国立新美術館『モディリアーニ展』

Posted at 08/04/15

昨日。6時前に起床。ああ、この時間がいいんだ。起きているのにいい時間。この季節なら、5時から6時の間は、起きていないともったいない、美味な時間。静かで、さわやかで、気力がみなぎっていて。この時間に起きているために、他の時間を寝る必要があるなら、寝たほうがいいと思った。

10時の開館にあわせ、国立新美術館の『モディリアーニ展』を見に雨の中出かける。この展覧会は以前から楽しみにしていたが、期待にそぐわず素晴らしいものだった。モディリアーニがパリに出て最初に使っていたスケッチブックの表紙に描かれた道化師は若者らしい生き生きした表情をしているし、彫刻を志していた時期の苦闘の跡もしっかりとたどれる。この時期に自分のオリジナリティを見出し、1914年に彫刻を断念し油彩に転向した後もこの時期に形成された個性を深めていく方向にあるのがよくわかり、挫折を繰り返しながら個性を獲得していった一人の画家の誕生のドラマを強く感じることができた。

モディリアーニは夭逝の天才という印象が私には強かったのだけど、それよりも苦闘に苦闘を重ねる本当に芸術家らしい芸術家だったんだと思う。カリアティッド(神殿を支える円柱に彫られた女神像)の絵が充実している一方で、いわゆるモディリアーニ風の作品の数はやや少ない感じがしたが、モディリアーニに長年親しんできた人たちにとっては、こういう展示のほうが興味深いのではないかと思った。

モディリアーニを取り巻く人々の肖像画はいちいち印象に残るが、画商のズボロフスキ、挑戦的な顔立ちのマリー・ローランサン、パトロンのロジェ・デュティユールの肖像が特に印象に残った。特にデュティユールの肖像はまるで童話の挿絵のようだと思った。優しそうな小父さん。人柄を写し取るモディリアーニの技量が遺憾なく発揮されていると思う。

ミュージアムショップで図録と絵葉書数枚、カリアティッドのTシャツとシルクスクリーンの素描を購入。似顔絵を描いてもらったことは前述の通り。

帰ると疲れが出てなかなか仕事が手につかなかったが、幸い晴れてきたので夕刻胡椒を買うついでに日本橋に出る。アウエルバッハ『ミメーシス』が欲しいなと思い丸善日本橋店にいったら品切れだったので八重洲ブックセンターまで行って購入。今は文芸理論を学ばないといけない、と思っている。遡ればフランシス・ベーコンの『ヌーベル・オルガヌム』まで行かなければ行けないようだが(西脇順三郎が書いていた)、必要なのは読むための理論ではなく、書くための理論だ。『ミメーシス』は教文館で立ち読みした際、参考になるように思った。帰郷中になるべく読み進めたい。西脇の『詩学』もまだ未読了なのだが。

ミメーシス―ヨーロッパ文学における現実描写〈上〉 (ちくま学芸文庫)
エーリッヒ アウエルバッハ
筑摩書房

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by Luke Peterson

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