自分との約束を守る

Posted at 11/12/27

ここのところの毎回の例のように、月曜日の最終の特急で帰郷した。『獣の奏者外伝・刹那』は結局帰る前に読み切った。

ごっこ 2 (ジャンプコミックスデラックス)
小路啓之
集英社

25日から買った本を書いてなかったので取りあえず。あ、書名のみ書いたのもあるけど。小路啓之『ごっこ』2巻とおがきちか『ランドリオール』19巻(通常版)を上京の際丸善本店で買い、横浜に出かける前に文教堂東陽町駅前店で小山宙哉『宇宙兄弟』16巻を買った。『ランドリ』19巻は限定版もアマゾンに注文していて、昨日帰宅したら届いていた。

宇宙兄弟(16) (モーニング KC)
小山宙哉
講談社
Landreaall 19巻 限定版
おがきちか
一迅社

26日の帰郷の際に再び丸善本店に寄る。このところ持ち歩いていたお守り代わりの水晶の腕輪を東京の家に置いて来てしまったので何となく心細くなって、それに代わるお守りがほしいという感じで本を探した。思いついて買ったのが桜井章一・岩崎夏海『鮭はここまで約束守ってんのに』(竹書房、2011)。さっきまでかかってこの本は読了したが、とてもよかった。羽生善治と対談した『運を超えた本当の強さ』もすごくよかったのだけど、何というか頂上対談という感じで見えないところが多いというか、自分の実践にどう生かして行けばいいのかよくわからないところがあったのだけど、この岩崎との対談はとても分かりやすいというか、具体的に何をすればいいか、何をこころがければいいのかということがすごくよく分かった。

鮭はここまで約束守ってんのに
桜井章一・岩崎夏海
竹書房

岩崎夏海という人は、『もしドラ』の作者だ。そういう企画モノで一発当てた山師、みたいな偏見で彼のことは見ていた面があったのだけど、だからなんで桜井がそんな人と対談したのか、と思ってたのだけど、腕輪を忘れた心細さの中で自分の中で気になっていたことを探っているうちに、むしろ桜井が対談しようという人なんだから逆に本当は面白い、侮れない人なんじゃないかという気がして来て、買うことにしたのだった。『鮭はここまで約束守ってんのに』という題名もなんだか奇をてらった感じがしてあまり好きではなかったのだけど、逆にそういうふうに見える引っ掛かりのようなものが大事なのかもしれないと思ったのだった。

まあこんなふうに書いてみるといかに自分が偏見に満ちた人間かというのが分かってイヤになってしまうのだが、まあそういう偏見みたいなものが逆にアンテナみたいになって「偏見が面白くないぞと叫んでいるものは多分本当は面白い」みたいな感じになって、最近いろいろなものを見たり読んだりしている。その偏見とか先入観が裏切られて行くのが何とも心地よい。心に何本も突き刺さっている大きなトゲが一本一本抜けて行くような感じだ。『エヴァンゲリオン』を見たあたりからそんな感じになってきている。

この本、ものすごく読み応えがあった。何というか、岩崎の持ってるインテリの哀しみ、つまり身体性の欠落みたいなものはやはり自分の中に共鳴するものがあるし、彼がする質問はわりと聞きにくい感じのことをけっこうしているんだけど桜井も苦笑いしながら答えている感じがあって、でもそのあたりのスリリングさがすごくいい。震災直後に行われた二日目のインタビューはすごくベストだなという感じがするけど、三日目のインタビューで何か岩崎が的を外している感じとか、ありきたりなことを行ってしまってる感じとか、分かったようなことを言ってしまっている感じというのが、すごく正直な感じがして、素直に墓穴を掘っている人間の大きさみたいなものをむしろ感じた。この恥ずかしい自分まで含めて体当たりして行くのは実際にはわりと難しいと思う。私のこのブログはわりとそういう線を狙っているところもあるのだけど、誰かに体当たりしているわけじゃないし、だいたいこういう体当たりを受け止めて地面にたたきつけてかわいがってくれるような相手はそうはいないわけで、そういうところがすごく面白い。

