『フランス妖精民話集』:呪いのスペクタクル
Posted at 07/05/17
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『フランス妖精民話集』を読みつづけている。この本は面白い。並行して『イタリア民話集』と『フランス幻想民話集』も読んでいるが、王さまや王女さま、魔法使いや魔女など昔話のアイテムがちゃんと登場してくることと、どの話もまずまずハッピーエンドであることが、読んでいて嫌な気持ちにならず読み進めることができるポイントなのだと思う。
この本は27の民話を「変身譚」「愛」「嫉妬」「試練」「不思議な動物」「妖精」「プシュケ神話」の7つのカテゴリに分けて収録してある。今は「試練」の二つ目、「王女マリ」まで読了した。最近読んだものについて簡単な感想及びコメントを。
「愛」の三つ目、「真珠の涙」。これは以前も書いたが、「主を称える頌歌」を完成させるまで、ヒースの野原で真夜中から夜明けまで踊り歌うように呪われた小人たちを助けるため、幾夜にも渡って少女が歌の文句を付け加えてあげる、という設定が幻想的で素敵だと思う。呪いをかけられる、ということのロマンチシズム。その呪いが、美しいもの、素晴らしいものを作り上げることによって解けるというのは、なんて素晴らしい設定なんだろうと思う。
以下は「嫉妬」のカテゴリ。
「マウリチェッラと三つのりんご」。美しく心もきれいな娘と醜い娘、そしてその母(美しい娘には継母)、という設定の話。この設定は多い。どの話でも、醜い娘の母の策謀を打ち破って美しい娘が幸せになる、というパターン。そのための小道具が、この話ではりんごになっていて、りんごが変身した雄鶏に美しい娘は救われる。白雪姫でもそうだが、りんごというのは魔法のくだものであるらしい。そして民話の味わいも、甘酸っぱいりんごにふさわしい感じがする。
「手のない少女」。これは設定としてかなり残酷な話だが、こどもを思う気持ちが神に通じて失った手が蘇るという奇蹟が起こる。娘を探しに来た若者が子供に出会い、腕を取り戻した娘と再会するお話が読んでいて嬉しい。失ったものを取り戻すことの喜びが主題といえるかもしれない。
「青い鳥」。これも美しい娘と醜い娘とその母、というパタン。美しい娘は継母の度重なるしうちにもそのつど幸せをつかみなおすが、最後には青い鳥にされてしまう。しかし青い鳥が幾夜も館を訪れて真実を告げ、人間に戻って幸せをつかむ。美しい娘が頭に留め針を打たれて青い鳥にされてしまうという設定が美しい。こうしていくつも並べて読んでみると、さまざまな呪いのかけられ方が目くるめくスペクタクルに思われてくる。
「試練」のカテゴリに関してはまたまとめて書きたい。
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