ひどいことが書いてある古典/外国語の反射神経/ル・クレジオがノーベル文学賞受賞

Posted at 08/10/10

昨日。昼前から松本のほうに出かけ、仕事。これはかなり充実し、満足感があった。帰ってきて別の仕事、夜まで。純粋に仕事というわけではないが、いろいろごたごたあった。面倒なことが多くて困るのだが、一つ一ついろいろなことがある。

今日は久しぶりに早く起きられて、散歩がてら職場のゴミを捨てたりビックコミックを買って帰ったりする。ビックコミックのこの号もまた充実していた。水曜日に買ったスーパージャンプはどの作品もよかったし、10月前半はマンガの当たり月。

10時過ぎに歯医者に行き、その帰りに図書館で本を返却。代りにまた二冊借りる。『人国記・新人国記』(岩波文庫、1987)と唯川恵『ロンリー・コンプレックス』(集英社文庫、1998)。また変な取り合わせだ。

人国記・新人国記 (岩波文庫)
浅野 建二
岩波書店

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『人国記』は昔の国ごとの地勢・風俗・人情について書いている。五畿七道の順に山城国から西海道の壱岐・対馬まで。それぞれけっこうひどいことも書いてあって可笑しいが、今ではこんなもの出せないだろう。「信濃国」は「信濃の国の風俗は、武士の風俗天下一なり。尤も百姓・町人の風儀もその律儀なること、伊賀・伊勢・志摩の風俗に五畿内を添へたるよりは猶も上なり。…」とあって手放しに誉めているが、「丹後国」に至っては「丹後の国の風俗、上下・男女ともに千人・万人の内に過ぎて一人も好き人稀なり。…」と滅茶苦茶である。司馬江漢はこのことからこの本の作者は信濃の国の人ではないか、と推定しているが、そうかもしれない。まだ思いついたところを読んでいるだけだが。名前は聞いたことがないでもなかったが、こんな本だったんだなあと思いながら読んでいる。

ロンリー・コンプレックス―私が私であるために (集英社文庫)
唯川 恵
集英社

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唯川恵『ロンリー・コンプレックス』。20代、30代の女性向の、生き方エッセイ、というようなものか。非常にわかりやすい、読みやすい筆致で感心する。直木賞を取った人なのか。初めて読んだのだが。

20代後半まで地方の短大を出て銀行に勤めるOLをし、自分の目標を持って会社をやめる人、とりあえず会社を辞めた人、そしてやめずに仕事を続ける人、の三人の例を出して自分の進路の選択について考え続けたことが書かれていて、なるほどなあと思う。そして、自分の好きなことが書くことであることを発見し、とにかく書きつづけることで道を開いた。その考え方や思考法、またその描写の仕方は誰でも納得しやすいように書いている。熱中できるものを見つけられた幸せというものもよく描写されている。

少し読んで、フランス語と英語を少しずつ。リスニングが弱いので両方とも今日はリスニングを中心にやった。自分が思っているのと違う発音があったり、知っているつもりだったけど知らなかった単語がかなりあったりして、勉強になる。フランス語は10数年前に買ったテキスト、英語は今年か昨年買ったもの。いずれも反射神経が要求されるもので、いいかもしれないと思う。言葉というのは、結局反射神経だよな、と思う。というといいすぎかもしれないが、神経的な反射を必要とする程度の負荷をつけて勉強することが大事なんだなと実感的に思った。アテネフランセに通っていたころのことを思い出した。

今年のノーベル文学賞はル・クレジオが受賞。このブログの過去ログにもル・クレジオの『アフリカのひと』の感想がある。イメージを重ねていく人、という印象があるが、日本の文芸誌でもときおり特集されていたりして、邦訳もそれなりにある。今この人が受賞するのか、というのはなんとなく不思議な感じ。

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