六者協議ほか/安野モヨコ『カメレオン・アーミー』

Posted at 05/09/20 Trackback(1)»

前原誠司ってどこかで聞いたなあとしばらく考えていたが、明治初期の参議、前原一誠に似ていると言うことだった。ネットで調べるとみんな「似てるね」と言う発言ばかりでそこに縁があるのかどうかは誰も分からないようだ。前原氏の亡くなられた父君は裁判官だったそうだから、あながち無縁でもないのかもしれない。偶然の一致にしてはよく似ている。

六者協議、急転直下共同声明発表に漕ぎ着けた。しかし拉致問題解決に結びつくだろうか。昨日のTVタックルに出ていた安倍晋三が拉致問題を解決できないのは結局9条の縛りがあるからだと発言していたが、そうなんだろうなと思う。護憲主義では拉致問題は絶対に解決できないと言うアポリアにすでに入っていると言うことなのだと思う。あれか、これか、というときに、日本国民はどちらの踏み絵を踏むか。拉致被害者を見殺しにしろ、という声なき声も残念ながらゼロではないようには思う。それが今の日本人の実態だろう。

ダイエー創業者中内功(つくりは力ではなく刀)氏が死去。晩年は不遇そのもの。ダイエー球団も失って、神話が崩壊しつくした後でなくなった。膨大な公的資金投入を考えれば同情しにくいところもあるが、やはりあの時代の日本人が信じていたものの崩壊、というようなものが中内氏の転落に象徴的に現れているのだろう。現代の紀伊国屋文左衛門とでも言うか。

昨日はものを考えたり本を読んだりしつつ色々やっていたらいつの間にか時間が過ぎていた。しかし、横山光輝『項羽と劉邦』、業田義家『自虐の詩』を知らない間に10冊以上読んでいたからそこで時間が消えてしまったのだろう。ときどきものを思いついては仕事をしたり、出かけたり。洗濯物も洗い物も片付いているからきっと気がつかないうちにやっていたのだろう。午後丸の内の丸善に出かける。最近運動不足なので木場駅まで何キロか歩く。特急の切符を取ったり、本を物色したり。結局安野モヨコ『カメレオン・アーミー』(祥伝社,1999)を買う。日本橋まで歩いてコレドの地下の東急ストアへ。夕食のおかずと、ついでにマイヤーズラムを買う。

『カメレオン・アーミー』は短編集。昨日は安野を内田春菊と比べたが、これを読むと岡崎京子と比べたくなった。岡崎が80年代、つまり私などの20代のころの若者を描いているとしたら、安野は90年代から21世紀の若者を描いていると言う事なのだと思う。登場人物のある種の戯画化は安野のほうがずっと進行していて、しかしステロタイプに堕しているわけでないそこの微妙な危なさが安野の魅力なのかなと思う。絵のパワーとかもあるが、たとえば「おしゃれ」に対する噴出するマグマのような人間の力ではどうしようもない圧倒的な暗い情熱のようなものを安野は持っていて、それは岡崎にはない、という気がする。かといって岡崎もおそらくはこだわりとか屈託だらけの人間であることは確かで、もうそれは自分たちにも見えない何かかもしれない。いや、読み返してみないと分からない。読み返してみたらそれが何か分かるかもしれないのだが。

やはり、その「何か」は違うが、私などもそうしたある種の根源的な暗い情熱を持っていて、それが自分をある種の十字架に縛り付けている部分はあるなということをこういう人の作品を読むと感じる。

"六者協議ほか/安野モヨコ『カメレオン・アーミー』"へのトラックバック

トラックバック先URL

"六者協議ほか/安野モヨコ『カメレオン・アーミー』"へのトラックバック一覧

カリスマ経営者 逝く・・・

from やんちゃなおやじ! at 05/09/20

 中内功氏、逝く。 我々の親の世代の第一人者であり、大阪・神戸では超有名な経営者のお一人であった。  大阪は旭区・千林で小さなお店からのスタートらしく、それは想像を絶する経営手段で一時代を築いてきはったんやろ。 その勢いたるや凄まじいものがあったに違いない

月別アーカイブ

Powered by Movable Type

Template by MTテンプレートDB

Supported by Movable Type入門

Title background photography
by Luke Peterson

スポンサードリンク













ブログパーツ
total
since 13/04/2009
today
yesterday