レールモントフとか谷崎潤一郎とか/ポスト小泉

Posted at 06/03/28

昨日はなるべくのんびりしようと思うのだが、まだいろいろな緊張感が残っていてちゃんとのんびりするには程遠い。いっそ遠くに出かければいいのだが、リゾートに出かけるほどの時間も資金もないので疲れるだけに終わりそうだ。午前中は郵便小包の配達を待ったり置き薬の訪問を待ったり。モーツァルトを聞きながら『ロシア史』など読むが、どうも燃焼が悪い。ずっと前に買ってあったヴィヴィアン・リーの『アンナ・カレニナ』を見始める。「幸福な家庭はみな似ているが、不幸な家庭はみな似ていない」という言葉は有名だが、トルストイのこの小説の冒頭のことばだとは認識していなかった。しかしこのDVDもなんとなく途中で見るのをやめる。

昼食後銀座に出かけることにする。日本橋で降りて、丸善に歩く。なんとなく本を探し、レールモントフ『現代の英雄』(岩波文庫)を買う。レールモントフはプーシキンより14歳若いが、10歳若く27歳で死んでいるので(二人とも決闘死だ)生涯で重ならないのは4年しかない。プーシキンの影響がかなり濃いなと思う一方、散文的な広がりがあってメリメを思い出す。コーカサスのチェルケス人やオセット人が出てくるところは『エルズルム紀行』を思い出す。

さらになんとなく歩き、銀座へ。教文館で本を物色。ウォルター・スコットかトルストイのいい訳を読みたいと思ったのだが、思ったものを見つけられず。4回にカフェが新装オープンしていたのでコーヒーを飲みに。銀座通りが見下ろせる席はそれなりに気分がいい。

さらに銀座を歩き、旭屋書店へ。文学のコーナーはもう少し本があるといいなと思いながら、経済書のところを見ると企画書の書き方、実例集みたいな本が花盛り。「企画書の書き方」自体が商売になるというところが現代なんだなと思う。なんとなく文庫のコーナーで谷崎潤一郎『少将滋幹の母』(新潮文庫)を買う。小倉遊亀の挿絵がキュート。平中が振られるエピソードではじまるんだなこの本は。「せめて見たという二字でも返事を」、という懸想文にその手紙の「見た」という二字を切り取って送るという極北の冷たさ。もちろん有名な話なんだが、平安時代の日本人は相当意地が悪そうだ。業平と同時代なんだよなあ、これで。

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一部の勢力がポスト小泉に福田康夫を担ぎ上げようとかなり画策している。いずれにしても安倍晋三が世論調査では圧勝なんだが、NHKで6パーセントの福田の支持率が読売系の日テレでは10パーセントを超えていた。こういう調査はかなり露骨に意図が現れるのだなと思わされる。

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昨日はいい天気だったが、今日は肌寒い。まさに花冷えか。

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