『菅原道真』など

Posted at 19/09/17

昨日。夕方出かけて大手町でおり、丸善に向かっていたらエスカレーターで妹にすれ違っているのに向こうが気がついて声をかけられ、エスカレーターで下に降りて少し母のことなど話して分れる。上の妹は割合近くに住んでいるので時々こういうことが起こる。
丸善に行っていろいろ調子を取り戻そうと本を物色。まず、2階でコミックスを見ていたら『ダンジョン飯』の8巻が出ていたので手に取る。
そのまま3階に行き、新書のコーナーで最初に目についたのが山本章子『日米地位協定』(中公新書、2019)だったかな。このあたりの日米関係、勉強しなければと思いながら気分が悪くなりそうで結構後回しにしているから、どこかでその気になった時に読もうと思って買うことにした。
それから手に取ったのが滝川幸司『菅原道真』(中公新書、2019)。歴史の人かなと思って中を読んだら文学研究者。歴史と文学では書き方も違うし史料の扱い方も違うが、文学の人の方のものが読みやすいことが多い。少し読んだが、道真以前の菅原氏の歴史が日本の朝廷の大きな歴史の中で位置づけられて、とても納得できるところがあった。道真は宇多天皇に重用されたことが知られているが、祖父の清公は嵯峨天皇に重用され、文章博士・従三位まで昇進している。嵯峨天皇の時代の唐風謳歌の文化と漢学者としての清公の存在がちょうどマッチしていたことがよくわかった。

もともと菅原氏の先祖は野見宿禰とされ、垂仁天皇の時代の相撲の故事で知られているが、殉死をやめさせるための葬礼の埴輪の制作とも結びつけられ、その子孫の土師氏は葬送儀礼で朝廷につかえていたものの、奈良時代になって仏教の影響で火葬が一般になると職掌の変更を願い出菅原氏に改姓し、以後漢学をもっぱらとするようになったのが清公の父、古人の時代になると。このあたりも奈良時代末の大友氏の没落など折口信夫の『死者の書』に出てくるような話しと重なり、いろいろと納得できるものがある。

道真の父の是善は摂関家、藤原良房や基経との関係も深く、ある意味利用され、またその見返りに出世もする、という関係も感じられる。そのあたりが道真の代での時平との確執にもつながるかと思われる。まだ22ページ。
もう一冊、草薙奈津子『日本画の歴史 近代篇』(中公新書、2018)を持ってレジに行った。中公新書を3冊買うというのはいつ以来か。

そのあと4階のカフェで夕食を済ませ、1階のタントマリーでケーキを買って帰った。

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