人生初IKEA/『わが父 パードレ・ヌエストロ』

Posted at 12/07/02 Comment(2)»

【人生初IKEA】

7月になった。と言っても今日はもう2日だが。昨日はそうでもなかったが、今日は日差しがあったので東京はだいぶ蒸し暑くなった。今朝は友人から譲ってもらったデンマーク製の丸テーブルが届き、ベランダ側の洋間の真ん中に置いた。雰囲気のある大きなテーブルで、頬杖をついて外の景色を眺めていると、別の世界が見えてくるような感じがする。ものの力というのは大きいなと思う。一つのものの存在でまるで違う場所のように見える。まあ、それだけの力を持つ「もの」はそうなかなかはないけれども。

Opium(オピウム)
田口智子
河出書房新社

amazonで注文した田口智子『Opium』(河出書房新社、1993)が届いた。これは私が持っている二組のタロットカードのうち郷里においてあるものの絵を描いている人。これが一番最初の作品集のようだ。このタロットのカードの絵もすごく好きなのだがこの画集はそういう秘密めいた雰囲気の原型のようなものが描かれている。題材になっているのは少年のみだが、ちょうど『平清盛』の少年時代の源頼朝役の中川大志を思わせるような凛々しい少年たちだ。まだこのタロットほどの自由自在の筆致という感じではないが、雰囲気があっていい。

運命が見えるタロット占い―神秘のカードでしあわせになる
成美堂出版

どうも頭がごちゃごちゃして面倒くさくなっているのとついでだからこのテーブルにあった椅子を買おうと思い、南船橋のIKEAに出かけることにした。その前に東陽町で銀行を何軒かまわり、快速に乗って西船橋へ。しばらく来てなかったのだが、東西線とJR線の間に改札が出来ていて、JR線の構内の駅ナカがずいぶん発達していて驚いた。武蔵野線の南船橋行は1時間に3本しかなくて少し待ったが、IKEAは南船橋の駅を降りたら目の前にあった。

最初はシステムがよく呑み込めなくて無駄な動きをしてしまったのだが、いろいろと家具を取り合わせて部屋の雰囲気を作る展示をしてあったのは参考になった。これはニトリでもやっているけど。IKEAはスウェーデン企業ということでちょうどデンマーク製のテーブルにちょうど合うというのはラッキーな偶然。木製の椅子が気に入ったので後は指示通り見て回る。ただなかがやたらと広く、不慣れゆえ思ったところにすぐに出られないのが困った。倉庫みたいなところでほしい椅子を探したがよくわからなかったのでもう一度2階の展示まで戻って番号を確認し、また探すことになった。こういう逍遥非推奨型の設計というのは不慣れだと困るが、まあ思想はシンプルなのでなれたらそんなもんなんだで済むことだろう。

レストランもおいしそうだったがちょうどおなかが減ってなかったので残念だったが食事はパス。倉庫みたいなところで調べた番号の商品を自分で探し、自分で現品を積んでレジに持っていくというシステムが究極のセルフサービスで面白かった。こっちが客だからと甘えていると何にもできないシステム。その分安くしてるんだと言われるとなんだか妙に腑に落ちるのが面白い。まあ確かに安いとは思う。

レジを済ませて配送を依頼し、帰りがけに食品コーナーでブルーチーズとビールとポテトチップスを買った。こういうものがあると知ってて来るならもっと楽しめるだろうなと思った。今度は照明も見に来ようかと思う。

帰りは来た電車が東京行だったら東京へ出ようかと思ったのだけど、府中本町行きだったので西船橋に出た。夕食の買い物をどうしようかと思ったが、駅ナカにいろいろあったので小さなひれかつ丼と小茄子の煮物みたいなのを買ってそれで済ますことにした。なんだか思ったよりずっと充実した。

【わが父 パードレ・ヌエストロ】

わが父パードレ・ヌエストロ [VHS]
フランシスコ・レゲイロ監督作品
キングレコード

帰ってきてテレビデオを丸テーブルの部屋に持ってきて、それでずっと見かけだった『わが父 パードレ・ヌエストロ』を見る。フェルナンド・レイってどこかで見た人だと思ったら、ブニュエルの『欲望のあいまいな対象』に出ていた人だったんだ。スウェーデンビールにポテチ。ブルーチーズに茄子をつまみながら食べているとすぐおなか一杯になってひれかつ丼は半分しか食べられなかった。ビールを飲み終わった後はタンカレーをワンショット。いつもの部屋がなんだか違った空間に感じられた。そんなビビッドな空気に、いつでもできるようにしておくべきなんだなと思う。それから、たまにはアルコールを入れるのも頭が弛んでよいなと思った。

