ナウシカを見た/河合隼雄『こころの処方箋』

Posted at 12/05/12

【ナウシカを見た】

昨日は松本に出かけて、だいぶ久しぶりに操法を受けた。どんな調子なんでしょう、と尋ねたら頭が休まっていない、腰と目が疲れているけど、大丈夫です、とのこと。まあ確かに本当にその通り。帰りに市内に出て、立体駐車場に止めて先ごろ開店した丸善松本店に行ってみた。丸善とジュンク堂が共同で出店している店で、店舗の書棚の配置などがジュンク堂的。私は丸善の配置や書棚の雰囲気に慣れているせいもあって、ジュンク堂的な書棚配置や本の置き方を見づらく感じてしまう。だいぶぐるぐるまわったけど結局買わずに出た。欲しいものがない時についでだからと書店へ行くとこういうことになる。特に新しい書店でノリが合わないとそういうことによくなるなあ。なぎさライフサイトのツタヤに行った方がよかったかなと後で思った。

風の谷のナウシカ [DVD]
宮崎駿監督作品
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

仕事を終えて帰ってきて、報道ステーションを見て11時になったとき、突然今日はナウシカをやってるんだ、ということを思い出して4チャンネルに変える。もう大地が王蟲の赤い攻撃色に満たされた状態になっていたが、最後まで見た。この者青い衣をまといて金色の野に立つべし。ナウシカってリーダーなんだな、ということに気が付く。女の子の主人公が命令口調、ってあんまり見たことなかったし今でもあんまりない気がする。ツンデレ的なものを別にすると。やはり『風の谷のナウシカ』ってある意味今でも突出したアニメだと思う。たとえばフェミニズム的に言っても。

ナウシカは終末後の世界を描いているわけだけど、すごく完成された80年代的な終末観がベースになっている。あのころ、終末後の世界を描くというのはひとつのジャンルになるくらいあったし、あの時代に創作をしていた人たちはみんな一度はそういうものを書いたんじゃないかと思う。私も芝居や詩でそういうものを書いたことがあった。空想によって編みあげられた核戦争後の終末の世界。チェルノブイリと冷戦崩壊後は原発事故の方がリアリティが増して来て、今や洒落にならなくなったので放射能に汚染された世界みたいな話はむしろなくなってしまったな。関東地獄地震後の汚染された関東でバイオレンスジャックが…みたいな話。

80年代は基本的に戦争という人間の愚かさによって人間が滅びてしまう、というテーマがまだ一般的だった。核戦争、というのはそのバージョンに過ぎない。いつ頃からだろう、環境破壊による終末みたいなものが出だしたのは。『もののけ姫』もそちらに至るメッセージはあったんだな、そういえば。


【河合隼雄『こころの処方箋』】

こころの処方箋 (新潮文庫)
河合隼雄
新潮社

河合隼雄『こころの処方箋』(新潮文庫、1998)をぱらぱらと読んでいる。「どっぷり浸かる」という体験の重要さ。「幼少時に母親とうまく「どっぷり」体験を持った人は幸福である。しかし、それがなくとも、人間はその後の人間関係や、その他の世界との関係で「どっぷり」体験をすることができるものである。それは、その人の個性と大いにかかわるものとして、創造の源泉となることもある。」谷川俊太郎は母親との「どっぷり」体験を強調していた。他にもものを書く人作る人には同じことを言ってる人が多い。しかしそれがなくても「どっぷり」体験は出来るし、それが創造の源泉になる、というのは救われる人は多いのではないかと思う。「どっぷり」体験をするためには、そこに人間の信頼ということが存在する必要がある、という。心の底から信頼できる人に出会うことができたかどうか。いろいろ思い当るところがある。

もう一つは、「裏切り」という現象はどういうときに起こるか、という話。感情的な一体感があって、どこまでが自分でどこまでが相手か分からない状態になっているときに、裏切りという現象が起こる。一心同体の存在を真っ二つに切り裂くには、血を流す荒療治が必要だ、というわけだ。言葉を変えていえば、感情的な癒着があるときに、それを切り離すために「裏切り」が起こるということだろう。これは自分の身に起こったいろいろなことを思ってみてもよくわかる。自分と他人の距離が測りにくくなってしまった時にそういうことが起こるのだと思う。お互いに自己を相手に投影し、近づきすぎて関係が客観的に分からなくなってしまった時にそういうことが起こるのだと思う。癒着しやすい心性を自覚するならば、みずから戒めなければならないことだ。

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