言葉を使っていくこと/親しくしたい者に敵視され、敵視する者に慕われる
Posted at 09/04/23
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昨日はなんだか疲れた。最近懸案だったことをとりあえず片付けたので、そういう意味でちょっと気が抜けたのかもしれない。この話が動くのは連休後になりそうなので、いろいろ考えていても仕方のない感じだ。さてさて。
今朝は疲れていたせいか、5時半に目が覚めていたのに実際に起きたのは6時半になった。それからモーニングページを書いて、車で出かけてファミマで『モーニング』を買い、職場の不燃物を処理して家に戻って父に愉気。仕事の話をなんとなくしているうちに新しい仕事のアイディアが沸き、朝食後急いで職場に出て下準備。帰って来て『モーニング』を熟読した。
昨日から深層心理学のことについて考えていた。無意識とか深層心理のことについては以前から興味があったが、実際にフロイトやユングについて勉強したいとはあまり思ったことがない。まあ普通にものを読んでいれば昨日も書いたがトラウマだのコンプレックスだのという用語や、初歩的な一般的な常識的な知識は聞きかじりはするけれども、本格的に取り組んでみたいという気にはならなかった。というのはつまり、アプローチの仕方が気にいらないというか、私が好きでない感じのものだったからだ。私は心というものを多分とても大事に思っていて、だから気に入らない方法でそれに迫るというのいやだったのだと思う。根本的に、西欧的なすべてを言語化して理論化していく方法では、心が結局縛られていくだけで、心を殺してしまうことに通じるのではないかという思いがあったからだ。それで、言語に頼る方法によって心のことを知るのを避けていたということなのだと思う。
しかし今朝ゴミを捨てながら思ったのだが、考えてみれば言葉が心に迫る方法というのは何も西欧的な理論化の方法だけではない。自分なりのアプローチができるはずだ。たとえば言葉とは月を指す指のようなものだという喩えがあるけれども、真実というものは結局人間が到達できるようなものではないにしても、そう言った形で言葉を造形することは可能で、そう言ったアプローチで多くのアジアの人々は言葉を作ってきたわけだ。
今まで自分はイメージや身体によって心に近づく方に気持ちが傾いていたけれども、考えてみれば自分は書くことが最も自分にとってのこれという表現手段であるわけだし、また仕事でも言葉によって相手の人間性を把握していかなければならない場面が多いわけで、もっと言葉を使っていかなければならないし使えるはずだと思った。
そう考えてみると、実は自分は今まで言葉によって罰せられていたのではないかという思いが湧いてきた。なぜかずっと自分は言葉を思うように使えないという感じがあったのだけど、それは罰せられていたからだと思ったのだ。それがようやく言葉によって赦された気がした。もっと言葉を使っていかなければならない。もっと言葉の可能性を見直さなければいけない。
言葉に賭けること。
***
『モーニング』。連休進行のため、次週は休刊。次号は5月7日発売。今週号も充実している。弘兼憲史『社長島耕作』。ロシア編。ミハエルが急に消えた。今後の展開が期待される。よしながふみ「きのう何食べた?」。こういう何気ない大人(ちょっとステロタイプからは外れるけど普通にいる人たち)の日常を描いたマンガが最近多い。つつましく暮らしながら周囲の人間の事情の変化によって影響される主人公。自分の身に置き換えてみるわけでもないけどふうんと思うことが多い。
ツジトモ「GIANT KILLING」。このマンガサッカーの実況中継みたいなんだけど毎週読んでて楽しいな。秋月りす「OL進化論」。このクオリティを930週続けて来たというのはすごい。「35歳で独身で」のシリーズが単行本になっているのをこないだ日本橋の丸善で見たが、まあ洒落にならん話が多いけど思わず頷いてしまいそう。小山宙哉「宇宙兄弟」。2026年、日本人初の月面着陸。17年後か。なんかあまり近未来っぽくない。