『パードレ・ヌエストロ』。スペイン映画ってこういう感じ。誰かが書いていたが、市民戦争とフランコ独裁の後遺症で、スペインの現代作品というのはやたらとアヴァンギャルドで象徴性が強く、何を言っているのかわかりにくくしていることが多い。レゲイロもそういう系統の監督らしいのだけど、この作品では構造自体はわかりやすかった。ただブニュエルもそうだが、冗談なのか真面目なのかわからない微妙な画面が多い。フェリーニのように鮮やかに「これは洒落だぞ!」と宣言はしていないのだ。見ているほうがなんだかまごまごしているうちにああ今のは冗談だったのか、と後で思う、というような感じなのだ。しかし画面はやたらと美しい。これはぜひDVD化してもらって大画面で見たいのだけど、いまのところそういう動きはないようだ。

ストーリー。死期を悟った枢機卿が教皇に暇乞いをし、スペインカスティリヤ地方の寒村の大地主である実家に帰り、女中に手を付けて生ませた娘に土地と教皇庁御用達の葡萄酒を生産する葡萄畑を相続させようとする。しかしその帰還は周りの人々に波紋を呼び、元女中の夫の羊飼いは精神に変調をきたして死んでしまう。肝心の娘は娼婦になって村を飛び出し、「女枢機卿」と呼ばれている。その娘は心臓が弱いが、唯一映画の中で希望の星のように無邪気に動き回る。村に帰ってきた女枢機卿は売春宿で客を取り始める。枢機卿は娘(戸籍上は自らと無関係)と弟を結婚させて財産を相続させようとするが、医者で遊び人を気取る無神論者の弟は実は不能だった。枢機卿は弟にアドバイスを与えて女枢機卿との関係を成就させる。死期の迫った枢機卿に女枢機卿は会いに来ようとしないので、枢機卿は自ら売春宿に出かけ、商売中の娘に会う。気分の悪そうな父に驚いた女枢機卿は飲ませようと水を取りに行くが、枢機卿はその水で娘に洗礼を与える。末期のベッドの中で修道女たちに世話をされる枢機卿のところに教皇から電話がかかってきて、枢機卿は羊飼いを「殺した」ことを告解し、教皇は彼に赦しを与えるのだった…

一気に書いてしまったが、聖俗入り乱れた猥雑さがすごく楽しいわけだ。なんというか昔の日本の田舎の聖俗の入り乱れ方もこんな感じだったよなあと思う。建前なんか糞食らえだ。大地主制も遊び人の枢機卿もそのまんまだし、かっこつけてる弟が実は不能だったとか、娼婦の娘のやたらなかっこよさとか、神をバカにしているようでいて本音ではやたらと信心深かったり、人間の重層的な深さを描いているところを味わっているとアメリカ映画なんか見る気がしなくなる。

時に自分を異世界に運ぶ工夫を自分でしておくことは大事なことだと再確認。億劫でも一歩踏み出すことが大事なことなんだなと。

"人生初IKEA/『わが父 パードレ・ヌエストロ』"へのコメント

CommentData » Posted by かず at 12/07/03

初IKEAの感想、興味深く読ませていただきました。確かに倉庫店ならではのわかりにくさはありますよね。
うちもIKEAで、テーブルを買ったのでよくわかります。

食事もけっこう美味しそうですよね。お茶しかしたことはありませんが、けっこうコストパフォーマンスが良かった思い出がありますよ。

でも、土日は混雑してしまって・・・疲れが先に立ちます・・・IKEAは。平日に行かれたのかもしれないですが、だとしたら、それが良かったかと思われます。

CommentData » Posted by kous37 at 12/07/03

>かずさん

コメントありがとうございます。そう、平日でしたから空いてたんだと思います。土日に行く勇気はないです。^^;;

次回も月曜日に行って、今度は物を食べることも計算に入れて行くつもりです。^^

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