかなり上位に入る作品だなと思った。「このマンガがすごい!」の関連記事を読み、また連載されているウェブサイト「souffle」でも最新話まで読み切ったのだが、いやこれはすごい。シンプルな線に見えて表現力がすごい。草原の広さとか空の広さとかも伝わってくるし、イスラム世界の奴隷として働いていたホラーサーンの都市トゥースの学者の家でのその家の息子との交流が描かれるが、息子が遊学に出かけた後で都市がモンゴルに略奪され、その家の大事な本も奪われる。主人公のシテラはそれを取り戻そうとトゥルイの王妃・ソルコクタニ・ベキに近づき、結果2代大ハーンのオゴタイの妃、ドレゲネに仕えるようになる。

話ももちろん面白い、というかこういう作品が普通に描かれてヒットするということ自体がすごいなと思うのだが、これはある意味現代の日本の文化水準を表しているのだなと思う。シンプルで魅力的な絵なのだが実は水木しげるの影響を受けているのだそうで、言われてみるとそういう気もしなくはない。絵自体は西岸良平っぽい気もするのだが、描かれているのはミニアチュールというか細密画の世界みたいな感じもあって、本当に独特な世界が表現されている。こういうのを読むと割とシンプルに「日本すごい!」と思う。

荷物がクロネコの集配センターに届いているという通知が来たので留め置きにしてもらい、地元の駅についてから車で取りに行って、早めに寝た。

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by Luke Peterson

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