「東京卍リベンジャーズ」:欠けたピースが集まってきた/「絢爛たるグランドセーヌ」今までにないバレエまんがの新しい展開

Posted at 21/06/23

※この文章は連載最新回の展開についても書いていますので、ネタバレを避けたい方は「少年マガジン」「チャンピオンRED」の最新回(2021年6月23日現在)まで追いついてからお読みください。

このところ面白いマンガが多いが、ここに来て面白くなっているマンガもいくつかある。
「東京卍リベンジャーズ」はアニメも快調なようで7月から第2クールに入るようなのだが、マガジンの連載の方は「最終章」に入っている。今まで、「あれ、これ触れられてないよね?」という伏線がいくつかあるのだけど、先週の210話から今週の211話でだいぶいろいろ出て来そうな感じになっている。

かなり前の展開でタケミチがマイキーからCB250T(バブ)をもらう場面が出てくるのだが、先週はドラケンに呼び出され、そのバブの修理ができたという展開になっていた。先週の終わりから解散した東京卍會に代わってのし上がってきた六本木の「六波羅単代」というグループがイヌピーを拉致っていたのをぶん投げて出て来たのだが、この辺りでマイキーが出てくるのでは?と期待していたら「△梵(ブラフマン)」という別のグループが出てきた。これに今闇落ちしたマイキーが率いる「関東卍會」を入れると不良界の「三天」になるのだという。

話が大きくなって来て面白くなってきたな(その代わり人数たくさん書かないといけないから大変らしいが)と思って何度か読み直していたら、この梵の男がナンバーツーで、サラッと書いてあったのに何回目回で気がついたのだが、「初代黒龍(ブラックドラゴン)副総長」なのだという。

初代黒龍というのは総長はマイキーの兄である佐野真一郎であり、彼はマイキーより10歳上なので、副総長というのもマイキーより10歳上、というと27歳くらいになるのだろうか。六波羅単代もドラケンよりでかいし強いのでかなりの大人と思われるが、この梵の明石という男の登場でかなり色々な展開を予想できるようになった。

真一郎は既に死んでいるが、このマンガではかなり象徴的・伝説的な存在であり、マイキーに対する影響力も強い。また、主人公のタケミチも真一郎に似ていると何度か語られている。そして今ではドラケンと一緒にバイク屋をやっているイヌピーが真一郎の心酔者で、黒龍の復活に希望を語っていた。その希望が託されたのがタケミチで、タケミチは真一郎の墓前で11代目を継ぐことを報告しているのだが、その直後に舞キーの妹のエマが殺されるという事件が起こり天竺との抗争になだれ込んでしまったのでこのかなり重要なはずの伏線が埋もれたままになっていた。

これはどうなるんだろうとずっと思ってはいたのだが、今回明石という存在が登場したことで俄然興味が湧いてきて、これからの展開が楽しみになって来たわけだ。

こうなると今欠けているピースはマイキーと、謎の存在とされる梵の現総長。また、明石がタケミチにどのように声をかけるのかも気に掛かる。「東京卍リベンジャーズ」は実際、予想通りに展開していかないことが多いのでどうなるのかよくわからないのだが、最終章ということでさらなる盛り上がりが期待されると感じた。

***

もう一つ、最近特に面白いなと思っているのが毛色は全然違うが「絢爛たるグランドセーヌ」である。チャンピオンREDに連載されているバレエマンガだが、いつでも前向きの明るいコミュ力最強の少女・奏(かなで)が主人公である。


 

小さい時からバレエをはじめ、その成長が小学生時代からずっと描かれてきて、その中で友人やライバル、先輩や先生が描かれてバレエマンガにありがちなくらいシーケンスみたいなのがほとんど描かれないのが私は好きで、まあこれもある意味現代的なのだろうなと思うけれども、どんどん前向きに話が進んでいくところが魅力的である。

そして出てくるキャラクターそれぞれの個性がヴィヴィッドに描き分けられているのだが、今までのバレエまんがは日本のコンクールやローザンヌなどの国際大会で良い成績を収めるまで、みたいな感じで終わっていたのだけど、この作品は現在はユースアメリカに優勝した奏がレジェンドのようなダンサーのアビゲイル・ニコルズの勧めもあってイギリスのロイヤルバレエスクールに留学する展開になっている。

イギリスの、というかヨーロッパのバレエ学校がまんがでリアルに描かれるのは多分初めてではないかと思うのだが(アラベスクとかにもそういうのはなくはないけど)、バレエ学校の様子やそこに出てくる他のキャラクターたちもそれぞれに生き生きしていて、日本編で出て来たキャラクターが出てこなくなることでどんなふうに動いていくのかやや心配だったのだけど、全く杞憂だったと嬉しく感じている。

作者のCuvieさんは成人向けの作品も多く描いていて、しかしこの作品ではそういうことは匂わせもしない溌剌たる表現がヴィヴィッドに描かれているのがすごいなと思う。

今連載されているバレエ漫画ではスピリッツの「ダンス・ダンス・ダンスール」もとても面白いし、またユースアメリカで良い成績を取った後の非定型的な、憧れのダンサーのもとでの修業という展開もとてもワクワクさせられているのだけど、どちらも2020年代のマンガというか、今までのバレエマンガでできなかったことが描かれているなという感じでこれからが楽しみである。

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by Luke Peterson

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