夢
Posted at 10/07/29
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今日は朝から雨。降ったり止んだり。明け方は少し寒くて、夏掛けを普通の布団に替えた。蛍光灯をつけたまま寝てしまって、途中で一度起きて蛍光灯を消し、寒いからまた起きてパジャマの上を着て、また起きて布団を替えた。何段階か寝る態勢を変えるということが、最近よくある。寝るころは暑くても起きるころには寒いということがよくあるからだ。
寝起きに夢を見た。さっきそのことをモーニングページに書いていて気がついたのだけど、夢など見たのはかなり久しぶりだ。起きぬけの夢うつつの間に妄想じみたことを考えることはよくあることだけど、夢そのものを見ることはあまりなくなっていた。夢の中で私は小説か芝居の話をしていたのだけど、していた相手がはたちのころに付き合ってた人と、昨年亡くなった父だった。つまり二人とも今ではもう会えない人で、たぶん自分に対する影響力がかなり大きい人、ということになるんだと思う。
夢の中の彼女は、話をしているときに「前向き」という言葉に何かこだわっていて、「前向き」ねえ、というような言い方をしていた。前向き、というのは多分、ポジティブシンキング的な考え方とかストーリーの展開とかに何かクレームをつけていたのかなという気がする。もう夢の中のこと、あまりよくは覚えていない。起きた時に、印象に残ったことだけメモしておいたのだけど、つまり「前向き」という言葉に引っ掛かってるらしい、ということだけは分かった。
彼女は身体障害者の活動支援をしていたり、女性の権利の確立みたいなものに熱心な人だったから、つまり簡単に言えば正義感の強い人だったんだなあと今考えてみれば思う。私はそういうことを考えるとだんだん気分が暗くなってくる方だったし今でもたぶんそのあたりはあまり変わらないから、「大事にしていること」がかなり違ってたということなんだなあと思う。
「前向き」批判というのもそういう文脈なのかもしれないが、社会の不合理不公正は解消されるべきだという信念から見るとたぶんポジティブシンキングは利己的なものに見えるんだろうなと思う。
でもなんというか、確かに「前向き教」というか、「ポジティブシンキング病」というか、そういうものがあることも確かで、そういうものが強迫観念になるといわゆるカツマー的な感じになって来る。
前向きって悪いことではないと思うけど、同じ所にとどまってそこを深めて行くということも大事なわけで、とにかく前に進んでいきたいというどこか私の中にある焦りのようなものに対してそういう「前向き」批判を私の無意識がしたのかもしれないなという気もする。
夢の中の父は、「書かれていないものを見ていない。書かれているものしか見ていない」というようなことを言っていた。何ていうのかつづめて言えばつまり物事を表面的にしか見ていない、ということを言いたかったような気がする。書かれていないもの、描かれていないもの、目に見えるものだけでなく、目には映らないものを書かないといけない、というようなことを言っていたんじゃないかと。なんだか小林秀雄が似たようなことを言っていた気がしたのだけど、だんだん目が覚めてくるとよくわからなくなった来た。
昨日気付いたこと、つまり「死ぬのが怖い」ことを自覚することによって、世界がより鮮やかに見えること、その命の働きを感じられるようになること、というようなことと関係あるんじゃないかと思う。
洞察と描写と叙述、というようなことと多分関係があるわけで、自分がある世界についてイメージを持つときに、その世界はどういう世界なのか、ということを掘り下げてみて行く。その洞察をもっと深めて行くということが大事だということだろうか。洞察がなければ描写も叙述もないが、描写によってその者の姿が見えてきたり、叙述によって新たな洞察が生まれたりということは、小説を書いているときにはよくあることで、まあ結局その三位一体をいかに深め、いかに向上させるかということが自分にとって小説を書いて行くということなのかなと思う。
まあなんというか、あまり独りよがりに陥ってもいけないのでこの考えはこのくらいにしておこうかと思う。
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