9月/台風と台湾/ハリケーンとニュー・オーリンズ/シーア派の宗教心昂揚とテロリズム

Posted at 05/09/01 Trackback(1)»

9月になった。

気持ちが革(あら)たになる月の変わりといえば、やはり1月と4月、そしてこの9月だろう。今朝の信州はとても涼しい、というより肌寒いくらいだ。朝のうちだけだろうとは思うが、ウールのズボンを出して、ウールのカーディガンを羽織っている。またもうすぐ寒くなっちゃうね、とは家での会話だが、信州では「暑い」というのは本当に一時的な現象だ。大体の時期は寒い。

与那国島で猛威をもたらした台風は台湾に上陸し、中国に向かうようだ。台風情報で台湾の全域が暴風域に含まれているのに、台湾の人に向けて「ご注意ください」というコメントが全くないのが奇異に感じるが、国外に対してそういう警告を出すことがNHK、あるいは日本の放送局には出来ないということか。実際には台湾でも衛星放送で見ている人は多いと思うのだが。

ニュー・オーリンズ、という町の名前をはじめて知ったのは、子どものころにリンカーンの伝記を読んだとき、「奴隷市場のある町の名前」としてであったように思う。そのあともそのイメージは強烈に焼き付いていたが、オーリンズがもともとオルレアンを意味するフランス語由来の知名だとか、ルイジアナ自体が聖王ルイにちなむ名前だとかを知ったり、黒人のジャズの聖地だということを知ったりするとだいぶイメージが変わってきた。私がニュー・オーリンスに行ったのは多分8年前のことだったと思うが、今回のハリケーンのニュースで知っている場所が出てこないかと探したけれどもよくわからなかった。

それにしてもルイジアナとミシシッピであれだけ被害が出るということは、数十年に一度の災害だろうと思う。メキシコ湾岸の原油採掘施設にも被害が出たといい、もともとの原油高にさらに追い討ちをかけている。被災者をヒューストンのアストロドームに移送するという話を聞くとやはりびっくりする。日本のように地域の体育館では間に合わないということか、それとも完全にほとんど州全体がダメということなのか。

ニュー・オーリンズのフレンチクウォーターやバーボンストリートの被害はどうなのだろう。商店の略奪が行われたというが、私の歩いたあたりでもそんなことが起こったのか。東京の私の机の上にはそのときに買った黒人のジャズ奏者がドラムをたたきピアノを弾いている小さな人形が置いてある。

イラクのチグリス川の悲劇も大変なことだ。ファルージャの戦闘などでいったいどのくらいの人的被害が出たのか分からないが、はっきりしている人数ではイラク戦争以来最大の死者数といってよいのだろう。今回はシーア派の第7代イマーム、カズィーヤの命日にあたる巡礼行事だというが、シーア派にとってはムハンマドの正統的継承者であるアリーの子孫にあたるイマームの命日は重要な宗教行事だと言うことは間違いない。特にフセイン政権下で独自傾向の強いシーア派の動きは厳しく抑制され、宗教行事も禁じられていたので、フセイン政権崩壊後は堰を切ったように宗教的熱情が高まり、百万人単位の行進が行われるようにすらなっているのだという。

こうした不特定多数の人が集まる宗教行事は、こうした宗派対立で混乱した状況のなかでは格好の無差別テロリズムの標的になってしまう。しかし、だからといってシーア派の宗教心を規制することは、もはや出来ないだろう。出来るのは米軍だけだし、そしてもし米軍がそれをやったらイラクを抑えておくことはもう出来なくなるだろう。オスマントルコからの分離(イギリスの信託統治)以来、イラクは難治の国であるとはよく言われたことだし、曲がりなりにも統一を保ち国を抑えることができたのは強権を振るったフセイン政権だけだったわけで、こうした全くの異文明の国でアメリカのやり方や考え方でどこまでやれるのか、もちろん非常に難しいことである。

とにかくアメリカは最悪でも石油利権だけは確保したいと思っているだろうが、それを可能にする政治的枠組を成立させ得るのかどうか、そうとう難しくなってきているだろう。日本も当面はそのアメリカの努力に付き合わざるを得ないのだろうけど、実現可能性はともかく、日本としてはイラクに対しどのような向き合い方が可能なのか、理想形から最悪の一歩手前形までさまざまシュミレーションをしておいた方がよいのではないかと思う。
わが国に返ってみると、日本にとって最大の外交課題であるはずの拉致事件は一向に進展せず、総選挙の争点にさえなっていない。こういう状況のなかで行われる選挙をどのように捉えればいいのか、ちょっと困ったなと思っている。郵政なんてまあ言えば地味なテーマをここまでクローズアップさせた小泉首相のパフォーマンス能力はすごいけれども、横田めぐみさんからの手紙一通届かないご両親の思いを引き受ける気はわが首相にどれだけあるのだろうか。

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