自分らしく生きるということ/アルコール依存症という病気/『進撃の巨人』とか『考える人』とか

Posted at 13/04/10

【自分らしく生きるということ】

怒涛のような数日が過ぎ、とりあえずひと段落したかなという感じ。とはいえ通常業務がこれからだし、まだ新しい仕事は完全に軌道に乗ったわけではないので、その都度対応も必要だろう。

しかしこういうときに限っていろいろなことが起こるもので、昨日は整体の操法を予約してあったり、今日は冬タイヤから夏タイヤへの交換を予約してあったり。5月末の法事の準備とか、駐車場の屋根の修理が終わったと思ったら実家の室内の壁の修理が入ったり、本当にバタバタと対応しなければいけないことが出て来る。

どうも睡眠の状態が悪いなと思っていたのだけど、昨日整体で見てもらって昨夜はかなりぐっすり眠れた。なるべく活元運動をしようと思う。一方で、小学生時代のことを思い出す機会があり、その頃のことを考えているうちに、何か自分の中で封印していたその頃の自分のようなものが自分の中で目を覚ました感じがあった。

そういうのを客観的に認識するのはわりと難しいことではあるのだが、よびさまされた自分というのは、基本的に「何も考えないで行動するタイプ」の子どもだった。

今考えてみてそうだったなあと思うのだけど、その頃の私は何も考えないで行動する、つまり「よく言えば大胆、悪く言えば軽はずみ」なこどもだった。だからやたらと怪我が多い。気がつかないうちに服を破いている。知らないうちにどこかが汚れている。知らないうちに誰かを傷つけている。すぐ怒られる。それでも認識せずにふかふかしている。誰にでも親しげに話しかけるし、仲良くもなりやすいが怒られもしやすい。よく言えば自分の世界を生きている、悪く言えば人のことにぜんぜん無頓着な子どもだった。

まあ大人になる過程の中で、激しく傷つきもしたし思想的なことをいろいろ考えたりもしたり、またさすがにこれではまずいだろうと思い慎重に行動することを覚えて、逆にものすごく非行動的になったり、自分のやりたいことが分からなくなったりした。だいたい夢の中を生きているようなものだったから、やりたいなんてことはないのだ。つまり、やりたいと思う前にやってしまうので、やりたいなんて状態のことはほとんどない。やれなければ激しくやりたいと思う前に方向転換して別のことをやっている、という子どもだった。飽きっぽいと言われるけれどもそういうわけでもなく、目の前に面白いことがたくさんあるんだからどれか一つなんて決められなくて、やってて面白いことはいつまでもやってたりもしたが、次々にやることを変えても平気だった。幸せな時はそうやってその時やりたいことを次々に全力でやって一日が暮れて行くわけだけど、幸せでないときはやりたいことがやれないというよりやりたくないことをやらされる時だったと思う。自分の記憶の中ではそういうことばっかり残っているのでずいぶん不幸なこども時代だった気がするのだけど、でも考えてみればやりたいことをやりきっているときというのが当たり前で、そういうときのことはあまり記憶に残っていないのだった。

まあそんなことを思い出したりしていると、いつの間にかどうも本来の「軽はずみな自分」が目を覚まして来て何も考えないで行動する感じが蘇ってきていて、ズボンを破いたり舌を思い切り噛んで大出血したりというようなことが起こったりする。何やってるのかと思うが、こどもの自分が本来の自分だと言うならば、そういうある意味ちょっと困った子どもが自分の本来の姿なのだった。まあそういう自分を監督する自分がちょっとしばらくお休みを取っていたりしたのだけど、仕事が一段落してようやく帰ってきた感じはある。自分らしく生きるというのはそういうある意味しっちゃかめっちゃかな感じになる部分はあるんだなと思う。


