落ち着いてじっくりやると、いいことがある/書くことによって満ちて来るのを待つ

Posted at 10/09/09

台風一過。再び青空が戻ってきた。昨日は一日中雨か曇りだったけど、今日はお昼前から晴れて来た。今11時20分だが、今のところあまり暑くない。11時で25.8度。最高気温は30度と出ているが、そんなには上がらないのではないかという気がする。風がやさしい。

昨日は仕事が忙しかったのと、コピー機だの何だのとトラブルが重なり、疲れきってしまった。寝た時の気分は最悪だったが、朝起きてから少し体を動かしたら大分ましになった。6時半ごろ家を出て歩いて職場に言って不燃物を処理し、モーニングを買って帰って来る。朝食後、灯篭を片付けてから雑用に出かけ、中央駐車場に車を止めてコピー機の手配をすませ、銀行でいくつか用事を済ませてからホームセンターに出かけ、掃除用具などを買って帰って来る。店先で売っていた鯛焼きを食べながらモーニングを最初から最後までもう一度熟読。久しぶりに感想をじっくり書いてみたい。

モーニング。朝一度ぱらぱらと読んだ時にはどうも救いのない暗い展開の話が多くて困ったなと思ったのだけど、読み直してみると細部に気がつかなかったところがたくさんあって、最初に読んだ時とは全然違う感想を持った。嫌だなと思いながら読んでいるとそういうところがちゃんと見えてこない。怖がらないで落ち着いてじっくり読んでいると、いいところが見えてくる。まあどんなことでもそういうところはあると思う。ネタバレもあります。

東村アキ子「主に泣いています」が巻頭カラー。今まで全然わけのわからない話だったのだけど、ようやく仁さんとの出会いがつねちゃんの目線で語られて、ようやく話が見えて来たところがある。やはりワケワカのテンションだけでは東村アキ子といえど持たないんだなあと勉強になった感じがする。小山宙哉「宇宙兄弟」。シャロン博士がALS(ホーキング博士がかかっている病気)ということが判明。動揺する六太。しかしシャロンは笑顔で。暗い展開だなと思ったけど、やはりシャロンの笑顔が救いなんだなということが読みなおしてみてわかる。ツジトモ「Giant Killing」。疲れて来たETU。しかしふっきれた椿が見事にパスを防ぎ、カウンターで一気に駆け上がる。次週が楽しみ。かわぐちかいじ「ぼくはビートルズ」そうかマコトがポールなんだ。とりのなん子「とりぱん」26度から30度の間の微妙な気温の変化を感じる感性にうんうんとうなずく。王欣太「ReMember」まだまだ面白いキャラクターがどんどん出てくる感じで、このマンガは期待大だ。最初気がつかなかったが環というキャラクターは大柄な女性かと思っていたら口の周りにうっすらと髭が書かれていて、オカマだということあとで気付いた。そういう微妙な仕事がいい。

木下晋也「ポテン生活」リンゴスターという作品の、母親が送ってくれたリンゴの皮をむいて、その皮を見ているうちに新体操をしている自分を想像してしまった下宿女子、という話が何がいいとも言い難いのだがなんだか良かった。うえやまとち「クッキングパパ」サバの水煮の「カンヅメ」の作り方。秋月りす「OL進化論」婚活はともかく友活、駅での無意識のフラの練習。さすがにいないと思うが。(笑)東風孝広「特上カバチ!」成り上がるのに一生懸命なうちに失ったもの。ひなきみわ「miifa」世の中にはいろんな男や女がいるんだなと毎回思う。ネタがいのちという作品。連載35回目なのにまだまだネタがあるところがすごいといえばすごい。芹沢直樹「ルシフェルの右手」絵はいいんだけど、ストーリーのディテールが少し粗い気がする。惣領冬実「チェーザレ」15世紀末イタリアの合従連衡。そこにフランスが介入し、さらにはハプスブルクが介入する、その前段階。教皇庁・ヴェネツィアに対抗するナポリ・フィレンツェ・ミラノの連合が崩れて外国の介入を招く前の。福満しげゆき「僕の小規模な生活」女性に対する妄想の感じがオースターの『ガラスの街』の主人公クインの妄想を思い起こさせて万国共通なんだなと思ったり。

わたせせいぞう「北のライオン」こんなかっこいいやつはおらんやろ。オキモト・シュウ「神の雫」まーいーんじゃない。嵐田トーゴ「月面飛行」学園物。無難な線かな。こしのりょう「Ns'あおい」佐藤さんと斎藤さんの取り違え。実際にありそうなミスだ。織田の母がいい。田中誠「ボクラハナカヨシ」まあありそうな話。でも絵が魅力的だ。この人こんなにうまかったかなと最近よく思う。一色まこと「ピアノの森」。カイと修平。森の中で、傷つけあい、傷つきあう二人。連絡の取れなくなってしまった二人に、まわりの大人たちは…とても心の痛む話かと思っていたのだけど、最後に出てくる教会でのショパンの追悼ミサが、二人にとっての救いになるのではないかという淡い希望が浮かんでくる。淡い希望というものがいかに大事か、昔は分からなかったが今は分かる。横山キムチ「ねこだらけ」だんだんこのマンガの面白さが分かってきた。肛門期的な面白さだ。3歳児の感じる面白さを大人に思い出させるマンガだな。

なかいま強「ライスショルダー」。壮絶な殴り合いの中、思いを背負って戦う二人の間に共感が生まれる、という展開がちょっと泣かせる。そのストレートさがいい。サライネス「誰も寝てはならぬ」猫の研究。猫の気まぐれというか自由さというか。人がしようと思ってもできないことをしていてちょっと可笑しい。大橋ツヨシ「エレキング」ペペロンチーノ風そうめんはいいんだが、落ちはちょっと予測できたかな。Boichi「ラキア」破壊が続く。911風。山田芳裕「へうげもの」醍醐の花見。秀吉の最後の華。真情を織部に打ち明ける秀吉。泣かせる。カレー沢薫「クレムリン」好きにしてくれ。(笑)本谷有希子「かみにえともじ」合掌。能町みね子「ひとりごはんの背中」中島らもの娘。好きな人には面白いんだろうなという感じ。

ああ、書いた。こうしてみると、感想を書くのって結構大変なんだな、いつも何も考えないで書いてるけど。

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ガラスの街
ポール・オースター
新潮社

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ポール・オースター『ガラスの街』。132/216ページ。読みやすい、というか先を読みたくなる。先を読みたいという感じと、内容にうんざりする感じと、内容に興奮する感じが、三者三様という一筋縄ではいかない作品。たくらみにみちている。人物造形が「深い」という感じはしないのだけど、人にはいろいろ意外な面があるとか、見た目と中身は一致しないがでもやはり中身は外に現れているということとか、人間存在のおかしさ奇矯さそして悲しさみたいなものを上手く描いていると思う。

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新しい作品を書きたいのだけど、今はまだ機が来ていない。気が十分たまっていない、とでもいうか。今ちょうど、バッテリをリフレッシュしているのだが、一度放電しきった感じ。あとは自然に満ちて来るのを待つ、というか。こういうブログの文章でも、なるべくしっかりと精確に書いた方がいいようだ。書くことによって満ちて来るのを待っている期間は。

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