個人では改善できない状況の中でメンタルを上げること:「ハイキュー!」と「おおきく振りかぶって」

Posted at 21/05/13

人間の行動にはミクロの視点とマクロの視点がある。といっても経済学的な意味でではなく、自分の身の回りからの視点がミクロ、全体を見る視点がマクロ、みたいな日常的な意味での話だけど。

人間や社会について考えても、全体的にはこうした方がいいとは思うが気持ち的にはそれは納得できないとか抵抗があるとかいうことはいろいろあるし、特に最近自分が問題に感じ始めたのは自分の姿勢、前向きであるかどうかとか自分の活力、つまり自分がそれに振り向けるエネルギーみたいなところが結構コントロールが難しいなということだ。決めて、納得したら行動できるか、というともちろんできることもあるのだが、前向きなポジティブなエネルギー自体が不足しているという状況が結構起こるようになってきて、それはさまざまな状況によって意欲が阻害されることが往々にしてあるということで、そのためにメンタルをより高い(ハイな)状態に保つということがミクロの視点で馬鹿にならない、重要な要素だなと感じることが増えてきた。

状況を改善するのがもちろん一番いいのだが、例えばこのコロナの状況などは自分の意思だけではそう簡単に変えられるわけではないから、色々なことでストレスが溜まってくる。状況が改善できないときこそメンタルが重要になってくるわけで、自分のやるべきことを淡々と、でも黙々と、でもいいが目標をもったり楽しみを考えたりしながら頑張ることもある。

どうも今の状況が「欲しがりません勝つまでは」だけで乗り切ろうとうする傾向があるのは難しいことで、人々に「なんのために今頑張っているのか」ということを意識してもらわないといけないのだが、そのあたりに「政治の言葉が足りない」ということは以前書いたけれども、それはマクロな話であって、ミクロな話、つまり自分個人としてこういう状況の中で自分の気持ちを駆り立てるためには色々な工夫が必要になってくる場合は多いだろう。

自分の本当に大切なものは何かを考え直したり、自分の本当にやりたいことは何かを考え直したりするのも、ある意味こういう機会だからこそできるという面もあり、こういう機会に自分の趣味や行動範囲を広げたりする人がいるのをTwitterで見ているのも楽しい。なんとなく周りに合わせていたらこうなっていた、というような部分が人間の人生というのはある程度はあるから、そういうところをちゃんと本当に自分のやりたいようにリセットしていくというのは、いいことだなと思う。

自分自身もいろいろとそういうあたりを見直していくようなこともやっているのだけど、高齢の母を抱えているということでいろいろと状況が厳し苦なる面があり、取り組もうとしていることに対しても不規則にブレーキがかかりがちで難しいことが多い。仕事と共にそうしたことがあるとあまり遠くに行くことも新規に新しいことを始めることもそう簡単ではなく、自然身近な部分でできることにやれることが限られていくのだが、私にとってはメンタルを保つという点で一番効くことの一つは、数十巻に及ぶマンガに没頭することだなと改めて思った。

マンガでも、山あり谷ありで結構心が痛んだりするような展開になるとメンタル的にも良い方向にのみ行くわけではないから、基本的には主人公たちが前向きに頑張っているマンガがいい。となると、一番いいのはバトル漫画かスポーツ漫画、あるいはある意味スポ根系の芸術(だけではないが)系漫画(「ピアノの森」とか「ブルーピリオド」とかアートではないが「宇宙兄弟」とか)ということになる。

ただ、バトル漫画はどうしても「人の死」というものが避けられずあるので、その時々の状態ではあまり読みたくない時もあるので、スポーツ漫画が励ましになることが多い。

今まで読んだ作品ではけっこう「GIANT KILIING」にハマっていたのだが、少し前には「ハイキュー!」割と最近では「さよなら私のクラマー」が良かった。いま面白いなと思っているのは「おおきく振りかぶって」である。これは以前も書いたが、ここ数日また読んでみて、改めていいなと思った。

おおきく振りかぶって(1) (アフタヌーンコミックス)
ひぐちアサ
講談社
2012-11-05

ちょっと考えていて、「ハイキュー!」と「おおきく振りかぶって」は構造が似てるなと思った。どちらもチームスポーツで、主人公が天然系で問題は抱えているけど才能がある子、その相棒がより純粋にその競技に取り組んでいるために周りからは怖い感じで見られ、また人の感情にあまり配慮しないタイプの子という組み合わせである。「ハイキュー!」では日向と影山、「おおきく振りかぶって」では三橋と阿部だ。彼らが実質的には高校入学と同時に出会い、より高い目標に向かって頑張っていくというのが、ミクロな視線から見ての自分の頑張ることの楽しさみたいなモチベーションというかメンタル的なものを高めるものがあるように思う。

また、スポーツ漫画は「試合」という始めと終わりがはっきりしたイベントが繰り返されることも大きく、ドラマが必ずあることも大きいだろう。

「ハイキュー!」では選手たちが中心で監督は後から呼ばれる感じだが、個性的な一年生たちに対してやんちゃな2年生、頼りになる3年生という構図でチームが成り立っている。

「おおきく振りかぶって」では全員1年生だから先輩はいないのだが、超強力な個性的な監督の存在が大きい。監督が重要であるという意味では「GIANT KILLING」と共通している。先輩たちがいない分、リーダー的な存在がチームメートにいるわけで、なんでもできる才能と向上心の塊の田島と、いろいろ迷いはあるが体格的に恵まれキャプテンとしての務めを果たす花井のほか、メンタル強めのタイプと弱目のタイプ、本当の初心者、紅一点の女子マネと役者が揃う。それに個性豊かなライバル校の選手たち、となってくるとやはりスポーツ漫画はみどころが多いなあと思う。

話のダイナモになるのが主人公二人だけではなく、常に前向きで臆せずに人の懐に飛び込んでいく田島や、相手校の選手や他県の名門校と練習試合や合同練習をしたり、また機会を利用して強豪校に出かけてその強さの秘密を吸収しようとするところなどが今までのスポーツマンガにはなかった面白さだなあと思う。

もう大体ストーリーは把握しているので、今はちょっと時間があるからあの場面をもう一度読んでみようとか、ピックアップとして見取りで楽しんでいる。歌舞伎などでも通し上演もあるけど名場面だけを1時間くらいやる見取り公演も多いわけで、時間のない時や少し自分の気持ちを上げたい時などはちょうどいい。

人によってはそれが「キャプテン翼」だったり「プレイボール」だったりするのだろうなと思うが、「ハイキュー!」と「さよなら私のクラマー」は終わってしまった(後者はアニメ放送中)が「GIANT KILLING」と「おおきく振りかぶって」はまだ連載中でもあり、この辺りはそういうものを求める人には改めて勧められる本だなと思った。

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by Luke Peterson

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