『日曜美術館』に横尾忠則/創作のアイディアが出るとき
Posted at 09/10/11
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今日は例によって調子の出ない日曜日。昼間、靴を修理しようと思って地元のミスターミニットに持っていったのだが、結局メーカーに出さないとだめだろう、といわれてすごすご帰ってきた。結局もう寿命なのかもしれない。私としては大事に履いていたけどもう三年ぐらいは履いているかもしれないし。その間に、銀座のハッシュパピーもなくなってしまった。修理にもっていくとしたら、帝国ホテルの中の店。なんだか仰々しいなあ。普段の手入れはやっぱりあまり行き届いてないし、持って行くのが恥ずかしい。
朝、テレビをつけていたら、偶然『日曜美術館』が横尾忠則の回で、とてもよかった。横尾さんは実物を見たことないし、テレビで見るのも多分初めてなのだけど、思ったよりも感じのいい人だった。いろいろ書いたものは読んでいるのだけど、面白いなあと思う部分とちょっと嫌だなあと思う部分と両方あって、ストレートには好きだといえない人。でもそういう人のほうが自分にとって影響力のある人といえるのかもしれない。
「意識と無意識はあまり違わないんじゃないか」とか、「めだかはいつも命がけで楽しく泳いでいる。めだかのように生きている人に、今まで会ったことがない」とか、面白い。「毎瞬死のことを考えている」とか、まあ引用した言葉は全部記憶でだいぶ違っていると思うけど、そんなふうに私は横尾の言葉をとらえていて、どれも面白いなあと思った。
カンサンジュとNHKの局アナの司会、普段はイヤなんだけど、今回はきっと面白い、というか横尾の言葉についていけないだろうなと思ったのだけど、案の定そうだった。横尾さんが気を使っていろいろ彼らに合わせていたのがちょっと面白かった。横尾さんて気を使う人なんだよな。それは本を読んでいても感じたことだけど、そのことがまた彼の方に反射してどんな反応が起こるかということが問題だったりする。でもきっと長生きして、ずっと描き続けるんだろうなと思う。今73歳だそうだけど、90歳くらいまでは現役でやるんじゃないかなと思う。今後の展開が楽しみになってくる。
***
食事は減食しているし、友達にも会えないし、本は読む気がしないし、マンガも新しいのがないし、なんだか気分を好転させるきっかけがつかめなくて、夕方ふらっと散歩に出たのだけど、団地の中を歩いていて建物の隙間から見える夕やけの中に一本の樹がシルエットになってたっているのを見て感動した。『夕暮れの団地の樹』ってフレーズを思いついた。小説とか、エッセイ集の題名に使えそうな言葉。このことばからイメージがわいてくるな、と思った。
それでふと思ったのだけど、創作というのは何もやることがない、八方塞がりのときの方がアイディアを思いつくものだよなということ。何も楽しみがないとき、何もきっかけがないとき、それでも何ができるかというと、ものをつくることなんだなと思う。そういう何も出来ないときに何をやるのか、あるいは、何もできないときだからこそ何をやるのか、ということがその人間の本質的なことを現わしているんじゃないかと思う。何も出来ないとき、スポーツの選手だったら練習をするだろう。料理人だったら料理に打ち込む。何もやれないときに、役者だったら発声練習でも、やる当てのない台本を読んで見るでも、してみるだろう。私は、とりあえず人に見せるでもない文字を書いてみるんだなと思う。言葉として本当に自分だけが納得できればいいという言葉を、書いてみるんだなと思う。
こうしてブログで書いたり、モーニングページで書いたり(これは人には見せないが)するのと、創作はどこが違うかというと、ブログやモーニングページは基本的には吐き出し系の行為なのだ。自分の中に在るものを吐き出していくことで、次に何かが入って来ることが出来る。いわば呼吸のようなものなのだろう。だから、書かないと気持ち悪くなってくる。いわないと気持ちわるいからいう、というようなものだから、正直言って完成度はあまり考えてない。もちろん一応読んで読む人が理解は出来る程度には書くけれども、完成度についてはあまり考えていない。でも創作と言うのはそういう生理的なものというよりは、生きている証みたいなものというか、あるいは生きていることそのもののようなもの、なんだと思う。八方塞がりのときに創作のアイディアが出てくるというのは、なんか自分という人間を生きのびさせるための、生命の戦略なのかもしれないと思う。生きている意味が出てくれば、自分という人間をかろうじて生きのびさせることが出来る。そういう意味で、創作というのはそういうぎりぎりの生と死の境目みたいなところでやることなんだなと思った。横尾忠則が死のことをいつも考えているというのは、そういうことなのかもしれないなと思った。
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