杉浦日向子さん

Posted at 05/07/26

昨日の夜、杉浦日向子さんの訃報が飛び込んできて、それについて書いたのだけど、そのあとも友人からメールが来たり、あちこちの日記やブログでその事に触れられていた。改めて、杉浦さんの存在について考えた。

中尊寺ゆつこさんがなくなったときも衝撃であったが、今回ほど多くの人が反応したわけではない気がする。なんだかんだ言っても中尊寺さんは癖のあるマンガを書く人だし、「幅広い支持」というより、ちょっと変わった人、という印象が強いからだろうと思う。

杉浦さん死去の報に対する受け止め方は、私はあまりよく知らないのだが、プロレスの橋本真也さんがなくなったときの反応に似ているような気がする。誰からも慕われていた、愛されていた、という印象である。

杉浦さんは、「江戸の世界」というものをわれわれに身近に感じさせてくれた人だと思う。もちろん、本当に身近になったわけではないにしても、杉浦さんのマンガ、著作、語り口その他で、多くの人が興味を持ち、江戸の世界を楽しむきっかけを作った、江戸の世界が楽しいんだよということを多くの人に知らせた、そういう人だ。だから、そういう杉浦さんの語りに触れているうちに、杉浦さん自身を身近にかんじるようになった人も多いのではないか、とそんな気がした。

いつも着物で番組に出られて、笑顔で解説されて、学者のような難しいことをいわず、それでいて深い知識を感じさせる、こう書いていると私も改めて杉浦さんというのは豪い人だなと思う。博覧強記の荒俣宏氏との結婚は長くは続かなかったが、「向こう側の世界」との交流能力というものを感じさせる荒俣氏とは、近いようで実は遠いところにいた人なのだろう。杉浦さんはあくまでこちら側の人だった、と思う。

しかしこんなことで、杉浦さんの方が早くあちらに行ってしまった。運命というかなんというか。今頃どこで、何をなさっているのだろう。

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by Luke Peterson

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