日本文化のあり方/『海月姫』10巻/短編集『往還』と小説作品サイト「スタジオみなみ」

Posted at 12/09/16

【日本文化の在り方を考える】

中国と 茶碗と 日本と
彭丹
小学館

昨日帰京。車中で彭丹『中国と茶碗と日本と』を読む。中国文化に対する自負心からなのだと思うがいろいろと首をひねる部分もなくはないのだけど、記録の拾い方、エピソードの拾い方は説得力がある。特に曜変天目が日本にしか伝世していない理由について、中国では窯変現象は天変地異の出現を示唆し、権力者に見つかると陶工たちがどんな目にあわされるか分からなかったからだ、というのはなるほどと思った。中国という国家は常に非常にイデオロギーが強い国家だということを改めて感じてちょっと異様に感じるところがあったが、それは形こそ違えアメリカやヨーロッパの国家イデオロギーもそれはそれとして強力であることは確かで、日本のように割と無原則で何でもありの国の方が珍しいんだろうと思う。特に日本の国宝の茶碗8点のうち5点が宋、1点が高麗のもので、日本のものは2点しかないというのは確かに変と言えば変だ。しかしそれは伝世の唐物を名物としてきた日本の伝統に即して言えば全然変ではないわけで、最も日本らしい文化と考えられる茶道における中国文化の影響というものを改めて考えさせられる。利休や織部は唐物より今出来の茶碗を重んじたわけだがそれは別にナショナリズムでもなかったわけで、自分の美意識の徹底と貫徹という深さがそこに現れるのが本来は日本のお茶なんだろうと思う。現在175/301ページ。


【『海月姫』10巻】

海月姫(10) (KC KISS)
東村アキコ
講談社

帰りに地元の文教堂に寄り、東村アキコ『海月姫』10巻(講談社、2012)を買う。人間関係も復活し鯉渕兄との恋愛?も進展し、しかし天水館の地上げ問題はどんどん進行し…といったところ。ゆっくり読んでいるのでまだ半分しか読んでいないが、面白い。


【短編集『往還』と小説作品サイト「スタジオみなみ」】

制作していた短編集『往還』の小冊子が出来た。明日からは鴨澤めぐ子さんの個展があり、そこで置かせていただくことになっている。個展の案内はこちらにも。それに関連して、私自身の小説作品サイト「スタジオみなみ」も制作した。整備はまだまだこれからだが、こちらからどうぞ。


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