すぎむらしんいち「ディアスポリス」。絵があまり趣味に合わないので今まであまりまともに読んでなかったが、この号はわりといい。大橋ツヨシ「エレキング」。相変わらず(笑)。東村アキコ「ひまわりっ」。アキコとケンイチの関係に急にフォーカスが当たってきて、途中から読み始めたものとしては頭がぐるんぐるんするが、相変わらずトバシテル感満点。山田紗也夏「シマシマ」。青年から大人になる過程という感じだが、それにしちゃ無理をしてるなと思う。
田島隆「特上カバチ!!」派遣社員編に続いてゼロゼロ物件編。雰囲気が似てるので差をつけるのに苦労している感あり。惣領冬実「チェーザレ」。チェーザレ・ボルジアを主人公にしたルネサンスもの、らしい。なんか途中から連載が復活するマンガが実に多いなモーニングは。ユダヤやマラーノ(カトリックに改宗したユダヤ教徒。実際にはまだキリスト教に馴染めず、隠れユダヤ教徒のような状態のものが多かったようだ)とチェーザレの関係など、いろいろ調べて描いてあるようだ。しかしまだちょっと思いいれ出来ないな。
オキモト・シュウ「神の雫」。シャブリのロマネコンティといわれるドメーヌ・ロン・ドパキの「ムトンヌ」。シャブリは「レモンハート」でもよく取り上げられていたので固有名詞は少し知っていたが、古くは海底の土壌で作られたワインだという話はへえっと思った。三田紀房「エンゼルバンク」。自分の会社が倒産しそうかどうかの見分け方。けっこう興味のある人もいるのでは。
こしのりょう「N’sあおい」。メディアスクラムによる医療現場の負のスパイラル。サライネス「誰も寝てはならぬ」ヤーマダ君主人公の野球バナ。(笑)って感じ。なかいま「「ライスショルダー」。めでたしめでたしと新しい展開。池田邦彦「カレチ」。相変わらずいい話を書くなあ。鉄道が好きなんだなあと思う。
山田芳裕「へうげもの」。新展開になって今までの話との接続があまりなくてどうなってたんだろうという話がいくつかあったのだが、ついに朝鮮に登り窯を見に行く話に展開しそうになってきた。また秀吉に新たに男児誕生。秀頼だろう。その中で織田有楽斎とは親交が続いているが細川忠興や蒲生氏郷は織部を敵視しているという話が出てきて、やはりそうかと納得する。上田宗箇は織部の弟子になったが、そのへんのいきさつも出てくるとよいのだが。まだ出てきてないのが小堀遠州。どう展開するか。石田三成の兄の正澄、という人物が出てきたが、そういう人がいたということすら知らなかったけれども、彼を媒介として利休を処刑させた三成が織部を高く評価していることを知り、織部が「親しうなりたき者に敵視され敵視する者に慕われるとは…」と述懐するが、利休から譲られた花入れを見て相好を崩す。既存のものを越えた最上位の器を、草庵の茶専用のものをつくりたいと述べ、「私にはより面白き器こそ最上の物。格式や箔なぞ取っ払うた…一見のみで腹よじれる器が欲しいのだ」と宣言する。利休死後の織部の方向性がより明確化されていく。
今回は語るだけのものがある作品が多かった。一色まこと「ピアノの森」が休載だが、目次締め切りの時点では載せられると判断したらしく、そのことが正直に書かれていてへえっと思った。まあ作者急病のため、とかくのが常套手段ではあるけどそんなもの、どうせ間に合わなかったんだろうなとしか思わないわけで、正直に言ってくれた方が好感が持てるなと思う。よく見てみたら「カレチ」が目次に出ていないから、これは急遽差し込まれたということなんだろう。予備が合ったのか、急いで描いたのか。あまり急いで描いた感がないから、多分予備としてあったのだろう。それにしても20ページの好短篇。こんなものを緊急に突っ込めるというのはさすが『モーニング』だと思う。
気分転換に山の中腹の公園まで車を走らせる。その駐車場の近くに咲いていたスイセン。

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