中村新監督がんばれ/ポン子さんがんばれ/あがり成り/『プリニウス書簡集』

Posted at 05/10/07

今朝の信州は晴れていて日差しがある。湿度も低く、穏やかな日和になりそうだ。

オリックス新監督に中村勝広GMが就任。中村氏といえば90年代に阪神の監督をやっていた。中村氏には昨今のオリックスの窮状を見ていると同情というのも変だがそういう感じがあったのだが、ついに自分で監督を引き受けることになったということだろう。仰木監督がある程度結果を出して(といっても4位だが)高齢で1年で引退した後を受けることになったり、観客席は相変わらずがらがらだったり、高校生ドラフトで辻内を引き当てたと思って喜んだら勘違いだったということがわかった後の後姿が妙に淋しげだったりそんなこんなの要素を見ているとまたたいへんな仕事を引き受けたなあという感じがとても強い。オリックス・バファローズなどといってもまだまだヌエ的な正体不明の球団であるし、プロ野球に今後とも定着できる球団になれるのか、難題山積みである。オリックスという球団にはほとんど興味はないが、中村新監督には頑張ってほしい、というか幸あれかしと他人事ながら思わずにはいられない。

川口元外相が参議院神奈川補選に立候補したという。川口さんは外相時代にはほとんど評価できる仕事を出来ずに評論家の三宅氏などにはポン子さん呼ばわりされていたが、環境大臣時代には実は相当評価が高かったという話を覚えている。環境のようなテーマには粘り強く国際的な交渉をまとめていく手腕がある、ということは官僚としてはやはり非常に優秀な方であるのだろうと思う。もともと黒を白と言いくるめるような百鬼夜行の外交を担当するのは任に合わない、不適材不適所という印象が強かったのがマイナスだが、まだまだ川口さんの手腕が国家のために生かされる場面はあると思う。実はひそかに「ポン子さんがんばれ」と思っている。

それにしても、小泉首相のやり方は先に大臣にした「民間人」を議員として担ぎ出すケースが竹中氏と二人続いた。議員になってから何期か勤めて「大臣適齢期」を迎え、大臣に「成りあがる」のが今までの自民党政治であったが、大臣になった後で議員になる、というと成りあがりではなく「あがり成り」という感じだ。昔友人が千葉のジャガーというロックミュージシャンを事業で成功してからミュージシャンになった「あがり成り」だと評していて可笑しかったのだが、政治も相当なんでもありという感じになって来てはいる。
昨日松本に仕事に行く往復で、『プリニウス書簡集』をずっと読んでいた。気楽に読める文体ではないが、読んでいると心が洗われる感じがする。ラテン語を自習してそのほかのラテン文学も自分で原文で読んでみたいと思うくらいである。マキャベリが日中は小役人として騒々しい役所で人々の日常の問題を扱ったあと、家に帰ってくると居住まいを正してギリシャローマの古典を読み、古代人と会話した、ということを塩野七生が書いていたが、マキャベリの気持ちがよくわかるなあと思う。プリニウスの書いていることに比べたら世の中のたいていのことはつまらない小さいことだという気がしてくる。そこにアルカディアを幻視していればいいという問題でもないが、心が清められるような感じのする本を読むということは価値のあることだなあと思っている。

月別アーカイブ

Powered by Movable Type

Template by MTテンプレートDB

Supported by Movable Type入門

Title background photography
by Luke Peterson

スポンサードリンク













ブログパーツ
total
since 13/04/2009
today
yesterday