【アルコール依存症という病気】

実録! あるこーる白書
吾妻ひでお・西原理恵子
徳間書店

吾妻ひでお・西原理恵子『実録!あるこーる白書』は読了。月曜の帰郷の特急の中で舌の痛みを紛らわしながら読み切った。アルコール依存症の吾妻と依存症患者の妻だった西原の対談ということで、テーマはとにかく依存症という病気について。吾妻の『失踪日記』には後半部分でこの精神病院のアルコール病棟のことや断酒会のことについてなど書かれていてある程度の知識はあったのだが、今回は、西原の家族側の大変さみたいなことをたくさん読んだという感じがある。

アルコール依存症という病気は確かに理解の進んでない病気だなと思うし、「本人の意志」ではどうにもならない部分があるというのも、これを読んで本当に具体的にそうなんだなと理解したところがかなりあった。大酒のみと依存症の違いというのもなるほどなあと思うし、習慣飲酒から依存症への道筋みたいのもあり、ある種のアレルギー症状なのだ、というのも分かりやすい説明だと思った。

飲まないというのは自分の意志だけではどうしようもない部分があり、(意志がなければ話にならないので、まずはどん底に落ちないとダメだという部分があるのだと言うが)つまり逆に言えば自分の意志で酒をやめられるなら依存症ではないということなわけだ。私は酒も煙草も甘いものも自分で本当にやめようと思った時にはやめられたので依存症になりやすい体質ではないということは思った。そしてアレルギーと同じで、たくさん飲むから依存症になるというのは個人の中ではそうであっても、毎日たくさん飲んでも依存症にならない人、つまりただの大酒飲みもいれば、少ししか飲まないのにスイッチが入ってしまい、依存症になってしまう人もいるというのはなるほど、気の毒な人もいるのだなあと思った。スギ花粉に異様に弱い人もいればいくら吸っても大丈夫という人もいるというような違いなわけだ。

アルコール依存症というのはおっさんが陥るかわいくない病気だから世間の目が冷たい、と西原が言っているが、まあそれはそうだろうなと思う。昼間から駅で酩酊している人を見てもなかなかあの人は気の毒な病気なんだとか、保護してあげなければいけないとは思わないだろう。アルコール依存症は不治の病だ、ということは『失踪日記』を読んで知って驚いたことがあった(つまり、一生やめ続けるしか手はない。健全な飲酒をできる状態には戻れない)が、年を取ってもう死んでもいいと思った時に思い切り酒を飲んで逝く、という手もあったりするそうで、なんだかやはり生と死の問題に深くかかわりのある病なのだなと思った。西原の夫、鴨志田穣も依存症の危機から脱した後に癌になり、「依存症では死にたくない、癌で死にたい」という言って再び同居して生活するようになり、大往生を遂げたのだそうだ。その「依存症では死にたくない」という切実さが、この病の実存に関わるところなんだなあと思った。


【『進撃の巨人』とか『考える人』とか】

別冊 少年マガジン 2013年 05月号 [雑誌]
講談社

昨日は別冊マガジンの発売日だったので買いに行ったのだが、同時に『進撃の巨人』の10巻が発売になっていることにあとで気づいてしまったと思った。それで今日買いに行ったのだが、10巻の限定版の付録はエレンのフィギュア。8巻がミカサで9巻がリヴァイだったから、ようやく主人公がフィギュアになったという展開なのだが、3人並べておくとなかなかかわいくていい。

進撃の巨人(10)限定版 (プレミアムKC)
諌山創
講談社

それから、演劇時代の友人の書いた小林秀雄に関する論考が載っているということをツイッターで聞いた『考える人』の5月号をそれと一緒に買おうと思ったのだが売り切れで、時間のない中、隣町の書店に電話で聞いてみたら一冊残っているということだったので取り置いてもらってあとで買いに行った。本当は書店はゆっくり物色しながら見て回りたいのだが、忙しくてそうもいかないのがもったいない。諏訪湖畔をただ走り抜けて、雑誌を一冊だけ買って帰ってきたのだった。

考える人 2013年 05月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
新潮社

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