自分を破滅させる何かにひかれる

Posted at 09/11/28 Comment(4)»

今朝も家で起きた。いろいろかたづけをしたら7時半になり、出かける準備をして朝食。食パン半分と牛乳、昨日食べかけたヨーグルト。だいたいそれくらいで十分なのだが、いつも食べ過ぎてしまう。車で出かけ、上京の荷物を職場に置いて山麓へ。8時45分着。父の容態は安定している。ずっとそばにいたが、時々ツイッターをしたり。しかし、やはり手持ちぶさたになってきた。長時間病院にいるときは仕事を少し持っていくべきだ。11時45分に出発。書店によってゼロサムの1月号を買う。今月号は『拝み屋横丁顛末記』がお休みなので、ほぼ『ランドリオール』のために買うようなもの。まあでももともとそのために買っていたのでいいのだけど。

職場に早めに着いて、空いている部屋で昼食。母が弁当を作ってくれたが少し量が多いので、半分だけ食べる。あとは夜に回そう。今のおなかの調子ではそれくらいでちょうどいいはずだ。

多読術 (ちくまプリマー新書)
松岡 正剛
筑摩書房

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松岡正剛『多読術』。なかなか読み進められない。ヘルマン・ヘッセ「デミアン」の紹介。私は未読なのだが。精神や意識や心のダークサイド。おそろしいものにひかれる、「魔笛が聞こえる」系譜のキーになる本、という紹介。「魔笛が聞こえる」という本を一冊といわれたら、私の場合最初に上がるのは竹宮恵子『風と木の詩』だな。全部読んだわけではないけど、最初に雑誌で読んだときにはすごく衝撃的だった。その他でいえば山岸涼子『日出処の天子』か。両方とも同性愛ものの、少女マンガ。同じ世代のマンガ家。自分のなかでタブー性の強いものに正面から取り組んだという感じが虚空から呼ぶ何かの力を感じさせるということだろうか。

「魔笛」というか、ハメルンの笛吹きの笛のように、自分を破滅させる何かに惹かれていくというのは人間にはあるんじゃないかと思う。それはある種の自己破壊願望なのだろうか。たとえば革命家の伝記などを読んでいても、そういうものに近いものを感じることがある。社会主義とかそういうものを否定して、そういうものはだめだ、と自分で決めてみると、そういうどこからか聞こえる「魔笛」を否定した安心感を感じる。ただ、自分を何かに投げ出したいという出所のわからない願望が自分の中にあることは確かなので、否定しても否定してもそういうものはでてくるのではないかと思う。願わくば世のため人のために役立つものに投げ出したいものなのだが、なかなかそれは「魔笛」ほどの魅力がない。

他の例で言えば、そうだな、ブロンテ『嵐が丘』もそんな本だな。いやまさに荒野に呼ばわる声なんだが。あの本はかなり衝撃だった。胸の窓が嵐に向かってすべて開いたような、そんな感じを持った。

ここに立っている自分の、その地面を疑わせるような、揺るがすような本。確かにそういうものにひかれる自分がいる。

"自分を破滅させる何かにひかれる"へのコメント

CommentData » Posted by egtagyck at 09/11/29

こんにちは。twitterでお世話になっていますegtagyckです。
竹宮恵子『風と木の詩』、山岸涼子『日出処の天子』…思わず飛び上がりそうになりました。かなり同じ世代というか、同じ趣向だったのでしょうか??
私がそういった思考(自分を破滅させる何かに惹かれていく)を強くもったのは三原順の「はみだしっ子」です。父が死んだ後、彼がマンガを異様に嫌っていたので本棚ごと捨てたんですが、三原順の「はみだしっ子」だけは大人になってから買いなおしました。
あれはマンガの中では私のバイブルです。

CommentData » Posted by kous37 at 09/11/30

『はみだしっ子』、好きな方いらっしゃいますね。私の友人にもいました。私はリアルタイムで読んでないのでよくわからないのですが、やはり彼女もバイブルのように読んでいたといってました。

私もバイブルのように読んでいたマンガはいくつかありますが、高校と大学の間に断絶があって、大学に入る頃は高野文子、諸星大二郎、近藤ようこ、伊藤重雄、山田章博といったあたりの80年代ニューウェーブ漫画家がバイブル化してました。

高校までは、少女マンガなら河あきら『いらかの波』とかが好きだったんですよ。(笑)あ、萩尾望都『11人いる!』『続11人いる!』だけは中学時代からバイブルでしたね。(笑)

CommentData » Posted by egtagyck at 09/11/30

萩尾望都「ポーの一族」もいいですよね。
高野文子、諸星大二郎、近藤ようこ、伊藤重雄、山田章博…この中では高野文子しか知らないです、ショック!!
河あきら『いらかの波』は記憶にあるんですが、どんな内容か忘れてしまった…。これから検索します!

CommentData » Posted by kous37 at 09/12/01

>高野文子、諸星大二郎、近藤ようこ、伊藤重雄、山田章博…この中では高野文子しか知らないです、ショック!!

すいません、どちらかというとマイナーな系統の人たちなので、知らなくてもおかしくないと思いますよ。

マンガをバイブルのように読む時期って、やっぱりありますね。といいつつ今も『ピアノの森』がバイブルみたいなものですが。(笑)

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