「気」を「形」にする人
Posted at 07/05/14
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友人が貸してくれたので表博耀のDVDを見た。伝統的な日本の芸能や工芸を守りまた独創的に発展させていくという活動をやっている人。十二単の着付けが出来るというのはすごい。個人的には木を曲げて作った行灯がとても好きだが、表現の幅がたいそう広く、こういう人だと一口に説明できない。猿之助とか、岡本太郎とか、そういうものと近いかもしれない。
目に見えない「気」を「形」にする人、という印象。このへん多分モーツァルトとかも同じだったんじゃないかという気がする。自然の中にあり常に変化しつつ同じでもあり続ける「気」を具体的な形にすることが彼らの芸術なんだと思う。それを感じ取れる通路をいつも磨いている、掃除しているという感じ。滝行などの目的はその辺のところだろう。勾玉をエネルギーが動いている形だといっていたが、その辺は岡本太郎だ。美しくされて悲しくなる人はいない、美は喜びの原点だ、という言葉はとてもよくわかる。茶は間を学ぶためのもの、という表現もなるほどなあと思った。
人を動かす力を持った人だと思うが、そのための手段は「美」なのだ、というところに徹底してすべてを追求しているところがいい。
日本の美はどちらかというと魂を鎮める、その場の幸福を演出する「たましずめ」的なものと思われがちだが、彼のやっていることは魂を振るわせる、奮い立たせて強い喜びを感じさせる「たまふり」的なものだ。そこのところが多分理解されにくいところなのだと思う。能も歌舞伎も本来そういうものだったのだなと彼のステージを見ていると思う。それがいつの間にか「様式美」になって行ってしまう。岡本太郎的な縄文的荒々しさのようなものを伝統文化的な世界でやるとこうなるのかなあ、というふうに思った。
わびさび的な徹底的な削り方は本来一つのかぶき方だったのではないかと思うのだが、それが「枯れる」方向に変化してしまう要因は日本社会そのものの中にもあるのだろう。静の中の動、動の中の静というのは本来一つの理想ではあるが、動を持たない静、静を持たない動に普通に陥ってしまう。そういう現況を打破するために現れてきた人なのではないか。
この人は私と同じ年だが義務教育しか受けていない。自分の求めるものがそれだけ小さい頃からはっきりしていたのだろう。そういうところは全く見習わなければならない。
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