「ブリジット」と「男の娘」をめぐる日本の文化的伝統/元横綱稀勢の里インタビュー:21世紀の相撲の未来

Posted at 22/08/11

8月11日(木・山の日)晴れ

昨日はフル回転の1日で、めちゃくちゃたくさん用事をこなしたのだが、新規に出てきた用事もあり、今日も松本の整体に出かけるほかにいくつか用事が残っていて、とりあえずなんとかしようと思う。少しは頭の中が片付いてきた感じもあり、シンプルにいろいろなことをやって行けるといいと思う。暑いのは暑いのでいろいろ対策は必要だが、なんとか体調を維持して夏を乗り切りたいなと思う。

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ちょっと面白いなと思ったことについていくつか。

https://news.denfaminicogamer.jp/news/220809m

「ギルティ・ギア・ストライブ」というゲームで「ブリジット」という「男の娘」キャラクターが人気を呼んでいるという。私はゲームをあまりやらないので良くはわからないのだが、このキャラクターが海外ではMtoFのトランスジェンダーであると受け取られているということに違和感を表明するツイートを多く呼んだので、この点における日本と西欧文化圏との「文化の違い」について改めて認識した、という感じがある。

日本において、「女装する男子」というのはある種日常的な文化というか、少なくとも歌舞伎などにおいて男性が女性を演じる、女装をするということは普通のことであり、そうしたことに対する心理的抵抗はそれほどは大きくないと思う。

ツイートを読んでいても歌舞伎の例のみならず、ヤマトタケルノミコトが女装してクマソタケルを倒した例などもあるし、中世寺院の「稚児を愛でる」文化、また雅楽以来女性の役を男性が演じることに対する「女形の文化」というものは能や歌舞伎においても当たり前のことで、特に歌舞伎においてそれが開花したというところはあると思う。

現代の「男の娘」というのはその延長線上に開花したようなところがある。少し前の「ぼくらのへんたい」という作品は、性同一性障害であるとか女装させられて男性にレイプされたトラウマとか母親が死んだ姉を求めるのでそれに応えるためというような理由で女装する少年たちの話だが、その女装はあくまで自然で、MtoFのトランスジェンダーも男色もあるけれどもそうでなくても女装そのものの面白さのようなものを求める嗜好のようなものも描かれていたと思うし、「女装してる自分が本当の自分」みたいな「行きっぱなし」の感覚でもなく、「日常性からの解放」とか「違う自分として振る舞える」「単にモテる」みたいなそんなにハードルが高くない理由での女装も実際には結構多いのではないかと思う。

私の女装経験というのは高校の「美人コンクール=クラス代表の女装男子が人気投票を競う」みたいなものと、基本的に演劇で女性の役を演じたことしかないけれども、前者はまあ男子校ノリなのだがそれでも女子もいたのでメイクを女子にやってもらったりして普段にない経験ができ、演劇をやっていた頃もメイクが面白く、これはハマる人はハマるだろうなと思った。

日本は基本的にそういうところのハードルが低く、だからLBGTQなどと理論武装した人たちの理屈を言われると面食らう人々が当事者を含めて多いのだろうと思う。おしなべてフェミニズムもそうだがジェンダーがらみのことは西欧と文化が違う面が多く、そうした新来理論の来襲で混乱していたり面食らっていたりする面は多いように思う。

結局、そのような文化衝突の一番大きな理由は、西欧思想が「二項対立」でモノを考えることを前提としていることで、「男の娘」を見てバグってしまうようなところに日本文化から見た西欧哲学の限界のようなものを感じるのだが、鈴木大拙など戦前にはそういうアンチテーゼも提出されていたと思うが敗戦後はなかなかそのような面からの主張や提案が広く西欧に認識される試みはあまり多くないなあと思ったりはした。

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今朝読んでいて感銘を受けたのが元横綱稀勢の里の二所ノ関親方のインタビューだった。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220810/k10013761011000.html

稀勢の里は現役時代から好きだったし、横綱で十分力を発揮できなかったのは残念だったがその分後進の指導に余力が残ったのかなと感じた。21世紀に相撲というものが生き残るために必要なアプローチだと思うし、伝統と革新の中で新たな時代を築いてくれる人になるのではないかと読んでいて思った。期待したい。

私も最近あまり相撲が面白く無くなってきて、もう相撲もダメになっていくかなと思っていたけど、こういう人がいれば大丈夫だなと思った。「伝統と革新」ということに関しては以前は貴乃花に期待していたのだけど、あの人はどうも妙にトリッキーというか変な方向に行ってしまって、流れを変える前に自分で転んでしまった感じがある。

それに対して稀勢の里のインタビュー、読んでいて安定感があるし、人格的にもこの人なら信頼できる、という感じを強く感じた。ただそういう人だからうまくいく、というわけではないのでなんとか彼の理想が結実し相撲がまた盛り上がるように応援できたらいいなと思う。

貴乃花のような持って生まれたカリスマ性のようなものはなく、いろいろ苦労した中で段々に身についたものが彼の武器だとは思うが、頑張ってもらいたいと思った。

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