日本橋、京橋、銀座/恋愛的日常
Posted at 11/05/31
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【日本橋、京橋、銀座】
昨日。日本橋で昼食を取るつもりで出かける。風が強かった。行く店をなかなか思いつかなかったのだけど、日本橋の榮太楼の喫茶室があると思いつき、1時過ぎに来店。おなかのぐあいがいまいちだったが、結局鶏そぼろ重を。もう空いていた。隣の席の女の人がなんだか知っている人のような気がしたけどそうではなかった。持って出た高瀬理恵『公家侍秘録』7巻を読む。食べ終えて外に出ると雨がぱらついていた。予報が雨は降らない、だったので傘を持って出ず、これは失敗したかなと思う。交差点を渡って西川の入り口で少し雨宿り。オアゾまで走り、日本橋の交差点を渡り、山本山へ。
私はあまり高いお茶を買わなくていつも申し訳ないと思うのだが、ほうじ茶と玄米茶、それに川柳(番茶)を買う。会計を待つ間に入れてくれるお茶が美味しい。それから中央通を渡って丸善へ。マンガを見たり美術書をみたりしたけど結局買わなかった。しかし本を見ている間に雨が上がったので、銀座まで歩くことにする。
中央通を歩いていくと、明治屋。このビルの感じはやはりいいなと思って携帯で写真を撮ったり。京橋の交差点を渡ると、工事中の建物の防護壁に昔の京橋の様子を映した写真がいくつも貼られていた。京橋から鍛冶橋への道、昔は川があったのだなと思う。戦後の写真ではもう川が消えているので、埋め立てられた(か暗渠化された)のは昭和20年代だろうか。京橋というのは日本橋から東海道を行くと京への最初の橋だから京橋だと聞いたことがある。そういう風情も残っているといいのだが。
銀座に入ると、制服を着たJK(女子高生)の集団が大口を開けて笑いながら歩いていておそれを知らんというか何というかと思いながら山野楽器へ。Perfumeの『レーザービーム』の初回限定盤が欲しかったのだけど通常盤しかなく、だいぶ迷ったが結局買わなかった。やはりDVDが欲しい。しかし何も買わないと心残りなのでジブリのアニメなど探して見たが、『もののけ姫』のメイキングとかに心が動いたが結局買わなかった。
![]() | 「もののけ姫」はこうして生まれた。 [DVD] |
| スタジオジブリ | |
| ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント |
そのまま銀座を南下して、裏通りのビルなど写真を撮ってみたり、ふらっと入ったギャラリーで「作家の顔」という写真展をやっていて井伏鱒二がかっこいいと思ったり。三島由紀夫はかっこつけすぎだよ。石原慎太郎は裕次郎みたいな顔をしてた。今日は早めに帰ろうと思い、銀座を北に歩いて、何かケーキでも食べたいなと思って二丁目の風月堂で二つ買って京橋まで歩いて銀座線に乗って帰宅。帰ってきておがきちか『侍ばんぱいや』読了。
![]() | 公家侍秘録 7 (ビッグコミックス) |
| 高瀬理恵 | |
| 小学館 |
『公家侍秘録』の面白さは結局江戸期の公家とそれに仕える公家侍の生活という知らない世界についての薀蓄にあるのだなあと読んでいて思う。この人は今『江戸の検死官』という連載をしているのだけど、どうもネタがネタだけに雑誌に載ってるときは読んではいるが単行本を買う気にはならない。グロテスクなものには基本的にあまり強くない。死体には荘厳な特別なものを感じるからだろう。
![]() | 侍ばんぱいや (F×COMICS) (F COMICS) |
| おがきちか | |
| 太田出版 |
『侍ばんぱいや』は、『ランドリオール』で青春ファンタジーものを書いている作者が昔のエロ雑誌・同人ノリを溜め込んでいたのを一気に吐き出した感があって、苦笑いしながらそれでも面白く読めた。『チカマニアックス』所収の「きゅ~な修行中!」的なノリを久々に感じたが、当時よりうまくなってるなあと思うしこの作者独自の世界が遺憾なく発揮されていてよかった。
【恋愛的日常】
早めに食事をして早めに寝ようと思っていたのだけど、少し小説の続きを書いたこともあってなんとなくおきていて、PafumeのPVを何か見ようと「ねぇ」のPVをネットで探して見て感動した。今朝寝て起きて、起きたときにこのPVのイメージが頭の中にけっこう一杯になってて、これを幸せに感じる感じは分かるなと思った。イメージの中で生きる、ということの幸せ。これはあんまりはっきり自覚したことはなかった(経験はものすごくしてるにしても)のだけど、これはすごくよく分かるし、男でも女でも「アイドル」というものに夢中になる感覚が初めて理解できた気がした。
![]() | ねぇ(通常盤) |
| Perfume | |
| 徳間ジャパンコミュニケーションズ |
Perfumeについていろいろツイートしていたらツイッターで返信してもらってすごく納得したのだけど、「楽曲と歌詞が、「ちゃんと青春してきたひとが知ってる、若さの輝きと哀感」を醸し出せてる」というのは全くその通りだと思った。そう、何というかあのころの自分の、「恋愛的日常の記憶」を見事に発掘してくれたという感じなのだ。
あのころ、自分では特に幸せだとも思ってなかったけど、今思えばものすごくハッピーだったし頭の中もハッピーだった。つまり「おめでたい」ということだが。若さの輝きと哀感、憧れと倦怠。今日はどこへ行こうかな。それが自分にとって毎日の最大の問題だったりする日々が幸せ以外のなにものであるか。今日はどこへ行くか、明日はどこへ行くか。もうどこも行っちゃったよね、今日はうちにいようかとか、なんかよく分からないけど六本木シネヴィヴァンの映画見ようかとか、あの幸せ(おめでたさ)のなかで生きられたときがあったということは、本当に生きていたカイがあったというか、あの記憶をおかずにして一生ごはんが食べられそうなものだなと思う。
私は万葉集の、「多摩川に晒す手作りさらさらになにぞこの子のここだ愛(かな)しき」という東歌が好きなのだけど、恋愛というものを一瞬で氷結して形にしたような、そんなところがこの歌にもある。
ナルニアの『最後の戦い』に、「あのひとは、今の年ぐらいに早くなりたがって学校に通っているころを台無しにしてしまったし、今の年のままでいたくて、これから先の一生を台無しにしてしまうでしょうよ」という身も蓋もないセリフがあるけれども、恋愛をしているときの感じというのは本当にそんな感じで、それまでの人生もそれからの人生ももうどうでもいいと思ってしまう。恋愛時代の酔生夢死、今死んでもかまわないという感じ。
それからの続きのことを考えると、ちょっとしたほころびでそれが崩れて行く切なさも思い出してしまう。おんなじものを見て楽しんで、同じものを食べて同じものが好きだったのにいつの間にか、違う方向を見て違うものに心を魅かれ、結局その違いがすれ違いを生みついには終わる。お互いに芝居をやってたり、音楽が好きだったり、ものを書いてたりするとその違いというのは譲れないものになっていくから、いつのまにかどうにもならなくなっていく。
分かれたときのイヤな感じというのが尾を引いてしまうから、恋愛時代のあの幸せな感じが記憶の中でうまく捕まえられなくなりがちなのだけど、Perfumeの作品というのはそういうものを固定化して結晶化してくれる感じがする。ああ、なんか久々に頭の中が相当おめでたくなった。でもそれが悪い気がしないのが人間というものなんだろうな。作品を書こうとしているといろいろなものを思い出してくるけど、これを思い出せて本当によかったなあと思う。
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