保守主着で広がる思想の展望/前近代の精神性の呼び起こし

Posted at 21/02/21

宇野重規「保守主義とは何か」ようやく読了した。ヨーロッパ、特にイギリスの保守主義について色々わかって良かったのと、アメリカの保守主義について概観できて、全体的なイメージが掴めたことが大きいなと思う。「学びたい」保守主義はヨーロッパの方で、オークショットの本を取り寄せたし、東京に出た時にはバークの本も持ってこようと思うけれども、「知る必要がある」保守主義はアメリカの方で、また保守主義だけでなくリベラルも含めたアメリカの思想地図全体を掴んでおくことが、これからは重要になるように思った。


 

日本の保守主義については戦前の伊藤博文から陸奥宗光、原敬へとつながる流れの重要性、戦後の吉田茂からの流れについてよく考えておく必要があるけれども、特に「大日本帝国憲法」と「日本国憲法」の保守思想の側から見た位置付けと、今後の見通しのようなものをどう考えていくかは重要だろうと思った。この辺のところは勉強する必要もあるにしても思索も必要になってくると思うし、また考えたことを書いていきたいと思う。

保守思想の今後についてはハイトとヒースの研究が参考になるだろうなと思ったし、保守主義の意味としても、過去の流れを追うことが今後に大きな意味を持ち得ると思う。

哲学やリベラリズムの思想、あるいは宗教についてはどうも読んでいても考えていても正直行き止まりの感が強く、これからの思想の展開の展望が見えないところがあったが、保守主義に関してはまだまだ沃野が残っている感じがするし、またそのあたりをちゃんと考えていくことで人間の持つ思想というもの全体のアリストテレス的総合ができるのではないかという気もした。

ということで今日は短いが、読了の感想と今後の展望について書いてみた。

近代の呪い (平凡社新書 700)
渡辺 京二
平凡社
2015-06-09



おまけに付け足しておくと、次は渡辺京二「近代の呪い」(平凡社新書)を読み始めている。渡辺さんは保守というわけではないと思うけど、日本に近代という時代が来る前の日本というものを掘り起こそうとしていて、そこは興味深い。今は歴史はどちらかというと中世史がブームだけど、その前にあった江戸時代ブームの一つの発火点になった方なのかなと認識している。

江戸時代の魅力というのも私などは文化ばかり見ている感じがあったのだが、渡辺さんが取り上げているのは精神性の部分で、その代表的なものが「逝きし世の面影」だろう。これもそれなりに厚みのある本なので、肩慣らしに新書等を読んでから取り掛かりたいと思っている。


 

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