結局、自分でやると決めたことはやった方がいいというか、やるべきだ、ということが「お守り」になるというのがこの本を読んで得たこと。自分でやると決めたことは自分との約束であり、自分との約束を守れない、自分を裏切るような人間がいざというときに自分のやろうとしていることができるはずがない、というのは何というかものすごく腑に落ちた。最近なかなか自分との約束を守りにくくなっている自分というものにも気がつくし、逆にいえばちゃんと約束が守れているときは自分のやろうとしていることも向こうからおぜん立てが整って軽く実現してしまうのである。

高3の頃、私の受験勉強というのはZ会の通信添削がメインで、当時は月に3回提出期限があり、その成績が旬報という形で送られてきて、上位の名前が掲載されたりしていた。当時のZ会の問題はとんでもなく難しくて、いつもひいひい言いながら他の勉強はほとんどできずに英国数と世界史の4つの添削を必ず期限に間に合うように提出していた。いま考えるともっと効率のよい受験勉強はあったと思うし、添削が時間を食い過ぎて英文法とかの基礎がしっかりできなかったというマイナスが大学入学以後明らかに祟ったのだが、しかし毎回必ず提出するというペースを守りきったことが、結局は現役合格につながったのだと思う。不思議なくらい、自分が「できる」問題が出題されていたのだ。自分との約束を守るというのは例えばそういうことだ。

社会人になってからの大学院受験も、受かったときには本当にやれることは全部やった感じがある。フランス語の問題が全部ちゃんと読めて答えも文法的にもだいたい正確に書けたと思う。合格してから実際に原書を読むと付け焼刃なのがすぐに露呈してしまったけれども。いまの仕事をはじめるときにやった徹底的な英語の速読の練習も、毎朝起きたらまず最初に着替える前ぐらいの勢いで必ず課題をこなしたし、旅行に行った時も持って行ってホテルでもやっていた。そういう形で自分との約束を守ったときには、必ずそれなりの結果が帰ってきている。結果が出た後のことまでちゃんと考えてないことが多くて、それが自分が今いち人生がダッチロールしがちな原因ではあるのだが。

まあつまり、自分との約束を守れば自分が勝負をかけたときに、状況が勝手に整ってくれてその勝負に勝つことができるということで、自分の人生でも考えてみたらそうなってるなと思う。いろいろな理由で自分との約束を違えることがこんで来ると、どうしてもだめなのだ。だから何かを実現したければ、歯を食いしばってでも自分との約束を守る。それを桜井は「健やかだ」と表現していて、そうだなと思う。

まあ私のトライの例はみな自分自身のためのものなので、桜井の言に拠るならばそこに歪みが生じてうまく行ったのに上手く行ってない、のかもしれない。鮭は生まれた川に戻って来るという自分との、あるいは種族そのものの持つ「約束」を守り続けているわけで、それが彼らの凄さなのだということになる。

もう一冊、というか一セット買ったのが北杜夫『楡家の人びと』第1部~第3部。これもお勧めを受けたので買ってみたが、読み始めてみると面白い。読む暇がどれくらいあるか分からないが、読んでみようと思う。

去年書いた小説を、今年中に本にするぞ!と思っていたのだけど、結局紙の本でそれを実現することはできなかった。だからパブ―を使って電子書籍でもやろう、とやり始めてみたのだが、やり始めてみるとこうした方がいいとかああした方がいいということがたくさん出て来る。そういうことから他の作家の人のサイトとかも見ていると、すごく統一されたすっきりしたイメージで、どういう志向の人に読んでほしい、という主張がすごくはっきりしていて、私のサイトやブログなどを見ると誰に読んでほしいのか謎だなと思った。このブログもこのデザインにしてからずいぶんたつし、まあ小説をメインにしたサイトはこのブログとは違う方向性で作りなおした方がいいのかもしれないが、サイトの作りというもの自体を考え直してみる必要はあると思った。

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