電飾/留置場で読んだ本
Posted at 07/12/02 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
昨日、昼食を取ろうと思って外出し、どこで食べるか、それとも何か買って帰るかと考えて、迷いながら本屋に入ったら、花輪和一『刑務所の前』第3集(小学館、2007)が出ていたので、ついでに川端康成『雪国』(新潮文庫、1947)と一緒に買った。
花輪の作品は、読むのにパワーがいる。川端もそうなのだが。昨日はどうもパワー不足であまりどちらも読めなかった。川端の方は、まだ「温泉宿」を読みかけということもあるが。
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今日は朝から自治会でマンションのクリスマス用の飾りつけ。それが2時過ぎまでかかり、そのあと忘年会。私は3時前に失礼して用事を済ませたのだが、どうも疲れが出てしまってなかなか手につかなかった。
夕方からようやく『刑務所の前』を読み出し、先ほど読了。ブレイクのきっかけになった『刑務所の中』が出版されたのが2000年。連載は98年から始まったようだが。『刑務所の前』はビックコミックオリジナルの増刊号に掲載で、2001~2005の連載。単行本化したのが第一集が2002年の暮だったから、5年目にしてようやく完結だ。『刑務所の中』は基本的にリアリズムだが、『刑務所の前』はどうしようもなく錆びて穴だらけになった拳銃の修復作業と、中世の鉄砲鍛冶の娘の物語、それにところどころ刑務所や拘置所の話、関係ないエッセイ的な部分などが入り込む複合的な物語だ。花輪の作品は基本的にえぐいのだけど、刑務所を出た後の作品はそのえぐみが違う方向に出ていて、すらっと読めるが毒はもっと強い、という感じのするところもある。
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一番笑ったのは警察署の留置場での話だ。こういう話が非常に克明に書かれているのでもういながらにして留置場や拘置所や刑務所に入ったぐらいの知識が得られるのだが(あまり役に立てたくない知識だ)、縁のない人間にはその違いは全然分からないけど、これがまた全然違うのがおかしい。留置所は逮捕前後の警察の捜査中、拘置所は送検後判決前の検察の捜査中と裁判中、刑務所は判決後、ということなんだと思う。それぞれ被疑者、被告、受刑者と立場が違うので、扱いも全然違うのだ。いや、娑婆と比べれば似たようなものだとはいえるが。留置場では戸棚に本があってそれを借りて房の中で読むことが出来る。
「「52人殺した男」という本を読んだ。ロシアで、チカチーロという男の大量殺人事件の実話。/こういうところで読むと恐怖もひとしおだな。」
これには思わず噴き出した。ブラックユーモアと言うか、そんなところでそんなものを読む花輪も花輪だが、そんなものが置いてある留置場って…って思わない?
夜になって、昼間に見たときにはあまり目立たなかった電飾がだいぶきれいに見えるようになって来た。

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