性の業/新総裁は大久保利通五世の孫

Posted at 08/09/23

今日は秋分の日。朝はよく晴れていたが、7時半を過ぎて少し曇り気味。天気予報では秋晴れの予報だった。昨日は午前中は雨、午後は曇りで気温が上がらず、暑さ寒さも彼岸までという古言の通りになった。今日はかなり気温は上がる予報だが、どうだろうか。

ラ・ロシュフーコー公爵傳説 (集英社文庫)
堀田 善衛
集英社

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堀田善衛『ラ・ロシュフーコー公爵傳説』、現在180/553ページ。昨夜2時過ぎまで読んだ。時代的には『ミシェル 城館の人』に描かれたヴァロワ朝末期、16世紀末の話の続き、というところに来ていて、アンリ4世からルイ13世時代の初め、ブルボン朝初期の時代、17世紀初頭のあたりを読んでいる。主人公であるフランソワ6世・ラ・ロシュフーコーは1613年生まれなので、ようやく主人公の誕生のところまで来たということだ。そこまで180ページを要しているが、全く飽きさせない。しかし、『ミシェル』に比べると読みやすすぎる、つまり専門的なことがあまり出てきていないのがやや食い足りない感じはする。あまりこの時代に詳しくない人にとってはその方が読みやすいだろうと思うけれども。

今まで読んできた中で印象に残っていることは二つ。アンリ4世の妃だったマルグリット・ド・ヴァロワは晩年、幼いルイ13世を可愛がっていた、という話。アンリ4世の後妻であるマリー・ド・メディシスは自分の子供のルイ13世をあまり可愛がらなかったそうで、実の子でないマルグリットにルイ13世は懐いたのだという。マルグリットという女性は『鸚鵡籠中記』(いわゆる元禄御畳奉行の日記)に出てくる尾張徳川家4代藩主・吉通の生母・本寿院と並んで奔放すぎる遍歴で女性の性的な業の権化のようなイメージがあったのだが、晩年に至ってそれが母性本能に昇華した部分もあったのだろうと感じられ、少しほっとする感じがあった。

もう一つは官職売買について。この制度については自分のイメージではかなり昔から始まっていたという印象があったのだが、アンリ4世が1604年に制定したポーレット法で官職の世襲や売買が可能になったことが大きい、ということを再認識した。堀田は本来産業につぎ込まれるべき資金が無用な官職につぎ込まれるようになったことのマイナス面を指摘しているが、このあたりはブルジョアの地位向上において大きな意味があるし一概にそうとばかりはいえないと思うのだが、帯剣貴族の没落と絶対王政の確立においてこの制度が大きな役割を果たしたという構図が見えてきたように思った。

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朝起きて、ゴミを捨てに行くついでにコンビニで新聞を買ってきた。麻生新総裁が誕生して自分なりに盛り上がっているらしい。どれを買うか迷ったが結局朝日新聞を買った。以前は朝日新聞の偏向ぶりにいらいらして新聞を読まなくなったのだが、最近はネットとテレビの情報だけではやはり偏りを感じる。新聞を読むと情報が皮膚からしみこんでくるような感じがするのは、そういう情報にやはり渇いていたのだろうと言う気がした。

昨日は吉田茂生誕103年目だと麻生は就任演説で述べたが、戦後の礎を築いた祖父に触れたのは自分の歴史的な位置と使命を噛み締める気持ちの現われだろう。べらんめえではあるが、こういうところにこの人の政治家としてのすれてない良さを感じさせる。逆にそこが政治的には弱点で今まで何度も足をすくわれてきているけれども、今回ばかりは自民党にそういう余裕がないんだろう。麻生は吉田の孫、牧野伸顕の曾孫、大久保利通から数えて五代目にあたる。明治維新以来の保守本流がついに政権の座に着いたわけだ。細川護煕のときは何しろ藤原道長の子孫だったが、麻生はある意味近代日本の総決算みたいな位置に今いることになる。

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このところインターネットエクスプローラーがIE7をインストールしろとうるさいので、つい昨日インストールしてみた。IE6のときとかなり操作感覚が違うのでまだ慣れず、やりたいことをするのに時間がかかったりする。しかしタブというのは使いやすいなという気がした。自分のサイトのデザインもIE6で見ているときと少々違って見え、少しいじりたい気がしてくる。そのうち慣れることなんだろうが。

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