東京大学の英断/『ステージガールズ』単行本ついに発売!

Posted at 07/11/10

東京大学が、家庭年収400万円未満の学生の授業料を一律免除するという。これは私のような地方出身の収入の多くない家庭の出身者にとっては、久々に快哉を叫びたいニュースだ。独立法人化が進み、国立大学間の格差が生まれる中で、東大は比較的順調に産学提携や寄付金集めが進んでいるということだろう。国立大学の中で東大はおそらく飛びぬけて恵まれた財政状況にあることは確かだろうが、もちろん学生集めの目的が第一であるにしても、教育の機会均等にストレートに取り組もうとする姿勢は高く評価できると思う。私は大学在学中、半期だけ授業料免除を受けた(奨学金は4年間貰った)けれども、こういう収入基準の免除制度があれば、進学以前に強いモチベーションが生まれる学生も多いのではないかと思う。特に格差化が進行し、家庭の経済状況が厳しい層は想像以上に多いと思う。つい近年になって急激に悪化した、という場合もありえるだろうし、そうした場合、進学をあきらめざるを得ないケースも実際にかなりあるのではないかと思う。そうした進学希望者に、このニュースは強い希望を抱かせるものだと思う。また、少々点数が足りない生徒であっても、東大を目指すモチベーションが生まれるのではないか。東大の英断を高く評価したいと思う。

昨日。午後から夜にかけて仕事。前日ほどは忙しくなかった。最終の特急で上京。車内販売で買ったトンカツ弁当が旨かった。特急は20分ほど延着。この列車、定時で到着する確率は一体どのくらいなのだろう。地元の駅に着いたら雨が降っていた。折り畳み傘で帰ったが、少々濡れた。夜は1時過ぎまでぐだぐだしていた。4時ごろ一度目が覚めたが二度寝し、起床7時。睡眠時間は長くなったが、目覚めはいまいちだった。

雨。モーニングページを書き、雨の中散歩に出る。稲荷神社、波除地蔵、六地蔵。東京大空襲時に焼失し、戦後再建されたという。志演尊空神社。こちらはもともとは二つの神社で、それぞれ前身は稲荷社だったようだ。両者とも空襲で焼失し、後に合祀されて現在地にあるらしい。空襲がどれだけ苛烈だったのか、胸の痛む思いがする。

友人から電話がかかってきて長電話。少々元気が出た。外出し、地元の喫茶店で昼食、トマトソースのリゾット。丸善丸の内店に出て、昔読んだ絵本を探してみるが、どうもみつからない。マンガを見ていたら、待望のガンボコミックスの新刊、日高トモキチ『トーキョー博物誌』1巻と黒岩よしひろ・上野毛あさみ『ステージガールズ』1巻があった。発売予定は13日だったはずだが、さすが丸善。嬉々として購入。

トーキョー博物誌 1―日高トモキチの やすらぎの動植物観察ナビ (1) (ガンボコミックス)
日高 トモキチ
デジマ

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Stage Girls (1) (ガンボコミックス)
黒岩 よしひろ,上野毛 あさみ
デジマ

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原稿用紙を見るが、どうも丸の内本店は品揃えが悪い。日本橋店に行くことにする。東京駅の北口通路を通って八重洲側に出ると、大丸が新しいビルに入っていてびっくり。古い大丸のビルは取り壊すんだな、多分。八重洲ブックセンターを少しのぞき、丸善日本橋店へ。絵本の品揃え、というか展示もこちらの方が好感が持てる。買わなかったけど。地下で原稿用紙とカードを買う。プレッセで夕食の買い物をしようとするが何か食べたいと思うものがない。無理に食べることもないかと思い食べたい感じがする果物をいくつか買う。梨、みかん、バナナ。それにヨーグルトとチョコレート、牛乳。買い物をしているうちに楽しくなってきた。食欲がないけれども、これらのものを見ていると食欲が湧く。人間、果物だけ食べて生きていければいいのになと思う。コウモリじゃないんだから無理なんだろうけど。

上島珈琲店に入ろうとしたら禁煙席は満席。メゾンカイザーでホットチョコレートを飲みながら二冊をぱらぱら読む。ちょっと休憩して帰宅。

帰ってから本腰を入れて二冊読む。かなりじっくり時間をかけて読んだ。面白い。二冊とも近年まれに見る収穫。

『ステージガールズ』。ガンボではとびとびにしか読めなかったので初めて初期のストーリーが分かった。主人公は「ステージガールズ」のカメ、シゲの二人の少女芸人なのだが、私が初めて読んだ回がシゲ中心だったためにずっとシゲが中心の話だと思っていたのだけど、はじめの方は圧倒的にカメが中心で驚いた。カメのぶっ飛んだ天然キャラが最近の号ではあまり出ていないので大人しいキャラだと勘違いしていた。最初から読んでたら全然印象が違っただろうなと思う。

漫才の主役はボケだと思われがちだが、ボケの爆発力も重要だけどツッコミの「引き出しの多さ」もまた重要だという指摘は目からウロコ。話を広げていくのはボケの役目だと思っていたが、ツッコミの受け方によって展開は全然広がってくんだよなあと思う。原作者、あるいは編集者が相当芸に詳しいということがよくわかる。また日本の舞台芸の現状に対するかなりシビアな批判もある。どうも編集者が芸人経験者のようだし、そのあたりから着想されているんだと思うのだが、そういう意味でも非常に面白い。キャラクターも魅力的だし、絵も始めてみた頃はどうかと思ったが、実はサル筋では相当有名な人らしく、単行本でまとめて読んで見ると実は相当安定した画力を持っていることが分かった。出色。この作品はぜひブレイクして欲しいな。

『トーキョー博物誌』。読んでいると石神井公園に出かけたくなる。「電線に止まっている鳥を見た森昌子は悩んだ末に何と言ったでしょう。」「えっとぉー、つばめ?」

・・・

個人的にはツボにはまるギャグが満載。身近な動物たちの薀蓄が満載で、読んでて飽きないし、絵も文章も巧い。とても好きな作品。

両作品とも、最近には見ない上質の面白さを持っている。商業誌でない(コミックガンボは無料コミック雑誌)から、返ってチャレンジングなことが出来るのかもしれない。最近強くその可能性を感じる。

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by Luke Peterson

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